地獄の２００３年《前編》
５月ＧＷ
私は実家に帰ってた。
いつも揃うはずのメンバーが足らない。
Ｋが居ない。
『出張ばっかりやねん』
前から東京やアジア系の海外への出張があったから何の疑いもなかった。
でも‥今思い出すと、この頃やっぱり妹は元気がなかった。
８月お盆休み
またまたＫが居ない。
『出張やねん・・・』
少し痩せた妹は言った。
最近ほとんど帰って来てないと言う。
「ふ～ん、浮気してたりするんちゃうん(笑)」
「あの子に限って、そりゃないわぁ～(笑)」
「どうせするなら、もっと上手にするやろ？そこまでアホちゃうでぇ～(笑)」
私たちがそんな会話をする中、妹は笑ってた‥けど・・・。
この時も、今から思えば、精一杯笑ってた。
忘れもしない８月２３日
Ｋはいきなり帰って来た。
３ヶ月ぶり。
何もなかったようにお風呂に入ってるＫ。
携帯を見たら、ストラップが着いてる。
オマケに何やらシールまで！
ストラップは大嫌いだったはず‥しかもこんなシールまで。
我慢の限界に達した妹は、Ｋの鞄を開けた・・・
手紙が出てきた‥
そして・・・・
最悪…マンションの鍵まで。
手紙の内容は、それはそれは下品で、バカ丸出しの内容やった。
ご丁寧に二人の性生活を教えてくれてた。
お盆も仕事と言い、家の車で出掛け、実はその女の実家に行ってたことまで教えてくれてた。
鍵にはシールと同じモチーフのキーホルダーが付いてた。
決定的やね
私が妹を凄く誉めてあげたいのはこの後の行動。
“浮気されてる可能性は大きい”と予感していたとは言え、
実際このような物を見つけたら取り乱し兼ねない。
でも、妹は冷静だった。
多分…一生懸命、精一杯やったと思う。
手紙をＦＡＸでコピーを取った。
手紙にはこれまたご丁寧にフルネームを書いてくれてた。
携帯をチェック。
バカ正直に、その女の名前で登録されてた。
家の番号はフルネームで、携帯番号は名前で。
名前は【Ｒ】
妹はメモりました。
何も知らずにお風呂から出てきたＫに手紙を突き付けた。
Ｋは勝手に鞄を開けた事に激怒。
いわゆる【逆ギレ】っちゅうやつ。
オマケに、誤解だの、何かの間違いだの…。
「破って！」
「後でするから、そこ置いといて」
「今すぐ！」
「疲れたから」
「あかん！」
「じゃあ、オマエが破ったらえぇやんか」
「私の目の前で、自分で破って！破られへんくらい大事なもんなん！？」
妹の手から手紙をもぎ取りビリビリにした。
コピー取られてるとも知らずに。
翌朝・・・日曜日・・・
【仕事】と言いながら荷物をまとめ、
検査に出す…と言いながらジェットを持って出た。
今年の夏は、妹は一度も海に連れて行ってもらってないのに
この日はＲを連れて紀ノ川に行っていたと後々判明した。
それからまた、帰ってこない日が続いた。
８月２７日
妹から意味深なメールが届く。
仕事中やったけど、気になって仕方がないから電話した。
ここまでの経緯を妹は泣きながら話した。
ここまで来なければ気付いてあげられなかった事が悔しかった。
●実は３ヶ月帰ってきてない事
●手紙＆マンションの鍵の事
●お盆はＲの実家に行ってた事
このお盆の話はほんと、腹が立った。
妹は、仕事でお客さんを連れて行くから車使うな‥って言われたから
お客さん乗せるんやったら、恥ずかしい思いをさせたらアカンと思い洗車した。
スタンドに出すともったいないから、コイン洗車場で大きな車を一人で洗った。
真夏の炎天下の中・・・。
それやのに、帰ってきた車を見てびっくり！！
犬の毛で車内は汚れまくってる。臭いも付いてる。
恐らくマルチーズ。白い毛がいっぱい。
しかも‥
ボンネットに○毛がっ！！
こんな所にそんな毛がある事がおかしい！
妹は
「なんで私‥知らん女の犬の毛と、こんな変な毛の掃除せなアカンの！？」
悔しくて仕方なかった。
会議室で話ながら、私も涙が止らなかった。
信じられないのと、腹が立つのと、悔しいのと…。
日記の方が詳しいので
８月２７日「１０年目の裏切り」
８月２８日「１０年目の裏切り－その２」
お時間があれば覗いて見てください。
なんせ、半年前の事だし、怒濤のように過ぎ去った日々なので細かいところまで思い出せてません。
臨場感を味わいたい方は見てください。
この日以降、まだまだ色々ドラマを越えたドラマが起こります。
© Rakuten Group, Inc.
