雨のちハンターだまり♪

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幸運のランポスフェイク《前》


眼光鋭く、大きなクチバシに付いた牙はさらに鋭く。

新米ハンターが初めて出会うであろう、このモンスターの装備品について
こんな噂が流れ始めた。

「ランポスの頭をかたどったヘルメットがあるらしい」
「何でもそれをかぶると、運が良くなるそうだぞ」

それは、瞬く間にハンター達に伝わり
それを求めて多くの者がランポスを乱獲した。

そんなときの物語である。




彼女の名はラクス。
あまり争いは好まずに、必要でなければモンスターにも手を出さなかった。
時には森のおじいさんの山菜採りを手伝って、奥地まで入る事もあった。

森の奥も奥、樹海と呼ぶに相応しいその場所で、彼女はそれを見た。
-------驚くほど小さなランポス。
それを守るように眠る二頭のドスランポス。

子供のランポスだけが眠っている時を見計らって、
彼女はその巣のそばにあるキノコを採りに行った。
---その時。

「クルルゥゥウ?」
小さく喉を鳴らして、足下のオチビさんが目を覚ました。
おびえているのか、人間を見るのは初めてだろう。
そのランポスに、彼女は小さく声をかけた。
「怖くないよ・・・?」

人間の言葉が理解できるわけでもない。
ましてや、モンスター。
普通の生物とはワケが違う。
しかし、そのランポスはゆっくりと立ち上がると彼女をじっと見つめた。

--------まるで、それが危険かどうかを確かめるように。
   ぐるっと周りを回りながら。

それから何回か、そこには訪れるようになった。
といっても、親がいる間は危険だ。
毎日の早朝、ドスランポス達が見回りに行く時間に
彼女は何度もそのランポスと会った。

--------お爺さんには、山菜を採りに行ってくるという名目で説明していた。


ランポスは始め怖がっていたが、そのうち近づいてくるようになり
その時にはもう大きくなっていたので背中に乗せてもらい
森の外まで運んでもらっていた。

「お前も、もう一人前だね。」
「クゥゥ?」

”イチニンマエ”という言葉は初めて聞く。
それを喜んでいるのか知らないが、一度雄叫びを上げると
ランポスは森の奥へと去っていった。。。

そして、三日が過ぎた。
今日の任務は、ドスランポスの討伐。
場所は、あの森のすぐ側の丘・・・・。
嫌な予感はしていたが、彼女はメンバーを集めて
3人で狩りに出た。

ハンター達がエリア3と呼ぶ場所。
そこに、2匹のドスランポスがいた。
「あいつだ!!」
「よし、いくぞ。」
「はい。」
気が進まなかったものの、彼女から誘ったのだ
今更側で見ているだけというわけにはいかない。


ーーー後編に続くーーー


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