”名も知れぬ人たちへ”・【転4】

・・・幸せー・・・

幸せな日々が,ズーと続けばいいなー。私も妻も娘もそう思っている。
一番,ホットとているのは娘かも知れない。
だって,今まで一人でごはん作って一人で食べて・・・。
あっけない日々だったと思うから。
"いってきまーす"や"ただいまー"なんて言葉は一方通行だっただろうから。
みんな"ホット"している。暖かいと落ち着いたということをかけたつもり。

退院までの間,私は財布を管理してきた。
ようやく,大蔵大臣(今は,財務大臣)が帰ってきたんだから,引継ぎをしなくては。銀行の通帳やキャッシュカード,領収書などをまとめて妻へ手渡す。ただし"手伝うからね"って付け加えて。
財務大臣の仕事は,給料の振込まれる通帳から各通帳へ振り込みすることと,
生活費の現金化,長期スティのじーさんの年金の収支管理など。
もちろん,食料品の調達から日用品まで・・・結局全てだね。
妻はそんなに走り回れるはずがないので買い物など頼まれたら私がやる。
もちろん食事だって手伝う。

「遠慮せずに言うんだよ・・・」
「うん,ありがとう。そのときはよろしくね」って,すまなそーに話す。すぐに,
「いろいろやってみるから,おと吉は仕事がんばって」と。
「了解したー,なんかあったら呼べよ」。単身赴任だから,平日はいなくなるから心配だよ。
「付属病院には車で行くから,大丈夫・・・」と。
「行くとき,教えろよ,一緒に行ってもいいよ,休暇取れるから・・・」
「今は,いいと思う。もし必要なときは・・・ごめんね」だって。

・・・いつまで・・・
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