”名も知れぬ人たちへ”・【転14】

・・・こんな思いは『幻想』なのかな・・・

その思いとともに毎日を過ごす。
そんなとき,健康食品を取り扱うメーカの人が我が家に来ると
妻から連絡があった。
付属病院に入院しているころから出入りしていて話とか聞いていたらしい。

単身赴任先からメールする。
"どんなこと?聞く内容は?"
"水"
"水?"

半信半疑のまま週末となった。
いつものように学生達で込み合う電車で1時間40分揺られる。
いつも,駅に向かえにきてくれていた妻を思い出す。"おかえりー,何食べようか?"
ってね。
でも,もう車もあまり運転できない。

さて,水の話・・・それは奇跡の水?だそうだ。
実際にミニトマトをその奇跡の水?に入れるとなんと色が落ちる。
メーカが言うには細かい水の粒子が洗うそうだ。
普通の水では落ちないものまで。
それと普通の水は殺菌するため塩素が使われている。
よくないらしい・・・塩素。
とにかく塩素は体を老化させる,とのこと。
奇跡の水?は塩素を取り除くため老化を防ぐ?
また,老廃物を出してくれる?と言うようなことをしきりと・・・。

妻がこの話をじっくりと聞いている。
その姿を見て,付けようと思った。
取付代が結構高いけど妻に何かしてやりたい,いろいろなことを試したい。
そう思いながら契約書に印鑑を押す。

・・・奇跡?起きてくれー・・・
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