月 翳 庭 苑

月 翳 庭 苑

2008年10月08日
XML
テーマ: Photo & Word(67)




秋薫

赤味を増し始めた夕日の中で
道のすぐ近くまで伸びた枝の先
大きく育った柿の実が揺れる
まだ幼かったあの日
君と一緒にこの畑に忍び込んで
もいだ実をズボンで擦って齧ったっけ
僕よりも背が高くて
僕よりも物知りで
僕よりも脚が速くて
けれどそんな君も
木登りだけは僕よりもへたくそで
『柿の木は折れやすいから高くまで登らないだけだよ』
口を尖らせてそんな強がりを言いながら
僕がもいで渡した柿を美味しそうに齧っていたね

枯葉の薫り
熟して落ちた柿の実の饐えた薫り
ほのかに漂う金木犀の薫り
そんなたくさんの薫りに紛れるように

僕の隣で柿の実を齧る
そこばかりは女の子らしい
長い髪の甘い薫り






















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年10月08日 14時09分21秒
コメントを書く
[踊るように言葉を紡ぎ] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: