序章



子供の時からずっといじめられてきた『僕』。
『僕』は、人を信じる事を忘れていた。

学校でも、会社でも。
誰一人として『僕』を人間としてみてくれていなかった。

ある人は『僕』の事をまるで汚物のような目で見つめ、
またある人は『僕』の事をこの世にいないもののような、そこに存在していないかのような立ち振る舞いをした。

それは『僕』と同年代の人間ばかりではなく、『僕』よりも遥かに年上の大人達、そして年下の子供たちでも変わりはなかった。

いつしか『僕』はそうした事に慣れ切っていたのかもしれない。

『僕』から『自分自身』という存在は、まるで泡のように消え去ってしまった。

抜け殻となった『僕』は、今日も街をさまよい続ける。

もう一人の『僕』を探して…


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