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ハリウッド版「インファナル・アフェア」にマーク・ウォールバーグが参加Yahooのニュースからからの引用(一部省略してますが大意は崩してません)>マーティン・スコセッシ監督が現在準備を進めている「インファナル・アフェア」のハリウッド・リメイク版「The Departed」。警察と犯罪組織それぞれに潜入を命じられた2人の男が対決するという筋書きはそのままに、物語の舞台を香港からボストンの裏社会に移し、警察とアイルランド系マフィアとの対立を描く。オリジナル版でトニー・レオンが演じていた警察側のスパイをレオナルド・ディカプリオ、アンディ・ラウが演じていたマフィア側のスパイをマット・デイモン。ウォールバーグは、ディカプリオの同僚となる巡査を演じることになるという。脚本は「キングダム・オブ・ヘブン」「ジュラシック・パーク4」のウィリアム・モナハンで、06年の公開予定。>この場合、マークウォルバーグを良く担当している森川さんに、お仕事がくるかな?という予感もするが、もしスコセッシ監督とレオナルドのコンビのギャングオブニューヨークの再現で、今年のアカデミー本命のアビイターで万が一もう1回森川さんにレオの吹き替えチャンスが廻って来たりすると(確率は低そうだが・・・)、マークではなくレオの可能性も出てくる・・・どっちにしても、森川さんに御仕事がありそうな匂いのぷんぷんする映画情報。PLANET OF THE APES/猿の惑星の地上波初登場主演森川さん吹き替えオンエア-が明日なので、結構縁があるなと思ってマーク・ウォルバーグをちょこっとだけ調べた。ここから以下のデータの情報源はyahooでリンクしている海外映画俳優マガジンというページ↓ここhttp://www.fmstar.com/MARK WAHLBERG マーク・ウォルバーグ (1971/6/5) 出身 米マサチューセッツ州ドーチェスター 下層階級の貧しい9人家族で育ち、少年時代はストリートの不良少年だった。12歳の時にブレイク・ダンサーとして活躍し始め、14歳の時にはエレクトリック・ジェネレイションに所属していた。一時は、万引で逮捕され、ドチェスー青少年救済センターに通っていた。その後、ハイスクールを9年生で中退し、兄のドニー達と結成したニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックで芸能界デビューし、2000年現在、2枚のヒットアルバムをリリース。94年「勇気あるもの」で映画デビュー。96年「悪魔の恋人」が初主演。他ジョージ・クルーニーと共演した「スリー・キングス」「パーフェクト・ストーム」がある。 出演作(◇主演、◆助演1993年「悪女は三度涙を流す」(V)1994年「勇気あるもの」1995年「バスケットボール・ダイアリーズ」1996年「悪魔の恋人」◇1997年「フェイクディール 偽札」「ブギーナイツ」1998年「ビッグ・ヒット」1999年「スリー・キングス」◆「NYPD15分署」◇2000年「パーフェクト・ストーム」◇「裏切り者」◇2001年「PLANET OF THE APES/猿の惑星」◇「ロック・スター」◇2002年「シャレード」2003年「ミニミニ大作戦」◇ 15本中4本を森川さんがDVD&TVで吹き替えている「ビッグ・ヒット」DVD版「ミニミニ大作戦」DVD版「NYPD15分署」DVD版「PLANET OF THE APES/猿の惑星」TVこの人、元不良だったんだ、どうりでどこか危険な香りがするのか・・・それと、実はなんだか見覚えがある顔だと思っていた、なんとあのニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのメンバーだったってぇ~うっそ~!一時期結構人気があった、でもアイドル系のグループで、結構ちゃかっちゃかと踊っていたと思う。そうでしたか・・・目からうろこ、いわば日本でいうところのジャニーズ系の少年隊か?でも、そうなると、彼は成功したんだ・・・アメリカはチャンスの国だ。なるほど、どこか危険な香りがするミュージシャン上がりの男、同じロックの香りのする男森川さんが吹き替えているのか・・・森川さんはマークほど危険な香りしないが、雰囲気が男っぽいという点では、シンクロする物があるかもしれない。4/15本で吹き替えているのは、結構フィックスに近いかもしれない。ちなみにスリーキングスでのマークは成田剣さん、他のはすぐにはわからなかったので、断念。成田剣さんといえば、インタヴューウイズヴァンパイヤーでクリスチャンスレーター吹き替えてたとき、結構合っていると感じた、でも宮本充かもしれないと一瞬思った。映画と吹き替え談義は、芋ずる式で話が発展してしまう。面白い。もうすこし脱線しよう。ユアン・マクレガー(1971/3/31)日本公開されてる映画リスト1993年「ユアン・マクレガーの赤と黒」(TM)1995年「シャロウ・グレイブ」「ブルージュース」 「ピーター・グリーナウェイの枕草子」1996年「トレインスポッティング」「エマ」「ブラス!」1997年「普通じゃない」「悪魔の口づけ」◇「ナイトウォッチ」◇1998年「ベルベッド・ゴールドマイン」◇ 「氷の接吻」◇「リトル・ヴォイス」◇ 「マネートレーダー銀行崩壊」◇1999年「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」◇2000年「ノーラ・ジョイス 或る小説家の妻」◇2001年「ムーラン・ルージュ」◇「ブラックホーク・ダウン」◇2002年「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」◇2003年「恋は邪魔者」◇「ビッグ・フィッシュ」◇21本中6本を森川さんがDVD&TVで吹き替えている 「リトル・ヴォイス」DVD「マネートレーダー銀行崩壊」DVD「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」DVD「ブラックホーク・ダウン」DVD&TV「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」」DVD「ビッグ・フィッシュ」DVDやっぱりユアンはフィックスに限りなく近い気がする。宮本さんとかぶるのよね・・・コリン・ファレル(1976/5/31)1998年「素肌の涙」2000年「私が愛したギャング・スター」 「タイガーランド」◇2001年「ジャスティス」◇「アメリカン・アウトロー」◇2002年「マイノリティ・リポート」◆「フォーン・ブース」◇2003年「デアデビル」◆「S.W.A.T」◇「リクルート」◇ 「ヴェロニカ・ゲリン」「ダブリン上等!」2004年「アレキサンダー」◇12本中3本を森川さんがDVDで吹き替えている「アメリカン・アウトロー」DVD「S.W.A.T」DVD「リクルート」DVDさて「アレキサンダー」はどうかな?もともとが、まだ若手で、作品数が少ないので、森川さんとの関係は今後の彼の成長にかかっている。コリンはまだ若いね~ユアンとマークがまったく同年代であるが、ユアンがちょっとリードかな?最後にもっと若い人!ヒース・レジャー ( 1979/4/4 )1997年「ブラックロック」1999年「トゥー・ハンズ 銃弾のY字路」「恋のから騒ぎ」2000年「パトリオット」◇2001年「ROCK YOU![ロック・ユー!]」◇ 「チョコレート」◆2002年「サハラに舞う羽根」◇2003年「悪霊喰」◇「ケリー・ザ・ギャング」◇9本中2本を森川さんがDVDで吹き替えている「サハラに舞う羽根」DVD「ケリー・ザ・ギャング」DVDヒースの場合も、宮本さんが多いのかな?ちょっと調べがついてないけど。
2005.01.27
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森川さんお誕生日おめでとうございます。最近、インターネットの雰囲気では、人気が上昇傾向にあるように思います。やはり外画とアニメとBLと満遍なく出ていらっしゃるのが、成功の秘訣かもしれません。ピラミッドのようにゆるぎない土台のキャリアの積み方をなさるので、この人気はおいそれとは崩れそうにないと思います。そして汲めども尽きぬアイデア溢れるすばらしい感性と、ゆるぎない確信に満ちた演技が、ファンとして頼もしい限りです。良い御仕事のチャンスを獲得されることがファンの最大の楽しみであり、良い御仕事の成果がファンの至上の喜びです。期待もプレッシャーもすべて踏み拉いて、あなたの信ずる道をお進みください。私は、必死に後を追わせていただきます。大切な時に体調が良いタイミングになりますように、いつも陰ながらお祈りしております。呑み助のだめっこ声優ばんざい。
2005.01.26
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私は下手の横好きだが、動くものの写真を撮るのが好きだ。特に、趣味で沢山撮っているのがF1レース。ドライバーが命のぎりぎりを削って走る姿は壮絶であると同時に美しい。そして究極メカの権化のF1カー。運転するソフトとしての生身の人間の存在感を伺わせない硬質のボディは、世界最高の技術と科学の粋。メカとしては究極の美。生き物のドライバーと究極美のマシン、このアンバランスでありながらも、並べば美を感じさせるコントラストに惹かれ、毎年鈴鹿へ、重い機材を引っさげて駆けつける。そしてサーキットをうろつき、心臓の鼓動を速くして、胸ときめかせてファインダーを覗く。堪えられないほどの煌めきのシーンの数々が、あっという間もない時間、1秒が永遠と思えるほどの短い時間に、どんどんと展開され時々刻々と変化してゆく現実ドラマ。写真を撮っているときの自分は、無我夢中でありながらも、頭の芯は結構冷静。ファインダーを通して伝わるシャッター音が私の心を躍らせ、体を緊張させるが、すべてがスローモーションの様に動いて見える。シャッターを切らねばならない瞬間を、自分の本能が教えてくれる。タイミングがばっちり合ったとき、思う瞬間が撮れたと感じたときの手ごたえは、目の中に残る残像(正確には頭の中に残る残像・・・)が、至福の満足感を与えてくれる、いい瞬間が切り取れた気がする・・・と。動くもの写真を撮るのは、そんなわけで面白くて癖になる。もうひとつ究極が、ロックコンサート。チャンスはめったに無いが、過去に5回ほど撮ったことがある。日本のライブハウスで2回とホ-ルで1回、韓国のスタンディング会場で1回、アメリカのライブハウスで1回、全部Yngwieだ。ミュージシャンは、ステージで得も言われぬいい顔をする。オーラが全身を取り巻き、四方八方に放たれる。飛び散る汗が煌めく星のように、命のエネルギーを瞬かせる。大きな翼を広げた鷲のように、四方八方へと広がるオーラの感覚が会場全体を包み込み観客を飲み込むのを肌で感ずる。演奏者の、一瞬一瞬の表情を窺うとき、彼らの脳裏を巡る野生の本能にも似たひらめきが手にとるように判る。恍惚としているとき、怒っているとき、嬉しいとき、気持ちが良いとき、苦痛の時。これら煌めきの表情は、あまりに特別なものであり、ステージを降りた彼らには宿らないもの。一瞬が永遠とも思える至福の表情。そしてオーディエンスの表情も格別素晴らしい。ただし、この肌で感じるナマ生しさを写真で切り出すのは非常に難しい。ほとんど成功しない。満足できるステージ写真を写そうなんて、1000年早いのかもしれない。コンサートという特殊空間は、激烈に明るいライトとそれに照らし出されるミュージシャン、そして闇夜にうごめくオーディエンスで構成される。カメラの機材が安物(プロでも自分では買えないので、レンタルで借りてくるような高級機材を使っている)おまけに素人で技術の未熟な私には、何百枚シャッターを切ろうとも、良いなって思えるのは1ステージほんの数枚ほど、リラックスしているリハーサルの時の方が上手く写真が撮れたりする。コンサート写真は難しすぎる。人物写真考一旦、コンサートやレース場でのドライバーなど、生きた表情を持つ人間を追い、その一瞬のドラマを切り取るようなシャッターの切り方をしてしまうと、私には、ポーズをとって構える集合写真やポートレートを、上手に撮ることができないと思ってしまう。そこそこの機材を持っている関係で、結婚式の写真係を、たまに頼まれる。そういうシチュエーションで撮った写真の仕上がりを観て、つくづく思う。集合写真やお雛様状態の写真は、撮るほうも撮られるほうも魅力があまりない。むしろ、歩いているとき、披露宴会場に入った瞬間、あるいは教会で式が終わって、みんなに祝福されてながら出てくる時、花びらやお米をかけられてるとき、こういう状況での花嫁・花婿さんの至福の表情が、私は大好きだ。だから、結構自慢できる写真が撮れているときが多い。みんなで並ぶポーズ写真は逆に苦手だ。なんとなく、何時シャッターを切っていいかがわからなくなる。時間を使えば使うほど、みんなの良い表情が消える。だから私は、みんなが揃ったら、そこそこ決まってないままでもいきなりシャターを切る。そうすると大概クレームが出るが、そこで再度気合を入れさせて、2枚ほど続けて撮る。が、まあ1回目も2回目も仕上がりに大差はない。むしろ1回目の方が主人公がいい顔していることが多い。そう、何が言いたかったかというと、森川さんの写真。観ていいなと思うのが全部ステージ写真。特にシャウトして歌っているとき。収録現場などで、みんなと並んでポーズをとっての集合写真に収まっている彼は、何時観ても、どれを観ても、本当の彼には見えない。借りてきた猫。だが、時たま、はっとするようないい表情の写真がインタビュー記事で載っているときがある。そういう写真が載っているインタビューは、話の内容までが興味深く面白い物である事が多い。彼から良い話を引き出せたインタビューアとカメラマンの仕事が連動していると思える。『ぱふ誌』の2002年3月号(←修正)の森川さんのロングインタビュー。おそらくしゃべっているところだろう、斜めから彼を撮った一連の写真が素晴らしい。それは得もいわれぬ良い表情をしている。やさしくて知的な顔、嬉しそうな顔。こういう表情をしている彼を切り出せるカメラマンは、彼の人柄をなんとなく判ってくれたのだと思う。こんな表情をさせるような雰囲気に話に持っていったインタビューアの腕のよさを感心する。そして、そんな写真を採用して掲載する雑誌の編集者にも愛を感じる。今月のB’sLogのインタビューも面白かったし、なかなかいい表情の写真も載っている。上手いインタビューだったと思う。人物の写真というのは、撮影者の愛や思いいれを、被写体に見出せれば、必ずや良い瞬間の顔を切り取れるのだと確信する。シャターを切る人は、被写体が誰かを知っているなら、次にどんな表情をするかだいたい予想がつく。だから、良い表情をしそうな瞬間がわかる。心の動きが伺えるから、だんだん気分が乗ってきているとか、嬉しい顔になってきたとか、不機嫌になっているとかを、理解する。どんな表情が次に来るかを予測できる。その予測の元にシャッターを切りまくるわけだから、良い表情が切り取れるのがあたりまえだ。プロのカメラマンでも、人物の表情がなんだかぜんぜんときめかない、ぶすっとした顔の写真しか撮らない人がいる。F1カーを素晴らしく綺麗に写すのに、ことドライバーの写真となると、変な表情しかない、きびしい顔、憮然とした顔ばかりの写真を撮るカメラマン。愛が無い。映画俳優の写真でもそうだ、ゴシップ雑誌でのスナップは、結構変な表情をしている事が多い、それは撮影者に愛がないからなんだと思う。逆に、完璧な仕上がりのプロのポートレートは、被写体を良い気分にさせながら動かして、もすごい数のシャッターを切る。瞬間のひらめきのような、良い表情を数撃ちゃ当る方式で切り出すやり方だ。だからこそ、一瞬の表情を捕らえた素晴らしい仕上がりになる。この場合、写される側もプロとしてそれなりの表情をしてみせるのだが。逆に、いい表情のドライバーの写真を山のように撮るカメラマンも居る。彼らは、ドライバーと個人的に知り合いになりコミュニケーションを通して彼らの人となりを知る、だから彼らはドライバーの良い表情をあらかじめ知っているし、シャッターを切る上手いタイミングを予知するのだろう。結論。もし自分の写真を誰かに撮ってもらうとき、必勝法は自分を知っている人に写真を撮ってもらう事だ。確かに、写真うつりの良し悪しには、自分自身の表情にも原因はおおいにある、だがやはりカメラマンの腕なのだ、アングルや構図などのテクニックではない、そんなものは自然な感性に頼っても十分だ。だが切り出す表情だけは、撮る人の腕とセンスが試されるのだと思う。
2005.01.24
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2002年韓国映画主演 ヨニ=オム・ジョンファ(田中敦子) ジュニヨン=カム・ウソン(森川智之)モノローグもほとんど森川、セリフはほとんど二人。大学の非常勤講師のジュニヨンは友人の紹介でであったヨニと体を重ねながらも、ヨニは医者と結婚、その後も会い続ける二人・・・セックスシーンがやたらと多いのですが、結構さらっとしててるかな、でもおそらく日本よりだいぶ倫理観がきびしい韓国の映画としてはかなり大胆な描写なんだと思う。登場人物は本国ではかなり売れっ子らしい。窓辺の風景や町並みもすべて、すこし昔の日本のようで、懐かしい。登場人物達の顔も、同じアジアでしかも兄弟の国のこと、日本語をしゃべってないのが不思議なぐらい。だから吹き替えで観ると、まるで登場人物がそのまま日本語をしゃべってるようで、凄くリアル。ジュニヨンが一瞬、森川に見えてしまう。二人の会話は、至極自然で、セリフの中身も国の違い感じない。身近な男女の会話。料理のメニューぐらいかな、あと男女の関係や親子の関係が日本より濃いか・・・二人のため息、吐息、ささやき合うような会話、すべてがまるで恋人達の日常をのぞき見ているようである。洋画で聴く森川のセリフ回しよりさらに自然体で、まるで本人の日常会話の流れの中に身を置いているような錯覚を味わった。非常に面白かった。それにしても良い声だ。
2005.01.19
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バスは、たまに乗用車を追い越したが、遮るものはなかった。程なくして、海に近い多摩川沿いの道へ出た。突然、バスの前方に沢山のパトライトの明かりが見えた。検問であった。警察が先回りをして、行く先を塞いでいた。『あいつらもみんなぶっ殺してやる』はるかに検問が迫っていた、バスがこのまま走りつづければ、道路を遮るように止めてあるパトカーと激突するか、警察官を跳ね飛ばすしかない。右は住宅とビル街、横道にはことごとくパトカーが止まっていた。そして、左は多摩川だった。川沿いの道で、バスは追い詰められた。『行くも地獄、止まるも地獄じゃぁ』 『やめろ・・・今なら・・・まだ・・たいした罪にはならない、誰も、死んじゃいないんだ・・・だから・・・早く・・・車を・・・止め・・ろ』岩城の苦しそうな声も男の声も、香籐にはずっと遠くのように聞こえた。『うるさい』『君はまだ若い、やり直せ・・・生きていれば、やり直せる・・・時間が経てば、苦しいことも嫌なことも、忘れられる時がくるんだ・・・』その時だった、バスが急ブレーキをかけた。男はブレーキをかけた津田を突き飛ばし、運転席から引きずりおろすと、ハンドルを取って、アクセルを踏み込んだ。しかし、バスは急ブレーキのせいで、体勢が大きくゆれ、バランスを崩しながら蛇行しかけていた。そこへ男が思い切りアクセルを踏み込んだため、バスは勢い良く斜めに前進し、川沿いのガードレールに激突した。激しい衝撃がバスを大きく揺さぶった。香籐はもうろうとしながら起き上がろうとしていたが、再び倒れこんだ。大きな衝撃が続き、ガラスが割れる音がした。バスが大きく傾き、そして激しく前後した。『落ちる』女性の叫ぶ声がした。そして、再び激しい邀撃が、車中の全員を引っ掻き回した。窓ガラスに何かがぶち当たり、割れた。フロントガラスも激しい衝撃で前面にヒビが入り、大きくへしゃげた。バスは川に落ちていた。濁流のような水が、フロントガラスをぶち破り流れ込んできた。いつのまにか津田が香籐たちのそばへ転がりよってきた。香籐の周りで声がした。『岩城さん、フロントが割れてます、そこから外へ出ましょう、奴は失神してます』『津田さん、彼女を連れて出てくれ、俺は香籐を』『岩城さん、その体で大丈夫ですか?』『大丈夫、先に行って』『岩城さん?』最後の声は自分の声らしかったが、香籐には見当がつかなくなっていた。濁流が全身を巻き込み、あっという間に前後左右が判らなくなった。そのとき、腕を引っ張る者が居た。岩城の手の感触だった。殴られ脳震盪状態で朦朧としている香籐を、岩城は動かせるほうの右腕で引き寄せ、大きく砕け散ったバスのフロントガラスの開口部近くまで香籐を運びながら移動した。バスの前面近くまでたどり着いたところで、流れ込む濁流が全身を巻き込み押しつつみ、水中に没する形になった。数箇所の窓ガラスが割れていて、どこからも水が勢い良く流れ込んでいたが、どの窓も人が通るには狭く感じた。岩城は香籐を必死に自分の体へ引き寄せ流されなまいとした。だが、フロントの開口部は、依然内側へ流れ込む水の勢いが強く、弱っている彼は、その勢いに抗う力では泳げなかった。失血が激しい岩城に急な運動は無理であった、程なくして彼は力を失い、バス後方へ流され始めた。香籐は自分の腕を握る手の力が急に弱まるのを感じた。全身が冷たい水に浸かったせいで、意識が戻り始めていた。(岩城さん・・・岩城さん・・・?)岩城が自分から離れ漂い始めるのが、おぼろげに見えた。香籐は、とっさに頭の痛みを忘れた。鳥肌が立った。全身に力がみなぎるのを感じた。離れてゆく岩城の腕を逆につかんで、思い切り引き寄せ引っ張った。目の前、はるかに、サーチライトのような明かりが交錯するのが見えた。(あの明かりを目指せばいいのか?・・・)香籐は、ぐったりとしている岩城の体を引き寄せると、自分の胸に掻き抱いた。(離さないよ・・・どんなことがあっても、一緒に死ねたら本望だけど・・けどそれはずっと先だ、今は違う・・こんなことであなただけ死なせはしない、俺達は生きるんだ・・生きてくれ岩城さん)香籐は息が苦しくなるのを覚えた、自分も、もう、あまり意識を長くは保てそうになかった。とにかく、必死に前に進んだ、足でもがいて車の外で出た、そしてひたすら足でこいで、水面とおぼしき方向を目指した。ついに顔が水面に出た。香籐は必死に岩城を引っ張り上げ、彼の顔も水面に出るようにと持ち上げた。二人は流された。川は前日の雷雨のために水量が増していた。川岸からサーチライトと人の声が途切れながらも聞こえてきた。『こっちにも、2名、流されてる』川の水は海に近いせでかなり塩辛い、流される二人は、どんどん海に近づいていた。『しっかり』流されていながらも、必死に岩城を支えていた香籐の腕を、力強く引く腕が現れた。『警察です、私につかまってください、その人は彼が運びます』必死に岩城を離すまいとしていた香籐は、最初とまどって岩城を誰にも渡すまいとして抵抗したが、すぐに助けと気がついて指示に従った。泳ぎに自信がある警官が、命の危険も顧みず助けに来てくれたのだった。力強い警官の腕に引っ張られながら、香籐は岩城を視界に入れていた。そして彼が先に岸にたどり着いた時に、心底ほっとした。やがて意識が朦朧とし、体に力が入らなかった。声も出せない状態だった。眼の焦点も良くあわない、誰が誰やら、どこがどうやらわからなかった。そして、意識がぷっつりと途切れた。ブラックアウト。(岩城さん・・・)岩城は、ぐったりしている香籐をぼんやりと眺めていた。救急隊員が自分の傷の様子を見ながら、消毒と止血の手当てをしてくれていた。意識がはっきりしているわけではなく、自分で体を動かせる状態でもなかった。ただ浮遊する意識が、自分の体をいとおしんで離れがたく漂っているようだった。周囲の様子がおぼろげに感じられた。眼を開けているのではなく、意識だけが浮遊し、それが周囲の様子を感じ取っていた。岩城の体は救急車の中だった。香籐は別の救急車に居た。今の岩城に、近くの別の救急車で手当てを受けている香籐が直接見えるはずはない。だか、岩城には、すぐ隣に横たわる香籐の存在が感じられた。(香籐はすぐそこに居る)手を伸ばせば届く距離に香籐の存在を感じるのだった。今は意識を失って眠っているが、その寝息は安らかだ。岩城の意識が、寝息をたてる香籐のすぐそばまでやってきていた。(香籐、俺を助けてくれたのか・・・ありがとう・・・無理させたな・・・香籐)岩城は、香籐の上に、ゆっくりと舞い降りた、そして静かに体を重ね、深いキスをした。香籐の上にかぶさるように横たわり、香籐の全身を岩城の意識が包み込んだ。(香籐・・・)やがて、岩城は自分の意識が遠ざかるのが判った。浮遊してる感覚が薄れ、香籐の存在感が急に薄れた。そして、冷えた体に意識の流れが戻ってくるのを感じた。戻った自分の体では、ひどい苦痛と寒気が襲っていた。(やれやれ・・・)そして、あふれ込んだ苦痛を回避するように、岩城の意識が完全に遠のいた。次に岩城は、自分の手を握る、とても懐かしい、よく馴染んだやさしい感触を感じた。遠くから、ずいぶん遠くから香籐の声が聞こえた。『岩城さん、岩城さん、起きてよ、岩城さん』そこは眩しかった、ずいぶんと眩しく感じた。岩城は目をすぐには開けられず、徐々に光に馴染ませるように薄く眼を開いた。『岩城さん!!』大きな香籐の弾む声が、すぐ耳元で響いた。『だめですよ、香籐さん、病室でそんな大声だしちゃ』津田さんの声も聞こえた。『おにいちゃん、ばかみたいに喚くから、岩城さんびっくりしてるじゃないの』どうしてそこに居るのかわからなかったが、香籐の妹の洋子さんの、かわいらしい笑顔が目の前に見えてきた。『洋子・・・さん?・・・』『なんだよぉ・・・最初に呼ぶのは俺の名前じゃなくって洋子のほうかよ、岩城さん、こんなに心配した俺をほっぽらかって、ひどいぜ』顔をむければ、枕もとに香籐が頬を膨らませて座っていた。岩城が、ふふっと微笑んだ。(香籐・・・)『さあ、しばらく二人にしてあげましょう、洋子さん』そう言ったのは、津田さんと香籐の後ろに立っていた、岩城のマネージャだった。なんだ、彼女も居たのか?他にも誰かいるようだったが、よくわからなかった。程なく、香籐を残して、全員が静かに病室を出ていったようだった。『香籐・・・』岩城は自分の発した声が予想に反して弱くかすれていることに気がついた。『岩城さん、危なかったんだよ実際、川で助けられて手当てを受けてたとき、俺も意識なくて知らなかったんだけど、岩城さん一回心臓止まったんだって、俺それ後で聞いてもうひきつけ起こしそうだったよ。だから、もう、すっごく心配したよ、だって・・・』香籐のハンサムな顔が見る間に崩れ、子供の泣き顔のようになった。眼に涙をためている。『香籐、頭・・・大丈夫か?』実際に香籐の頭には、ぐるぐると包帯を巻いてあった。岩城が、右腕を少し上げ、香籐の頭を触ろうと試みたが、腕は予想以上に重く、思うように持ち上がらなかった。香籐が涙声で鼻をすすりながらも、今度は満面に笑みを浮かべた。『ああ、これね、3針縫ったよ、あんにゃろう、おかげで撮影が2週間も延びちまった。この損害誰が見てくれるんだ、まぁったく』『そうか・・・延びたのか撮影・・・殴られたからな』『岩城さん』『ああ・・・香籐、俺もおまえが無事でよかった、それに、生きてもう一度おまえにこうして会えてよかったよ』『岩城さん、もう、絶対に俺を先に置いて行こうなんてしたら駄目だよ、絶対、絶対に許さないから、そん時は、地獄のそこまででも、絶対に追いかけて行くからね』香籐の顔は真剣だった。岩城は再び、ほほえんだ。『ああ・・・地獄の底まででも、俺を追ってつれもどしてくれ、あの時みたいに・・・な』『岩城さん』『洋二・・・愛してるよ』香籐がぽかんと口をあけた。『い・・・』あけた口がふさがらないまま、はあぁっと息を吸う音がして、香籐の顔が横たわる岩城の顔に覆い被さった。二人は、長い間、静かに静かに、唇を重ねあった。無音の部屋で、唇をむさぼる音だけが、かすかに二人の間から漏れた。岩城の右腕がゆっくりと上がり、香籐の頭を押さえた。香籐の両手が岩城の頭に周り込んだ。そのままの姿勢で二人は何度も、言葉を発せずに唇を重ねた。それは、二人にとって、永遠とも思われる長い時間だった。(愛している・・・)短編おしまい
2005.01.14
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走り出したバスは、コンビニ側の駐車場を抜け、狭い駅前通りを通って、駅と反対の方向へ走り始めた。駅前の交番から走って来た警察官が、駐車場出入り口近くで勢い良く発信して出て行く不審なバスと鉢合わせした。その、ただならぬ状況に気がつき、ナンバーを記憶して無線連絡をしたが、とっさの事で彼らには後を追う体勢も車両の準備も無かった。バスはどんどん遠ざかっていった。バスの居た後地では、取り残されたけが人と、数名の撮影スタッフが、口々に違うことを喚いていた。誰も正確な状況を把握しては居なかった。ケガ人に走り寄った巡査に、撮影スタッフの一人が声を掛けた。『ついさっき携帯で救急車呼びましたが』『ご苦労様です、あのバスには誰か?』『強盗だよ、そこのコンビニ襲ったんだ、その人店長さんだよ、もみ合って撃たれて・・・』 そこへ、撮影監督と名乗る男が数人を引き連れて走り込んできた。『うちのドラマの主演俳優の香籐洋二のバスだ、誘拐だ、あのバスは控え室で今の時間はあそこで休憩していたはずなんだ、マネージャも一緒だ』『じゃあ、バスにはその俳優さんとマネージャの2名ですね』そのとき、最初のスタッフが口を挟んだ『いや、助監督の小川さんが時間の打ち合わせで香籐さんのバスに行くって言ってて、居ないんですよ』『じゃあ、早苗ちゃんも一緒か?』『あと、岩城京介さんが、さっきランニングの格好で入って行きましたよ、私、バスをお教えしたんで。』証言する女性の声は震えていた。『銃声しましたよね、まさか・・・』『まさか誰か撃たれて・・そんな・・・』警官の顔も緊張した『すでに1名撃たれてますから、なんとも、今、緊急手配をかけております、状況が判ればお知らせします』そのとき、救急車が直前でサイレンを止め、人ごみを避けるように止まった。救急隊員が一人助手席から駆け下り、警官目指して人ごみを掻き分け入って来た。警官が救急隊員の通路を確保すべくその場の人間の整理を始めた。監督が、スタッフの男性に向かって大声を出した。『携帯だ、携帯で香籐さんかマネージャの津田さんに電話してみろ、無事なら出るかもしれない』スタッフとそばにいた別のスタッフがびっくりして監督を見た。『でも、そんなことして犯人怒らせたらどうします!!』『うーん、だが、犯人が一人なら、今は車を運転させるのに忙しいはずだ』『でも、どっちが運転しているのか?どちらに電話するんですか、だいたい勝手なことして、警察に怒られませんか?』全員が考えこんで黙ってしまった。そのとき、監督の携帯電話が鳴った。発信者を告げる液晶が香籐の名前を表示していた。『巡査、巡査ぁ、たぶん、バスから電話がかかって来ました。』深夜のため、道は空いていた。猛スピードで疾走するバスの行く手を遮る車は、ほとんど無かった。『まっすぐ、いけ』犯人が、拳銃を運転する津田に向け、頭の付近に銃口を押し付けていた。香籐は、助監督と岩城のそばに居た。外が暗いため、警察が追ってきているのかどうかもまったく様子がつかなかった。バス内部も、車両の発車とともに室内灯が消え、常備灯の明かりだけの薄暗がり状態になっていた。小型のバスのため、前後の距離は5メートルほどだった。運転席近くに陣取る男は、香籐の気配を気にしながら、何度も何度も振り返っていた。『まがれ、そこだ!よ~横浜方面、横浜だ、信号は無視しろ、とにかくアクセルを踏みつづけろ』交差点で犯人が行き先の指示を急に変えたため、バスはタイヤのスリップ音を立てながら急旋回した。バスが、カーブの外側へ向かって大きく振れた。急な横Gに体勢を崩した岩城が、痛みに低くうめいた。『岩城さん、大丈夫?』『か・・・香籐、その携帯・・・・』テーブルにおいてあった香籐の携帯電話が、バスの横揺れのために転がって岩城と香籐のそばまで来た。傍らにうずくまる助監督の女性も、顔を上げ腕を抑えてうめいたが、それ以上の声は出さなかった。岩城はさらに低い聞き取れないほどの声で囁いた『香籐、監督か誰かに電話』(そうか、逆探知か、確かこいつはGPSも搭載している最新機種だ。状況は伝えられないが、発信から場所を探知してもらえるかもしれない。)香籐は、岩城のとっさの判断に目が醒めた。香籐はうなずき、岩城に向かって目配せをした。(音でない設定に変えるから、ちょっとあいつの動きを見ててください、岩城さん)香籐は心の中で囁いた。岩城は、香籐の表情と目線から頼みごとを理解した。しかし、すでにその視界はぼやけ、痛みに目がかすんでいた。(香籐急いでくれ)香籐は、体の前で電話を隠しながら操作し、発信音も先方の通話音も出ない設定に切換えてから、すぐさま監督の番号へ発信した。何回か呼び出しコールをしていた、それは香籐には恐ろしく長い時間のように感じた、そしてついに、先方が出たのを確認して、携帯を開いたままズボンの後ろポケットに押し込み、男に向いた。『おい、俺達をどこへ連れてゆくつもりだ、岩城さんも助監督さんも、おまえの撃った弾で怪我をしているんだ、一刻も速く手当てをしないと死んでしまうぞ、どうしてくれるんだ、おまえは人殺しになるんだぞ。』急に勢い良く香籐が話し掛けて来たのに驚き、男は、銃口をかざした手を動かさないように固定しながら、体半分だけ振り向いた。『なんだとぉ~いまさら、俺はコンビニの店長もぶっ殺してきた、いまさら一人だろうが二人だろうが、殺した事にはかわりない、一緒だ』男も居直ったように喚いた。体格は良かったが、まだ本当に子供の雰囲気が残る青年、その顔は土気色で、痩せていた。まるで今度のドラマで自分が演じている役から抜け出てきたような青年だった。香籐は立ち上がり、すこし前に出て、バスの揺れでも転倒しないように天井の手すりをつかみ、足を仁王立ちにした。『一人つったって、おまえ、その人が死んだかどうかなんて、見ちゃ居ないだろ、もしかしたら死んでないかもしれないじゃないか、例えその人が死んだとしても、とっさの事故だって言い張ればいいんだ、殺す気がなかったって言えば刑はものすごく軽くなるんだ』香籐は、自分がドラマの後半、裁判になるシーンでの弁護士に言われるセリフを思い出し、男に向かってしゃべった。不思議な気分だった。『・・・あんた、なんなんだよ、刑事か?』『お、俺は・・・俺は銀行を襲ったんだ、それで、え・・・と、警察に囲まれて、とっつかまって、裁判になるんだよ、俺は警官を2人撃ち殺したんだけど、本来なら死刑になるところ、弁護士さんの力で無期懲役にしてもらうんだ』『なんだよ、なんでそんな奴がこのバスに乗ってんだよ』男はまじまじと香籐を見た。『ありえねぇ・・・あんた・・・香籐洋二じゃねぇか・・うーそーだろう・・・本物の香籐洋二なのか?』香籐はどきりとした、こういうとき、有名なのも考え物だった。『そうだ、今話したのは、俺の役だ、そういう役のドラマを今撮影してんだ、あんたの状況があんまり似てたから・・・』男が、急に津田に向いた。『おい、おまえは何だ。言え、何だ。で、俺の撃ったあいつは何者だ、あいつもしかして岩城京介か?まさかそうじゃないだろうな、あの女は何者だ。おまえらいったい何者なんだぁ?』返事をする津田の声は恐怖でかすれていた。『あの、その、岩城さんです、だから早く車を止めて、救急車を、呼びましょう。女の方は助監督の小川さんです、私はただのマネージャです。』男がかんしゃくを起こすように、体をのけぞらせた。『畜生、なんだってんだ、畜生、畜生・・・・・あううう、運転してろよ、そのまま、いいな、さもないとおまえの大事な香籐洋二もぶっ殺すぞ、いいな、そのまま横浜へ向かってぶっ走れよ、妙な気起こすなよ。いいな』そして、男は香籐の方へ向いた、銃口を香籐に向けながら、岩城の様子を見に歩み寄って来た。『こいつ、本当に岩城京介なのか?』男の声はこころなしか震えていた。『そうだよ、良く見ろよ』男は、岩城を覗き込み、大きく息を吸った。そして1歩2歩とあとずさった。岩城は目を閉じていた、浅い息をしている、一緒に岩城の様子を見た香籐は不安のどん底の気分になった。(岩城さん・・・・がんばってくれ、ああ、岩城さん・・・)『ふ、ファンだよ・・・・・・い、岩城京介、香籐洋二、おれはあんたらのファンだよ、俺も役者やりたかった、暴力団の親父に無理やりシャブ撃たれてやくざにされてなきゃ、役者やってみたかったんだよぉ・・・・・』『おまえ・・』そのときだった、遠くでパトカーのサイレンの音がした。そして、バスが体勢を激しく揺らしながら交差点を強引に曲がった。香籐は体勢を崩しかけ、踏ん張った、しかし、尻ポケットに挿していた携帯電話が勢いで床に落ちた。携帯が転がるのが、男の視界に入った。『畜生、てめぇ~らぁ~みんな死んじまえぇぇ!!』男は半分やけくそのように、いきり立って、香籐に向かって勢い良く迫ってきた。香籐は、とっさには男の意図が読めなかった、とびかかってくるのか、それとも銃を撃とうとしているのか?身構えるのが精一杯だった。ところが、男は香籐を銃の尻で思い切り殴った。香籐は側頭部を殴打され、のけぞり倒れた。『きゃーぁあああ』助監督の女性が、昏倒する香籐を見て悲鳴をあげた。香籐は、頭の中で割れ鐘が鳴っているようだった。頭を抑えて床を転がり、岩城のすぐそばでうずくまってうめいた。意識が朦朧とし、視界がぼやけた。『香籐、しっかりしろ、香籐』はるか遠く、川の向こうから岩城が呼んでいるようだった。何が起きてたかもすっかりわからなくなり、ただ除夜の鐘のような残響が頭のなかで共鳴しつづけるのを聞いていた、耳鳴りと頭痛が一度に襲ってきた、左の側頭が猛烈に痛んだ。『マネージャ、車止めんなって言ってんだよ、走らせろ、みんなぶっ殺すぞ』香籐を殴り倒したあと、男は運転席に走り寄った。途中、香籐が落とした携帯を足で踏みつけ、ついには銃の尻で叩き潰した。『ざまぁみやがれ』あとすこしつづく~~
2005.01.13
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『い・・いや~~助けて~~~っ!』撮影助監督の女性は、銃口を押し付けられて、息を喘息のようにあえがせていた。次に起こった出来事は、後のマネージャ津田の証言によれば、まるですべてがスローモーションの様だった。男が、銃口を押し付けながらバス内部に踏み込もうとしたとき、バスの狭い入り口で抵抗する女性と押し合いになった、そして、入り口の最後のステップに足を取られた。その拍子に、男が僅かに体を泳がせた。押し付けていた銃口がずれ、女性の喉を外れた。同時に、女性を押さえ込む男の腕の力も一瞬緩まった。次の瞬間だった。女性が男を突き飛ばした。体をはじき出すように投げ出し、バス後部側の香籐と岩城の居るそばへと走りこんだ。『あああっ、う、動くなっていってんだろうぉうがぁちくしょおぉおお!』切れた男の怒声と同時、1発の銃声がバスの中にけたたましく響いた。耳をつんざく大音響に、その場の全員が身を竦ませた。男の手から逃れるようにして身を投げ出していた助監督の女性が、岩城の前でつんのめった。香籐は、飛び込んで来る女性を受け止めようと、とっさに立ち上がっていた。『ぎやぁあ・・・ひぃいいいいっ』銃声とほぼ同時に、女性が絶叫した。女性の上腕部から鮮血が飛んだ。弾が当ったか掠めたようだった。岩城が、香籐よりも入り口近くの位置に居たため、先にすでに女性をかばう姿勢で立ち上がっていた。女性が、鮮血飛び散る腕を抑えながら、岩城の側へのめりこんだ。『うぅ・・・』女性を受け止めた岩城の口から、うめきのような声が漏れた。それを聴いた香籐は悪寒とともに、ぞくりと全身に鳥肌が立った。香籐の目の前、右腕を血に染めた半狂乱の女性が岩城にしがみつくように覆い被さった。スローモーションの様に、岩城がよろけ、女性を抱きかかえる姿勢でその場にくず折れた。『だ、大丈夫か?あ、い、岩城、さ・・・』香籐は、目の前で起こっていることが理解できなかった。『だから動くんじゃねぇって、言ってんだよぉ~』銃を持つ男が、震えながらわめいていた。バスの内部は硝煙の匂いが立ち込めている。狭い内部に反響したすさまじい発射音が残響となって、そこに居るもの全員の体を竦ませたままでいた。助監督の女性は泣きじゃくりながらも、自分に体重を預けて倒れこもうとする岩城の体を抱きかかえ、二人はゆっくりバスの床に座り込んだ。岩城はずるずると床に座り込む形で、ソファーベッドの端に上体をもたれ掛けさせた。『い・・・・岩城さん?』香籐は、恐る恐る声をかけた。その白いランニングシャツに、見る見ると赤いシミが広がるのが見えた。最初それは助監督の女性の腕の血が飛んだだけなのかと思った。だがしかし、そのシミは見る間に岩城の左半身に広がり、左腕を伝って床に滴りはじめた。『岩城さん、う、撃たれたのかぁ!!!』香籐が絶叫し、岩城の元に飛びついた。女性の腕を貫通した弾丸が、至近距離に居た岩城の左肩に当って止まった様だった。『岩城さん、しっかり、しっかりしろよ、今、すぐに救急車呼ぶから、あああっこの・・・・・こ~の~や~ろ~ぅお~~てめぇ~~~岩城さんになんてことしやがる~~~!!!』香籐が怒りに我を忘れた形相で、銃口を向けたままの姿勢でこわばっている男に向いた。男は、銃口を向けたまま、眼を見開き、足を震わせている。『く、来るな、来たらおまえも、そいつも、み、みんな、う~撃ち殺してやる、俺に近寄るなぁ~~』『てやんでぇ~~』香籐が飛び掛らんばかりの勢いになっていきり立ったとき、その腕を引っ張る者があった。『岩城さん!?』『か、香籐、馬鹿なまねするな、おまえ、冷静にな、れ、おまえまで・・・何になる・・・・』香籐の腕をつかむ岩城の腕の力は最初は思いのほか強かったが、すぐにがっくりと抜けた。『れ・・・冷静になって状況に対応してくれ、俺は・・・う・・・』岩城は、苦痛に顔ゆがめ、言葉をとぎらした。左胸から溢れる血で、下半身も座っている床も赤く染まりつつあった。『ああっ、ど、どうしよう、血が、血が』泣きじゃくっていた女性が、自分の右腕を抑えながらも、岩城の状態に気がつき、声を振るわせた。『くっっそぉ、おい、おまえ、そこの拳銃やろう、すぐ今、医者を呼べ、救急車を呼ぶんだ、ばかやろう、判るだろう、二人もけが人が出てんだ!死人を出す気か?』香籐は、自分の言葉に戦慄した、死人、岩城さんが死ぬ、そんなこと、あってはならない、ありえない、起こっちゃいけないんだ。香籐が岩城に向かってかがみこみながら、男に向かって叫んだ。『手当てを急がないと、こんなに出血してる』香籐は、とっさに自分のシャツを脱ぎ、岩城の左肩に押し当てた。その手を押し戻し,岩城が眼を香籐に合わせた。『彼女の腕を、それで縛れ、おれの・は・どうにもならん』香籐は、とっさに岩城の指示に従った。泣くじゃくる女性は、そのままの姿勢で腕を抑え、岩城のそばに居て体を震わせて居る。岩城さんの傷もなんとか止血しないと、あ、そうだ、このテーブルクロスで体を縛ろう・・・香籐がテーブルクロスを剥ぎ取り、岩城の上半身に巻きつけ始めた。『岩城さん、怪我、されたんですか?』細い声で、マネージャの津田が前方から、おずおずと呼びかけた。男が、マネージャの存在を思い出したように気がついた。『おまえ、とにかくバスを出せ、バスを出して、ここからおれを逃がすんだ』そのとき、バスのドアの外で、声がした。『大丈夫ですか?何かありましたか?どうかしましたか?』駐車場側に隣接するコンビニエンスストアでは強盗があった。レジの金を奪って駐車場に逃げ込んだことを警察に通報し、店長が後を追っていた。駅前の駐在所から警官が走ってきていた。近隣のパトカーの数台集まりつつあった。駐車場はこの夜は特別で、TVドラマ撮影のスタッフや関係者車両が沢山駐車してあったし、このコンビニエンスストアにも多くの関係スタッフが食料などの調達に四六時中出入りしていた。駐車場の端、コンビニエンスストアから見える位置に、小型のバスが止まっていた。そのバスの外が今騒然となっていた、バスの外には、1発目の犯人の発射した弾で怪我をしたコンビニの店長が、鮮血に染まる足を抑えてうずくまっていた。撮影スタッフのうちの一人、助監督の女性が撮影再開時刻を知らせようと、香籐のドレッシングルームになっているバスのそばに居た、そしてコンビニの店長ともみ合う犯人と鉢合わせした。暗がりだったので、それ以外の関係者は、音が聞こえただけで、何が起きているのか知らなかった。そして程なく、バスからは再び銃声が響いた。そして、急にバスが走り出したため、関係者が何が起こったかわからず、呆然とバスを見ていた。またまたつづく~
2005.01.12
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香籐の役は、生活に疲れた男が駅前銀行に押し入る話だった。10代での早すぎた結婚、幼子が居ながらも男を作って家を出た妻、病弱の娘の面倒を看るために会社を欠勤し失業。重なるサラ金からの借金の返済を迫られ、あげくに借金の形にと娘がやくざの人質となってしまう。そして強要されたのが手っ取り早く大金を手に入れることができる銀行強盗。押し入った先の銀行で偶然にも出会ってしまった、幼なじみの女性行員。最後には、この女性行員含め3人を人質に取り、警官隊に包囲され、銀行に立てこもってしまう男。追いつめられ、絶望しながら、娘の安否を思い、必死に金を要求する。もはやどこにも逃げ場などなく、射殺されるか、人質を解放して逮捕される以外に道がない事を自覚する犯人。それが香籐の役であった。『や、山根組だ、そこの組長が、娘を、お、俺の娘を拉致してる、娘を解放させろ、俺の娘を保護しろ、そ、それが、この3人の人質を解放する条件だぁ』絞り出す声は、すでに枯れ果てていた。繰り返される警察との駆け引きシーン、昼過ぎから始まった立てこもりシーンの本番撮影、すでに連続して丸々10時間以上にわたって延々と、クライマックスへと繋がる緊迫シーンの撮影が続いていた。『はい、カット、OKです、1時間休憩して、シーン157、今日はそれでラストとします。』『あ、香籐さん?お疲れでしょうが、今日、どうしてももうひとシーン、157まで録ってしまいたいとの監督のご意向ですので、もうひとがんばり、宜しくお願いしまっす』カットの声とともに咳き込んだ香籐の元へ、助監督が走り寄ってのぞき込んだ。香籐は、もたれかかっていた壁から身を起こすと、何でもないですよといった顔をして助監督にうなずいた。小さな声で、『すみません、叫びが多かったみたいで、声かすれちゃって、バスで吸入してきます』香籐は、ドレッシングルーム代わりにあてがわれたミニバスに戻った。マネージャの津田が後を追うように後から入って来て、携帯電話を香籐に手渡した。『岩城さんに電話してください、留守電入ってました』『えっ、岩城さん?なんだろう・・・この時間、起きてるかな?』時計は夜の10時を廻っていた。香籐はマネージャの津田が、借りてきた吸入の準備をしている間に、岩城へコールバックした。『・・・あ、岩城さん、電話くれたって聴いて、もう寝てるかとか思ったんだけど、大丈夫だったかな?』『よっ、撮影順調か?休憩時間か?今、話して大丈夫なのか?』岩城の声は、すこし息が上がっているようだった。『岩城さん、どうしたの、また夜にエクササイズしてるの?長い撮影ロケから帰ったばっかりなんだから、すこしは体を休めてゆっくりすればいいじゃん、せっかくのお休みなのに』『おまえこそ、声、嗄れてるじゃないか、大丈夫か?』『うん、今日ずっと叫びっぱなしでさ・・・でもあと1シーンとったら予定終わりだし、あと明日はもうはあんまり叫ぶシーンないはずだから』『そうか、で、おまえさん、その明日の撮影だけど、台本どうする気なんだ?』『・・・えっ?・・・』とたんに、リビングのソファーに置いた台本の所在を失念している事に香籐は気がついた。『リビングのソファーに置いてあったのは、明日の台本じゃないのか?香籐』『うぉああああっ、い、岩城さん、俺、プロにあるまじき行為、台本忘れっちまったよぉ!』『ははぁ俺が帰ったのがそんなに嬉しかったのか、命の次に大事なはずの、仕事道具の台本を忘れて家をでるなんてな、そうだろう?こいつは、ずいぶんと書き込みがしてあるしなぁ・・・こんな風に演技プランを台本に書き込んでるとは、長いこと一緒に暮らしてきたけど知らなかったな。よほど凄い作品なんだな』『あ、そ、そうなんだけど、い、いま津田さんにお願いして、い、今から取りに行ってもらってもいいかな?はははっ・・・』『いや、その必要はないよ』『えっ?』『もう其処まで来てるんだ、今日は一日ごろごろして眠れそうにないから、運動がてら走ってきた、なんだぁ~随分近いところでロケやってるんだな、あ、ついたついた、このバスだな』最後の岩城のセリフは電話の声と生の声がオーバーラップしていた。『走ってきたっていったって岩城さん~?』香籐の声が裏返った。『それでも15キロぐらいはあったでしょう??』香籐がびっくりして、身を投げ出していた簡易ソファーベッドから立ち上がった。バスの蛇腹開きのドアが押し開けられ入ってきた人影は、まさに岩城その人だった。その出でたちは、TVでは決して見せない平日のトレーニング姿。薄手で吸湿性の高いランニングシャツに短パン、ソックスにマラソンシューズ、スポーツキャップ、半透明の夜間ランニング用の黄色いサングラス。ちょっと見には、俳優岩城京介とは気がつかれないラフな出で立ちだ。腰にはドリンクボトルホルダーがついた大きめのヒップバック。岩城は、首から垂らしたタオルで額の汗をぬぐうと、ヒップバックを前に回してファスナーを開き、ころんと丸めてゴムで止めた形でビニール袋に包まれた台本を、無造作に取り出した。『すまない、丸めないとバックに入らなくて、ま、一応汗でぬれたらまずいかなと思ってビニール袋に入れてきたんだ。丸めたのは悪かったかな?そんなに長時間じゃないから、広げればすぐ元に戻ると思うけど』『い、いや、もともと丸まったような形がついてたでしょ、俺、考え事しながら持ち歩くときに無意識に丸めちゃう癖あるからさ、その、えっと、あの、ぜんぜん問題ないよ。』香籐は呆然と岩城に観とれていた。15キロ走ってきたとさらりと言ってのけた岩城は、さほど息も荒れていないし、そんなに大汗をかいている風でもない、外は初秋とはいえ、まだ蒸し暑さが残るというのに。そんな岩城が、サングラスをはずして胸元に刺す。薄手のランニングシャツの丸い襟ぐりがサングラスの重みでV字になって下がり、締まった胸板がすこし垣間見えた。『岩城さんもあっちで走り込んでたんだ、だから痩せて見えたんだ、夕べ』岩城がボトルの水を口に運びながら、にっこりとした。『おいおい、とっとと気がついてくれよな、俺だって、鍛えてるって電話で何度も連呼するお前さんにあてられて、それじゃ少しは相応しい体にしておかなくては、並んだ時に恥ずかしいかなって思ってさ、ただでさえ最近世間じゃ、この年はおじさんなんだって言われる事が多くて、けっこうショックだからな』岩城が涼しく笑う。香籐はその綺麗な笑顔に、撮影の疲れがいっぺんに吹っ飛んだ気がした。(そうか・・・夕べは疲れた顔していたのと、すぐにベットに二人でもつれ込んじゃったから、岩城さん変わったのって、よく観察してなかった。そう言われれば、結構綺麗な小麦色に日焼けしてるし、上半身が締まってるよ・・・)薄手のランニングシャツを通しても、岩城の健康そうな胸板のラインがちらちらと見え隠れした。すかさず、昨夜の激しく求める感情がよみがえって来るのを、香籐は必死で理性で押さえた。まだ、仕事が残っている。『ありがとう岩城さん、助かったよ、ずっと現場に缶詰だったんで、ぜんぜん気がつかなかった、なにしろ持ってきたお泊まりバック、まだぜんぜん開けてる暇も無くってさ』『その声、かすれ気味だな、ほら吸入しろよ、津田さんが準備できたって顔してるよ』振り返れば、二人のじゃまをしないようにとマネージャの津田がバスの前半分のスペースで待機していたが、そこに簡易に設置されたテーブルには吸入器がもくもくと蒸気を上げていた。『香籐さん、準備できてます、吸入しちゃってから、お話のつづき、してくださいな』『あ、はい、ごめんなさい』『俺、すこし休んだら帰るよ、もう用はないし、香籐は今夜はここに泊まるんだろう、それに撮影もまだ残ってるみたいだし、じゃまになっちゃまずいからな。しかし良くこんな都心に近い駅前の銀行をロケに使えたもんだな・・・』駐車場の片隅に止められた香籐の楽屋兼宿泊用のバスからは、かすかに駅前の喧噪と電車の音が聞こえる。ここは紛れもない大都会のまっただ中、撮影機材やらなにやらで、やや広めの駐車場には様々な車が止めてあり、多くの人間が出入りしていた。さらに近隣の有料駐車場も何カ所か借り切って、短期決戦でのロケが敢行されていた。そして今回ロケに使われているのは、ほんの数日前まで本当に銀行として使われていた某信用金庫の駅前支店、最近はやりの統合の波に逆らえなかった銀行が閉じた直後の支店を、香籐演じる三村が襲撃して人質を楯に警官とやりとりするシーンの撮影の為に使っている。もともとの設備をまるまま借り切りで全面的に使用する契約だ。そうすることで、通常のスタジオセットでは出せないリアルな演出が可能になった。一種ドキュメンタリー風のカメラワークを狙い、撮影中はメインのカメラと平行してハンディカメラが何台も同時に役者を追っていた。また演じる役者も、一部にアドリブを交え、その場のレスポンスを重視したリアルな演技で監督の要求に応えていた。そんなわけで、犯人が要求を繰り返し、人質を脅し、取り囲む警察が投降を連呼する緊迫のシーンが数時間続いていた。主役の三村を演じる香籐は、長丁場での叫びのシーンの連続に、ついにのどが荒れてきていた。しかし監督はそれも犯人が声を嗄らして叫ぶ姿にリアリズムがあると、むしろ喜んでいる風だった。とはいえ、完全に声がでなくなってしまっては役者として演技ができない、翌日には別のシーンの撮影もある。沢山の撮影スタッフや裏方が制作を支えている。そして何よりも、エキストラや出演俳優など、多くの人間が、今回の社会派ドラマの主役に抜擢された香籐の演技に注目している、所詮アイドルに毛が生えた程度のゲイの元AV男優だとは絶対に思われたくない、だからこそ、役者として踏ん張りどころであった。香籐は、目の前でドリンクを飲みながらリラックスする岩城を見るうち、張りつめていた緊張の糸がぷっつりと音を立てて切れる思いがした。ほっとする自分を意識した。『岩城さん、ごめん、おれ、こんなところに、わざわざ来てくれなくっても・・・』『馬鹿だな、気にするな、こんな近所で撮影しているってのに、終わるまでは家に帰って来ないって自分から決意したぐらいなんだから、おまえは演技に集中しろ』『・う・ん・』岩城がうなだれた香籐の顔に被さってきた髪を、無造作に手でかきあげた。『がんばれ』『ありがとう、岩城さ、』香籐がそういいかけた時だった、バスの外が急に騒々しくなり、人の怒声がとびかった。何かがドスンとバスに当たり、続いて女性の悲鳴、そして銃声がした。『え、な、何』と香籐『銃声?、まさか、撮影用は音でないですよね』マネージャの津田がそう言いながら、半開きのドアまで歩み寄った。外の様子を窺おうとして身を乗りだそうとしたまさにそのとき、折り畳み式のドアをこじ開けるようにして、津田を押し戻す手と銃口が見えた。『な、何を?』津田が後ずさりをすると、ドアから若い男が女性を伴って押入って来た。それは、顔面を蒼白にした撮影助手の女性だった、名前・・・香籐はとっさに思い出せなかった。彼女は恐怖に顔をこわばらせながら、男に促されてバスに入って来た。男が、バスに踏み込むなり、大きな声でわめいた。『おい、そいつ、このバスを今すぐ出せ、出すんだ、さもないとこの女を殺すぞ。この銃は本物だ、今の銃声をおまえらも聞いただろう』まだ、20才にもなっていなそうな、あどけなさの残る顔立ちの若者だった。必死の形相と剣幕で、女性ののど元に銃をぐりぐりと押しつけ、すぐそばの津田にバスの運転を命じた。女性は喘息のように息をひきつらせ、全身をこわばらせた。バスの奥手のソファーベッドに向かい合って腰掛をかけていた香籐と岩城は、とっさに中腰になって立ち上がろうとしたが、すぐに押しとどまった。下手に相手を刺激するのは得策でないことの判断はすぐについた。何か、異常事態が起きていた。『バスを出せ、今すぐだぁ!』つづく
2005.01.09
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ちょっと、短編小説。でも激しい描写はなしね(笑)岩城が帰宅したのは深夜だった。こっそり入ったつもりだったので、音を気にしながらドアのカギを閉め、そっとチェーンを引っ掛けた。そのとき、後ろから声がした。『おかえりなさい、岩城さん!』『あぁっ、まだ・・・起きてたのか?』香籐はいたずらっ子のように微笑んでいた。『うん、電話ではあしたの午前中かもって言ってたけどさぁ、岩城さんのことだから、きっと無理してでも、今日帰ってくんじゃないかなって思って、台本読みながら待ってた』ランニング姿の香籐は、かなり延びた髪を無造作に掻き上げた。役のためだろう、無精ひげもすこし伸びている、やさぐれた青年の役なのかも知れない・・・岩城は香籐の全身を見回し、まぶしそうに目を細めた。(1月ぶりか?なんだかんだでそんなになるのか?)久方ぶりに見る香籐は、本人が電話で言っていたとおり、役のためにここ数ヵ月取り組んだトレーニングの成果が出ているのか、全身がかなり引き締まって見えた。うっすらと汗ばんだ上半身が、京介の心の芯に淫靡な疼きを覚えさせた。『香籐、いい体つきになったな・・・』『あっ、そう、これ、岩城さんに会えなくて、やけっぱちで、ずっとトレーニングしかやってなかったから、それより、まだ、洋二って呼んでくれないんだね・・・ま、でも、いいや俺も岩城さんのこと、京介って呼べないも・・ん?』狭い玄関で、壁によりかかりながら香籐がそこまで言ったとき、唐突に、岩城が香籐に体をかぶせ、自らの口で彼の口を塞いだ。静かな長いキスが、二人の会話をとぎらせる。唇をあわせる卑猥な音が、遠くでかすかに聞こえる車の音と対比して、熱く溶け合う吐息となって二人の耳元でこだました。二人はしばらく、そのままの姿勢で重なっていた。『岩城さ・・ん』『ああっ・・・』無造作に、靴が脱ぎ捨てられた。閉まる寝室のドアの後ろで、放置されたカバンがパタンと音を立てて倒れた。主を失った居間の、開け放たれたベランダの窓を通して、遠くかすかにどこかの部屋から漏れる、おどけた調子の深夜番組の声が、意味のないギャグを連呼していた。初秋に向かう、涼しい一陣の風が通り抜け、居間のレースのカーテンを大きく揺らした。久しぶりの激しい情事の後、二人はいつしか、死んだように眠っていた。午前4時の起床の目覚ましが鳴ったとき、否応なしに現実の世界へと先に引き戻されたのは香籐だった。(あっぶねぇ~先に目覚まし仕掛けといて正解だったよ・・・俺、準備いいよな・・・へっへっ)『何時に津田さん来るの?』岩城の声は、まだ半分眠っているのか、かすれていた『うん、6時なんだけどさ・・・電話で話したよね、ロケ、今日から現地で泊り込みなんだ、近所なんだけどさ。俺、お泊りの準備しなくっちゃ、岩城さんは疲れてるんだから、寝ててよね』『・・ぁ・・・う・・ん・・・』岩城の返事はすでに夢の世界のつづきのようだった。昨晩、といっても、つい数時間前か、香籐の激しい求愛行為に対して、長期ロケでの疲労を訴えながらも最後まで付き合った岩城。香籐はその美しい寝顔に再び欲情しそうになる自分を抑え、かすかに寝息をたてる岩城を起こさないようにと、気遣いながら、そっとベッドを出ると、バスルームへ駆け込んだ。(っちくしょう、今日は大勝負な仕事なんだ、でも、岩城さん・・・・くぅ~)熱いシャワーが眠気もだるさも吹き飛ばしてくれるようだった。(もしも最初に、岩城さんがロケで1ヶ月も帰らないなんて判ってたら、俺、絶対スケジュール調整して、途中で合いに行ったのになぁ・・・だまされたよまったく。まあ、半分は天気せいだから仕方ないんだけど、監督さんもこだわり性見たいだし、これだら夏場の南の島のロケは大変なんだよな・・・さすがに疲れてるみたいだったなぁ・・・ちょっと痩せたみたいだし・・・)香籐は、数日分の着替えを準備すると、マネージャが迎えに来るまでの時間を岩城の帰宅で中断していた台本チェックにあてた。今日の台本ではなかったが、話の先を少しでも多く把握しておくことは、その日の演技プランにも影響を与える。寝室では岩城がぐっすり寝入っているので、香籐は声に出して台本を読むことが出来ないため、パントマイムのように声を出さないで口をパクパクさせてセリフを読むという、得意技を使うことにした。程なくして時間に正確なマネージャが、約束の時間きっかりにインターホンを鳴らそうと手を伸ばしていた。寸前で、香籐は、そっとドアを開けてマネージャを押しとどめた。声を潜めて、『津田さん、ごめん、岩城さん寝てんだ、起こしたくないから』『あ、そうですか、ご準備は?』『出来てます、行きましょうか』香籐はスポーツバックを肩にかけ、そっと居間の窓を閉めて電気を消した。(岩城さん、じゃあ行ってきます、3日で帰ってくっから、それまでのんびりゆっくり休んで、待っててよね)香籐は音を立てないようにドアを閉め、静かにカギを回すと、足をしのばせながら離れた。程なくして車が発進した『へぇ、岩城さん昨晩お帰りに?間に合ったんですね』『そう、そうなの、入れ違いにならなくてホント良かったよ』『それはそれは・・・ようございました』『よけいな詮索はすんなよ!!』『はい、はい』二人は笑った、早朝の道は日中の混雑が嘘のように、スムーズな車の流れだった。つづく・・・
2005.01.06
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1)おまえら24森川さんを具体的に調べ初めた時、一般の申し込みのまさにそのときだったのがこのイベント。そんなわけで、間に合ったという理由だけで、ぜんぜんどんなイベントかも判らずに申し込んだ。その後でDVDを探して観た。あんまり面白くて、もう家で椅子からひっくり返りそうだった。そんなわけで、観に行くのがめちゃくちゃ楽しみだった。もちろん、見に行ってどれだけ楽しかったかは、文章で表現するのが難しいぐらい。これはファンだからなのか、そうじゃなくても楽しめるのか?もう今となっては判らない、だか、とにかくこのプロがやる上手下手の学芸会乗りの世界は、そのギャグのセンスと出演者のパーソナリティとその信頼関係にすべてがかかっている、そしてその関係が素晴らしいからこそ、もう、これだけの面白さなのだと思う。採算度外視に近い良心的なチケット代や、ファンクラブのイベントの拡大版のような乗りも含めて、これほどアットホームで素敵なイベントが有るとは、本当に驚きだ。森川さんの世界が充満していて最高である。2)ネオロマ系イベント(アンジェ10周年と冬のフェスタ)沢山の有名で実力のある声優さんが出てきて、愛のメッセージや寸劇コントやテーマトークや生で歌うというバライエティーショーステージ。とにかく出演者が半端じゃない、良くこれだけ集められるなと思える凄いメンツ。このメンツで生吹き替えとかやってもらえたら、洋画フアンとしては卒倒してしまいそう。まあ、少女アニメゲームの夢の世界なので、ロマンスとサービス精神にあふれ、男なら嫌みだと思えてしまうぐらいのキザな世界だが。このとてつもなくキザな世界にいったん身を置けば、女としては実に耽美で心地よいのかもしれない。これ、一人10万円ぐらいにして、100人ぐらいのイベントだったらもっと最高なのだが、沢山の夢見る少女たちに会場でもみくちゃになると、おばちゃんはめいっぱい疲れちゃうので、なんだか気後れしてしまう。あの乗りについてゆくのも難しい。でも出演声優さん達には、あのもの凄い人数の夢見る少女たちをしばらくの間ステージで独り占めできる快感が他のイベントでは得難いものであると思うので出演依頼は断り憎いだろう。しばらくはこの系統、商売もからんで繁栄しそうだ。次はライブに是非参加してみたいが、チケットの入手がね・・・かなりむずかしいらしい。3)セイントビーストこれはネオロマ系よりも切れがあるというか男っぽさがあって、観やすい。出演声優さん、森川さんが一番上(年長)になってしまうというとんでもない若手てんこ盛り。会場の乗りはアイドル系コンサートなのかもしれないが、20~30%を占める森川ファン(他の出演声優さんファンよりすこし年齢層上)が会場の暴走を踏みとどまらせている感じかもしれない。それにしても森川ファンには結構おいしいイベント。なにしろメインの主人公なので出ずっぱり。特に今年のライブは演出も楽曲もパフォーマンスもすばらしかった、DVDが待ち遠しい。次回もライブであれば是非参加したい。4)SSDSJoy三郎記念 聖ラフォーレ病院 北42エリア13号医局の特別診察(らしい)。(笑)これ速水奨さんの創作の世界。森川さんのおまえらの速水さん版の発展系とでもいうものなのかもしれないが、企画構成に専門スタッフを入れていることなどビジネスな部分もあるが、ベースになるストーリィがCDで出ていること、今後ゲームにもなるとか、アニメっぽい部分と声優さんをフィーチャする部分があって、これまた不思議な雰囲気が味わえるプロイベント。出演のレギュラーの声優さんは速水さんのお気に入りか?今回はじめて参加したが、乗りが面白い。速水さんのすこし耽美で品があってしかもどこかとぼけていて、お金持ちのお坊ちゃんの道楽風のイベント。参加するファンも他のイベントに比べると圧倒的におとなしい感じ。(とはいえ、どのイベントでもお見かけする熱血森川さんファンの存在はここでも確認できました、笑)のんびりとマイペースで進むこのイベント、とても居心地がいい。おまえらの次に楽しめた。何度でも戻ってきたい気がする。今回メールアドレスを書いて出したら、次回の申し込みで、速水さんファンクラブメンバーの次の優先販売案内がメールで来た。律儀な事務局だ。大人も楽しめる構成に速水さんファンへの手厚い配慮を感じた。素晴らしい。5)けんじゅうトークライブ大阪堀内賢雄さんと小杉十郎太さんのお二人が開催するトークライブ。ベテラン声優おじさんチームの素晴らしい芸達者でエンターエティメントな世界は大人の女性ファンが思いきり楽しめる。歌もトークも朗読も心地よい。ファンクラブのイベントではないかと勘違いするほどのアットホームぶり。チケットの入手がバトルになるのも理解できる。吹き替え声優ファンであればとてつもなく楽しい。やっぱりイベントは主催者がお金を目当てにしているのかどうかが随分大きいなと思う。基本的に、声優さんご自身が主催して開催されるイベントは総じて居心地がいい。お仕事として、いろいろなイベントに参加されている声優さんにはなかなか本音を聞くのはむずかしいだろうが、きっと商業主義のイベントでは満足できない部分のフラストレーションやファンへの思いが、こうした独自の主催ファンサービスイベントへと繋がって居るのだと思う。今年、森川ファンになって、好奇心からいろいろなイベントに一通り参加して思った事は、絞るなら主催イベントに、それ以外はDVDでも満足できるレベルではないかと思う。本人に会いたい気持ちが抑えきれないときは、当日券ででも突撃すればいいさ。そんなわけで、2005年はまずSSDSの申し込みからだ。
2005.01.04
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