県立公文書館の「古文書講座入門編」に参加してきました。
A日程、B日程とあり、B日程は9月からで、現在、受付中。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f1040/p1009147.html
私が参加したのはA日程で内容は同じなので、B日程参加予定の人は、ネタバレあり(?)ご注意ください。
神奈川県立公文書館の最寄りの駅は二俣川です。
二俣川といったら、県内の人なら「運転試験場」でおなじみですよね。最寄りのバス停は「運転試験場」。
駅からは徒歩17分。何度も迷って(GPS使ったのに)3回めにやっと、最短っぽいルートをつかみましたが、まだ他のルートがあるかも? 山の中のカッコいい建物です。
「入門編」ですが、リピーターの方もいらっしゃるようで、140人の定員で抽選ありだったりもします。12:30開場で1時ごろ着いたら、もう後ろの席しかありませんでした。出席率もかなり良いです。
テキストはかなり至れり尽くせり。最初の日は、ノートも持って行ったんだけど、「記入用補助資料」がとってもしっかりしているので、結局、そちらに書き込みました。
講座は「くずし字入門 ―江戸時代の文書を読んでみよう―」から始まるので、まずは読み方からです。
「江戸時代の文書を読む前に」という資料もくださったのですが、古文書初心者にとっては、概観がわかってとても便利です。
くずし字自体は、かな書道をちょっぴりやっているので、それなりに読めるものもあるのですが、江戸時代の文書特有のものや、慣用句、異体字などが、コンパクトにまとめてあるので、手掛かりになりそうです。
「合字」というものもあります。「ゟ」環境依存文字ですが「より」。こっそり講義中にスマホで出してみましたが、最近のIMEは、まぁ、物知りさんなのですねぇ。出ましたよ。
初日に読んだのは、「地替証文」 お寺同士で持ってる土地を、交換した証拠です……という文書。ただ、裏書で、言ってきた方のお寺が、交換しますって言った土地を勝手に売却したので、取り返した…というオチつき。(勝手な適当な解釈なので、間違ってたらスミマセン)
2日目は、「人別送り一札之事」=江戸時代の「戸籍異動届(送籍)」 今回の場合は、婚姻届ですね。戸籍としての役割を持つのが「宗門人別改帳」で、参考文献として、異動後とみられる「宗門人別書上書」というものがあるんですけど、微妙に日付と年齢が違うというミステリーも! どういう具合で、この文書たちが作られたのか、興味をそそられます。
3日目は、鎌倉円応寺の新居閻魔堂が壊れたので、深川でご開帳をやって資金集めをしていいですか? という寺社奉行様へのお伺い状。新居閻魔堂というのは、今でも鎌倉にあるんだけど、後で調べたところ、新居閻魔堂は、「由比郷や海浜近くにあったが、1703年(元禄16)の地震、津波で堂が破損したため、その後、現在地に移った。」らしい。この文書が明和7年(1770年)で約67年後。関東大震災の時も修復してるし、いろんな災害を乗り越えて、今に至るんだなぁ。見に行かなくちゃ。
4日目は、「領地朱印状」の写し。 御朱印+寺社で検索すると、御朱印集めしか出てこなくて困った。
もちろん、お寺で300円くらいで書いてもらうアレじゃなくて、「 江戸時代
において 将軍
が 公家
・ 武家
・ 寺社
の 所領
を確定させる際に発給する 朱印状
のことである。wikipediaより」です。
問題は、この中に「諸役等免除」という文言があること。公的文書は今もそうだけど、フォーマットがある程度あって、それを踏襲する形で作成されていくんだけど、いつの間にか解釈が違ってきてて、実態に食い違いが出てくるという実例を別参考資料とあわせてお勉強。いつの時代も、みんな自分に都合の良いように解釈するのかも?
5日目、幕末のお手紙2通。これまでのは公的文書だったので、ある程度、フォーマット的なものがあったけど、こちらは私信、一通はそれの写しです。1862年、3年の黒船来たよ、どーする?……という幕末、将軍は家茂(和宮のだんなさん)で激動の時代。なみにペリーが浦賀にきたのは1853年。
内容は「攘夷」を巡って、いろんな人の思惑が入り乱れる……というお話。
読み方的には、闕字(けつじ)、平出(へいしゅつ)という文の空白部に敬意が表現されるという例も。
学校の時代、資料集の文書というのは、なんかわかりにくくて苦手意識もあったけど、実際に一字一句読んでみるとパズルみたいでおもしろいし、誤字や写し間違いなんかがあるのも、人間っぽくて親近感がわきそう。
ちなみに、応用編が冬に開催されます。行けるといいなぁ。
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