目指せ!シナリオライター

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マッチ工場



     町田 徳治(60) その父

     町田 ミツ(60) その母

     町田 智美(30) その妻

     町田 未来(10) その娘


プロット マッチ工場再び


町田徳治は、採算が合わなくなり融資を銀行に打ち切られマッチ工場を廃業した。徳治が工場のシャ

ッターを閉めるのをミツがハンカチを目に当てながら見つめている。親父たちに申し訳ねえと徳治

は、仏壇に手を合わせる。徳治は、夜毎、酒に溺れ体調を崩しがちになる。ミツは、浩二に家のこと

は、心配するなと伝える。浩二は、たばこにライターで火をつけ、矢継ぎ早に電話を切り、仕事に取

り掛かる。夏休みに、浩二は、智美と未来を連れて実家に帰省する。

徳治は、あからさまに嫌がり、声一つかけないでいる。未来は、家の中で、鳩時計やダイヤル式の電

話を見つけ物珍しくみている。智美は、未来を注意するが、親も親なら子供も子供だと浩二と未来を

睨み付ける。徳治は、スーツに着替え家を出て行く。浩二たちは、不思議そうに見ている。

徳治は、工場を再開しようと銀行に再度、融資を頼み込むがマッチは時代遅れだとことごとく断られ

てしまう。

浩二が、帰る間際に徳治は融資をしてくれと頭を下げる。浩二は、そんなものに使える余裕はないと

聞く耳をもたない。徳治は、お前の考えだと見えなくなってるものがあるんじゃないかという。

浩二は、東京に帰り残業に追われている。浩二は、下町の鉛筆工場の融資を打ち切る。泣きじゃくる

老夫婦。徳治とミツの顔がぼんやりと脳裏を掠める。智美からケータイの着信がなる。

浩二は、病院に向かう。未来がぐったりしている。未来が聞き取れない声でパパと呟く。浩二は、未

来の頬を撫でようとするが、智美は、その手を振り解く。智美は、未来が十歳の誕生日を祝ってもら

いたくて風邪をこらえながら待っていたのだという。浩二は、仕事に追われ忘れていた。

浩二は、徳治に言われたことを思い出す。

退院した未来の誕生日を祝う。智美がチャッカマンで火をつけようとするが、浩二は、マッチで火を

つけていく。浩二は、上司に融資をお願いするが、相手にされない。徳治が入院したとミツから電話

がある。幼いころ、徳治と花火をしたり、キャンプをしたことを思い出す。

浩二は、銀行をやめ退職金を使い工場を再建することを病床の徳治に伝える。徳治は、涙を流すが、

マッチを侮辱した浩二を許せないでいる。

浩二は、なれない機械作業に戸惑い失敗の連続で頭を抱えている。みかねた徳治が、作業着をきて工

場に入っていく。

                          終わり


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