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2023年04月20日
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カテゴリ: 病院
おはようございます


前回記事でアナウンスをしていた具体的な事例紹介をしていきます




当然個人情報は特定されないように必要な情報を加工したうえで、MSWの業務に対するイメージをしやすくなるように事例を紹介していきます




今日は セカンドオピニオン に関する事例です




注意すべきポイントは本人と家族の意見が違う時にMSWとしてどう対応するかです



数学のように明確に答えが一つある訳ではないので、私がそのケースの時にどうしたかという事例の紹介です



第一段階としてはMSWの仕事ってこういう業務もあるんだとわかってくれれば良し




次のステップではあなたならどう支援したかを考えられるようになるとなおよいでしょう





一つの事例に対して複数の選択肢(視点)を持てるようになる と、とても優秀なSWとなれると思います



・事例


自営業で​家族(妻。子供)と一緒に本人を中心に仕事をしていた



年明け頃から除雪中に腰痛を自覚して地元近くの病院へ受診するも原因がわからず、入院先の病院でCTの結果骨折が疑われて1カ月ほど入院



改善しないため精査目的で紹介されて、当院へ入院



検査の結果背骨(胸椎)にがんの転移が見つかり、原発不明がんの骨転移として放射線治療を開始



治療中も症状は改善せず、コルセット作成やリハビリで何とかADL向上を目指したが、最初は腰の痛みだったものが下肢にもしびれが出来てき、徐々に上肢にもしびれもでてきた




常時痛みがあるので医療用の麻薬を使って痛みのコントロールを行うが、すっきりとは良くならず緩和ケア内科にも入ってもらい痛みのコントロールを何とか調整している状態




当院ではリハビリ以外ではベッド上での生活となっている状態では、抗がん剤などの治療も困難との判断になったが、セカンドオピニオンの説明もさせてもらい本人と家族からは札幌でのセカンドオピニオン希望有り




家族が札幌の病院三か所でセカンドオピニオンを受けるが、いずれの病院も痛みが取れて日常生活を送れる程度の体の状態でないとがんの治療は難しいとの判断となる




本人は一時はコルセット付けて何とかリハビリでは歩行やトイレまで歩行器を使って歩けるタイミングもあったが、セカンドオピニオン等で病院を当たっている間に徐々に疼痛部位も増えていき、骨転移も範囲が広がっていることがわかった









転院調整中に家族から最後にもう一か所だけセカンドオピニオンを実施してほしいと希望があり、本人へも確認すると本人はもうこれ以上やりたく無いし、家族からはまだ頑張ってとか大丈夫とか言われるのが自分にとっては辛いんだとセカンドオピニオンは受けたくないと返答有り




*現状の認識



・病気が発覚したのが3ヶ月ほど前の出来事で妻としては、「最初に入院した病院で1カ月も何もしないで入院させないで早めに紹介してくれていたらもっと結果は変わっていたのではないか」と強い後悔がある





・妻としては何とか、治療の選択肢を探りたい






・本人の兄弟はセカンドオピニオンまではこれ以上しなくても良いのではないかと思っている














・妻とは電話をするたびに元気なのか?と聞かれたり、あきらめちゃだめだと言われて話すのがつらくなる。心配してくれていることはすごくわかる







*MSWとしての支援



①それぞれに思いが異なる状況での意思決定を支援する




②本人と妻との関係性がセカンドオピニオンを受けるかどうかで壊れてしまわないように配慮する




③セカンドオピニオンが可能な状況か、受けられたとして結果の伝達をどのように行うかをセカンドオピニオン先へ確認





④転院先で混乱しないようにセカンドオピニオンの件を情報共有





→今回のケースでは本人の状況を見てもらったうえで、本人、妻、MSWの三者で面談を実施し、本人の現在の状況を妻にも見てもらったうえでお互いの想いを吐き出してもらった





事前の医師と看護師とMSWとの打ち合わせでは「今のADLではセカンドオピニオン先で何かしらの治療方針を提示されたとしても、片道約150Km、転院先からは約250Kmの距離を移動するのは難しいとの判断。ただしセカンドオピニオンを希望される場合は、患者の権利として止められるものでもないが、本人が受けることを承諾しないことには、妻の想いだけで実施は出来ない」との判断となった





まずはMSWより上記の医療者としての見解を説明したうえで、Pt、妻にそれぞれに話をしてもらった






Ptとしては変わらず「ベッド上で寝ているだけでも体がつらい。セカンドオピニオンを受けて治療が受けられるとか受けられないとかの自分の病気のことを聞くことも自分にとってはもう負担が大きい。家族が心配してくれていることもわかるが、自分としては受けたくない」との思い






妻としては「本人の気持ちもわかったし、もう治療しに病院まで行けないことも分かった。それでも何もしないでただ諦めるだけになるのはどうしても出来ないので、行けなくても良いからセカンドオピニオンで話を聞くだけで良いからしたい」と






本人も家族の悩み自体は理解してくれているので、折衷案としてもしセカンドオピニオンを受けることが出来て、結果を本人には伝えずに家族にのみ説明できるとなれば、家族の気持ちも汲んでもらってセカンドオピニオンを受けるだけ受けても良いか確認すると、本人も妻もそれならやってもらっても良いと返答有







MSWよりセカンドオピニオン先へ確認し、書面での返信は紹介状を作製する当院への返書と、妻の住んでいる自宅への返書をそれぞれに送る形で対応可能と返答をもらい、セカンドオピニオンを実施した






→今回のようなケースでは残された時間をいかに本人や家族が望むような形で有意義に過ごしてもらうかに考え方をシフトしてもらった方が良いと医療者としては考えることが多いですが





まずはそこに至るまでにはある程度の 病状に対する納得感と最終的な治療へ対する諦めをどこかでしなくてはいけない と言う事実を改めて考えさせられるケースでした







医療者側からはこの状態で治療は出来ないのでわざわざ本人も望んでいないセカンドオピニオンまで受ける意味はないのではと言う意見が最初は強かったのですが、本人が終末期を迎えたり亡くなってしまった時に「あの時にセカンドオピニオンをしておけば」と家族の中での後悔が残ることだけはSWとしてなるべくさせないようにしなくてはいけないとの考えで私は支援に当たりました






当然本人の意向もあるので、絶対に受けたくないと言われたらそこまでは至らなかったでしょうし、今回は本人も家族の意向を組んでくれたのでなんとか妻が気持ちの整理を付けるためのきっかけとしてセカンドオピニオンを受けたケースでした





身近な人の死と直面することは周囲の家族にとってもストレスの多い出来事であり、特にまだ患者が年齢的に若い方であれば、現実を受け止めることは容易ではありません




必ずしも皆が全てを受け入れて納得してお見送りを出来るわけでもありません が、MSWが関わることで後悔を一つでも減らすことが出来たら私たちMSWと言う仕事が存在する意義もあるのかなと思います





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最終更新日  2023年04月20日 05時59分21秒
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