そういちの平庵∞ceeport∞

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デフレの原因



「貸し渋り」を防ぐために銀行に投入された公的資金は、こうした「ゾンビ企業」を延命し、日本経済の生産性をますます低下させる結果になった。

現在のような長期にわたる深刻な不況が、ひとつの原因だけで生じるとは考えられないので、「あれかこれか」という党派的な論争ではなく、これらの要因のうち、何がどれだけ重要かという実証的な議論が望まれる。

しかしまともな議論ひとつ出来ないのだ

経済学は複雑な人間社会のひとつの側面を数量的に分析する道具にすぎないので、現実がその予測を超えるときは、組織内の意思決定や個人の心理などの「人間的」な要因を分析することも必要だろう。

西野智彦『検証 経済暗雲』(岩波書店)は、一九九二年の住専(住宅金融専門会社)に始まる不良債権問題の内幕を、関係者の証言で明らかにしている。

驚くのは、住専の破綻処理を先送りして不良債権処理の混乱のきっかけを作った寺村信行氏(元大蔵省銀行局長)が、「再び九二年にタイムスリップしたとしても、やはり同じことをしたと思う」(同書一二六ページ)とのべていることだ。

たしかに銀行団の合意が形成されていないとすれば、大蔵省が会社を清算させるわけには行かない。
少なくとも主観的には、大蔵省は民間の利害調整をしただけなのだろう。

こうした「調整の失敗」が起こるのは、官民のさまざまなシステムが複雑にからみあっていて、個々の官僚や経営者の自由度が極端に低いためだ。
ま、共依存社会だ
しかも重症の・・・

したがって問題は、こうした相互依存的な経済システムを解きほぐし、もっと柔軟な意思決定を可能にすることだろう。

実際規制緩和一つとっても複雑な利害が絡み合い国益が何かすら見いだせない
各々の省庁や政党や団体の利害関係でがんじがらめなのだ
これが果してほぐれるのだろうか?

寺西重郎『日本の経済システム』(岩波書店)は、日本経済の長期にわたる低迷の原因は、政府と銀行に情報を集中して経済を管理する高度成長期の経済システムの行き詰まった結果だとし、地方分権で市場メカニズム中心だった「明治大正経済システム」を改革のモデルとして再評価する。

しかし財務省官僚が既得権益を死守するかぎり地方分権など夢物語だろう
郵政民営化、道路公団民営化、年金問題
いずれをとっても予算を握る財務官僚と族議員の権益拡大策だ
そして各々の権限死守が現場の至上命題でもある
優秀な官僚とはどれだけの予算を握っているかってことなのだから・・・・
ま、小泉そのものが族議員なのだからこれもしょうがない
それでも国民の生活に益するならば良いのだが
打つ手打つ手が国民に負担を増大させ
負担に見合った保障も目減りするばかりで不安感が増大する
だから消費も冷え込み倒産失業デフレは続く
抜本的解決策すら見いだせないまま時は過ぎ
空論、不毛な議論、相互批判だけが繰り返される
その結果国民の不安や閉塞感ばかりが増大する
ま、悪循環だ


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