そういちの平庵∞ceeport∞

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浦河


太平洋と日高山脈に挟まれた狭い土地に藤壺のように人が住む
日高昆布やサラブレッドの牧場が全国的には有名だ
目の見えない小児麻痺の松葉杖牧師に勧められ
この町に住む事になった
僕の酒の問題が原因だ
AAや断酒会に作業所にグループセラピーにバイト
久里浜病院で「くだらねえな」と思ったことをもう一度体験する
PSWの向谷地氏やDR川村そして多くの住民
貧しい賃金、進学率の低さ、生活保護率の高さ、アイヌ差別、貧富の差、・・・
まるで社会心理学の教科書のような街だ
当時の町長が牧場で稼いだ人物・・・名馬「シンザン」で名をあげた牧場主
北海道で牧場が増えたのは減反政策の結果だ
それでも粘り強く農業を続ける人達は借金塗れだ
今ではバブルもはじけ多くの牧場も潰れ、農業も漁業も駄目
おまけに日高支庁も移転だ・・・首括る商店主まで出る始末だ
明治期からのアイヌ民族に対する同化政策
夜逃げ同然に牧場に住込む人達
様々な背景や歴史の中でこの街は成立してきた
炭鉱と農業と漁業と林業・・・北海道はこれらで栄えた
アイヌの土地を根こそぎ奪い取り枯渇させた我々
アメリカのインディオにオーストラリアのアボリジニにカナダのイヌイット
イギリスに端を発した産業革命以後押し寄せた狂気の波はこの街にも押し寄せた
シャモ=和人=我々の事
アイヌ=人間を意味する
少数民族の悲惨はどの国もそうで大虐殺の後の隔離収容=土地の略奪
土地や狩猟も出来なくなった彼等は生活保護で暮し
生きる気力も奪われた彼等はアルーコールにドラッグに溺れ誇りを失う
これら近代国家成立と同時に行われた政策
その結果としての精神病の多発
そんな街でベテルは産声をあげる
小さな町の教会から・・・・


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