MURDEROUS PLOT

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エグザム【スマイル&ペコ】




     エグザム   


「…ペコ、五月蝿い。」
「だってだってだってよぉぉぉん。暑いじゃんかあぁぁぁぁぁ」
ペコは、手を団扇の代わりにしてヒラヒラ振った。僅かばかりの風に、頬を緩めている。
「仕方が無いよ。もうすぐ夏なんだし。」
スマイルはつっけんどんにそう言うと、手中のルービックキューブをがちゃりがちゃりと素早く動かし続ける。つい先程手を付けたばかりのそれは、もうすぐ全面の色を整え終わる所までやってきた。
「しかもしかもおぉぉぉ!テストじゃんかぁぁぁぁ!!!」
ペコは、机に頬をスリスリと寄せる。幾ら自分の机だからといっても、この行為はお世辞にも麗しい光景とはいえないだろう。
「そうだね。ペコは勉強してる?」
「……してねーっし。あたぼぉぉ!!」
ペコの語尾が極限まで延びきる。
「だろうね。」
予測済み、とでも言うかのように、スマイルは言葉を紡いだ。もともと仲が良い二人の事だ。相手の腹の内など、とうにお見通しなのであろう。
「じゃあぁ何?スマイル君はばああぁっちりお勉強したのかしらぁぁん?」
井戸端会議に励むオバサマのような声を上げて、ペコは窓の外をじっと見つめる。この様子だと、現実に目を向ける事さえもはばかられるのだろうか。
「…ばっちり、って訳じゃないけど。」
まぁ人並みには、と語尾を濁してスマイルはペコに続いて外を見つめた。小さなカモメがふわふわと青い空を漂っている。『仲間とはぐれたのだろうか』とぼんやり考えながら、スマイルは、次にペコの後ろ頭を見た。
「おぉぉ、やっぱりなんだかんだでやってるんじゃぁぁん。」
くるり。喋り終えて直ぐに、ペコはスマイルの居る方へと体を向けなおす。彼らは元々向き合いながら話をしていたのだけれど、ついさっきまでは、ペコは自分の背の裏にある窓へ体を向けていた。…つまりは、だ。
「あいたぁぁ!!!」
教室に、あまりにも大きなペコの声が響いた。
しかし、痛いのはスマイルも同じである。
「…っっ!!」
声にならない声を上げ、スマイルはその場に屈みこむ。軽い脳震盪のようなモノが、二人を襲った。

「スマイル、へーきか?」
「…うん。ペコは?」
「俺はね、石頭だかんね!」
あれから五分が経って、ようやく二人の症状は治まったらしい。スマイルもペコも何とか立ち上がり、会話を続けようとした。
「…ペコは、全然勉強してないの?」
「…なーに馬鹿な事言っちゃってるのよスマイル君!」
びしり。人差し指一本を天辺へと向けると、ペコはオーバーリアクションを取りながら「もっちろーん!!してるし!!」と笑った。ご丁寧に、体を仰け反らせて。
「…何の勉強?化学?数学?それとも現代国語?英語?」
スマイルが、一つ一つ慎重に尋ねていく。ペコはその度に「NOー!!NOー!!」と首を横へ振った。
「じゃあ、何勉強してるの?」
痺れを切らしてスマイルが更に問う。するとペコは待ってましたとでも言わんばかりにニヤリとほくそえんだ。スマイルの背中を、冷たいモノが通り過ぎる。


「スマイルについて、勉強してんのぉぉ、俺はぁ。」



眼鏡が、小さく音を立てて軋むのが、スマイルにははっきりとわかった。




END





スマイルについての勉強→スマイルの性格分析、スマイルの好きな食べ物、飲み物、好きな人、嫌いな人、趣味、どれと取って頂いてもかまいません。だって自分も考えてない。


ま、あれだ。スマイルの事がもっともっと知りたい、っていう、ペコの友情の深さを書きたかったんです。はい、風呂行きますね。


2004年5月23日18:18   日曜日


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