MURDEROUS PLOT

MURDEROUS PLOT

ヒ→ロ←見参 【スマイル視点】


僕はひっそりと呟くと、石段にどっかりと座った。



   ヒ→ロ←★見参


いつからか、ペコは僕のヒーローだった。
…ううん。最初からヒーローだったんだ、きっと。
彼はいつも僕を導いてくれた。いつからか、彼は僕を支えてくれていた。
僕は今でも、みっともなく彼に取り縋る愚かな子供だったあの頃から、少しも変わってはいない。ただ、少しだけ背が伸びてペコの背を追い越して、少しだけ声が太くなっただけ。でもそれらは全て生理現象だ。僕が自分から変わろうと思ってなった訳ではなかったのだ。
「ヒーロー…」
言いかけて、止める。僕のヒーローはペコだ。是は揺ぎ無い事実。真実。
「じゃあ、ペコのヒーローって…」
誰なんだろう?と空に尋ねる。当然ながら答えは無い。
「…」
僕にヒーローが居るように、彼にだってヒーローが居るはずだ。でも誰なんだろう?
おばば?いや違うだろう。アクマ?いやあの人でも無いだろう。チャイナ?いやそれも無いだろう。ドラゴン?これも有り得ない。
ふわふわと風に乗る僕の服。いっそ僕もこの風に乗ってしまいたい。
少々思考が突飛になっていることは、自分でも否めない。
「…ヒーローのヒーロー。」
一瞬聞いただけでは常人には理解し難いであろう事を言い終え、僕はその場を去る事にした。一筋の風が、僕の背を力強く押す。
「ヒーロー、見参。」
ヒーローは、現れない。ならばこちらから会いに行こうではないか。
会いに行って、ヒーローのヒーローを確かめてやる。そうして、僕はペコの元へと行く『理由』を難なく作り上げたのであった。


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