MURDEROUS PLOT

MURDEROUS PLOT

私から貴方への戯言【オリヂ】




「もし、明日地球が滅びてしまうとしたら?」


その質問には、「絶対滅びない」という基本原理が存在し、どれだけ真剣に語ろうと、それは仮定形どまりであった。その質問を使っていた皆、そして私は、地球を信じていたのである。


 だからこそ、それは衝撃的なものだった。いつものように淡々とした口調で読みあげたテレビのニュースキャスターにも、私は驚いた。


 「北極にあった最後の氷が、ヒートアイランド現象によってついに溶けてしまい、アスには世界をその水が覆いつくすという事実が、政府により明らかにされました。」


 「どうして冷静に言えるんですか?明日には地球が滅びるということを。どうしてなんですか?」
そう、テレビに問いかけた。しかし、必死な私の声など届くはずもなく、ニュースキャスターは次のニュースを読み始めてしまった。


 今日は、初めて学校をサボってみた。だって、もう行く必要がないから。学校へ言ったであろう友達にメールを送ってみると、「先生は一人も来てないよ。」と返ってきた。「先生が居ないなら家に帰れば?」と送ってみると、「先生が居ない平日の学校なんて、もう二度と味わえないから、もう少し居ることにする。」と返ってきた。なるほど。その気持ちもわかる気がする。


 来る明日に向け、悔いのない時間を過ごそう。そう決意して、私は銀行へと足を運んだ。家から私の貯金通帳と、判子をこっそり持ち出して。全財産をおろしに行ったのだ。帰りしなに、大量の小説と漫画を買った。自分のやりたいことを、やりたいだけしようと考えた結果だ。


 家に帰ると、お母さんは書き置きを残して出かけていた。「明日には帰るから。」という小奇麗な字に、私は言いしれない寂しさを感じた。


 空は、いつもと変わらぬ青空だったけれど、気温が異常なまでに暑かった。きっと北極の氷の影響だろう。窓を閉めてエアコンをかけた。


 小説も漫画も読み終わり、ついにやることが無くなったため、今の地球について考えてみた。皆が今の私のように、エアコンをつけたり、お父さんみたいに車に乗って排気ガスを出し続けたからこうなってしまったんだよね。それってつまり、天罰ってことじゃないか。でも、それでは、貧しい国の人々は可哀想すぎる。エアコンが無く、車も無い人々は、何もしていないのに。不公平だ。


 私が考えてみても、その人々のやるせなさは計り知れない。何故なら私は、今の今までそのような人生を味わったことがないからだ。


 あぁ、もう昼……。もう夜。もう朝。ついに恐れていた「明日」が来てしまった。空はいつもと変わらないけれど、膝下まで水に浸かってしまっている。まるで入水するみたいだ。奇妙な緊張感と、開放感がふくれあがるのを感じた。いきなり水の量が増え、私の身長をゆうに通り越した。喋りたくても言葉は泡となり、消えてゆく。目を閉じて、心で「サヨウナラ。」と唱えた……。



 この文章を読んで、過去に生きている貴方達が環境のことを考えて生活してくださったら幸いです。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: