チャッカン サラム チップ

チャッカン サラム チップ

キルソドム(韓国)



出演:キム・ジミ
   シン・ソンイル

内容:
義理の兄で結婚の約束をしていた男性、そして生き別れになった息子を捜しに
ある中年女性が、プサンからソウルにある、家族探しの特別放送を行っている
KBS放送局前広場に向かう。
彼女の故郷は現在の北朝鮮にあるキルソドム。
彼女の義理の母は今でもそこに独りで住む。行こうにも行けない故郷の思い出を
車中で思いめぐらす女性。
情報を得ようと集まってくる人混みの中、
彼女は、33年の歳月をかけても見つけだせなかった義理の兄に、
この広場で偶然再会する。
お互いの過去を語り、再会を喜びあう二人。
しかし二人には伴侶と子どもがおり、「幸せ」に暮らしていた。
次の日、二人は生き別れになった息子であろう人物に会いに行くが、
孤児院で育ち、今は屠殺や死体処理で日銭を稼いでいるという
彼の悲惨な暮らしに言葉をなくす。
3日後、この3人は血液検査により「ほぼ間違いなく」親子だと証明される。
しかし、彼女にはどうしても受け入れがたく、息子との和解もせず、
プサンに戻ってしまう。

1983年に韓国KBS(日本のNHKにあたる)が、朝鮮戦争により
生き別れになった親子、親族、友人などを捜すための特別番組を放送し、
大反響を国内に巻き起こしたという事実を基盤につくられた作品。
日本の中国残留孤児問題などでもあるように、
再会が必ずしも「幸せ」を生むものではないという悲しい現実を描いている。
やっとつかんだ「幸せ」のために過去を閉ざしてしまう女性。遅すぎた再会。
これは彼女たち自身の選択ではなく、時代の流れでそうならざるを得なかった。

監督は映画の中で
「これは強大国の代理戦争に巻き込まれた弱小国家の悲劇」
と述べているが、今見ると少し偏った考え方のように思う。
とはいうものの、製作当時の85年にはこの考え方が主流であったようだ。
イム・グォンテク監督作品「太白山脈」(94年)も
同じく朝鮮戦争が題材だが、10年後につくられたこの作品での監督の考え方は
大きく変化している。感情をぬぐい去り、歴史を静かに洞察し、朝鮮戦争の
真の悲劇を掘り起こした「太白山脈」。そのベースとなったこの作品は、
やはりイム・グォンテク監督の代表作品といえる。

余談ですが、やっぱり15年前のソウルはビルが少ないことに驚いた。

勝手評価:
☆☆☆1/2



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