ふと、思ったこと


俺はなにをしているんだろう

昨日も、今日も、

俺はなにをしているんだろう

ただただ、暮れ行く空を眺めて

学校へ行くわけでもない

調べ物をするわけでもない

友達にメールするわけでも電話するわけでもない

テレビもとうに消して、

俺の場所には静けさだけがのこっている

もうすぐ夕飯

きりりと寒い冬の外

早々と階段をおりてとなりの家の扉を開ける

暖かい香り、イヌの鳴き声、人の笑い声、

ソレは昨日も今日も、そして明日も変わらぬもの

今まで俺は闇雲に走ってきた

なにを求めていたのか、なにがほしかったのか、

体が悲鳴を上げて、俺は答えのないまま、立ち止まった

もう何日も、答えのわからぬまま、こうして止まっている

時の流れのなかで動こうとせず、ただ流れに任せて

あしたもこんな気持ちで

平穏なまま暮れていく夕日を見るのだろうか

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、そんなのいやだ

なにもしないわけじゃない

体が休もうって俺に頼んでるから俺は止まっているのだ

本当は動きたいのだ

一定の速さで流れる時の中で、

その速さに任せて流れるのではなく

それより速く自分で泳ぐのだ

まっすぐにしか流れない流れの中で

自分で別の流れをつくるのだ

そんなことを考えながら夕日をみている

こうして心の言葉を目に見えるものにしているさなかでも

俺はあの平穏な、消え行く夕日を見に行く




夕日は沈んでしまっていた

外に出ると、凍えそうな冬の空気が

眠気のサメナイ俺を迎えてくれる

とはいえ故郷では春の暖かい空気があたりをつつみ

桜たちも暖かい空気に起こされ始めようとしているのに

ここではまだ桜は起きることを許されていない

ここではまだ冬の凍えるような空気があたりを支配している

あ、もう夕飯のじかんだ、

あしたはちゃんと泳ぎだそう、自分で道をつくらなきゃ

要するに学校行って去年の復習でもしようかってことなのに

ちょっとカッコつけて詩人風に言ってみる

案外似合っていたりして、、、、まさかね

さぁ行かなきゃ

こうして今日も何事もなく終わりを告げてゆく

明日は今日とは違う日であるように、と

心の中で祈りつつ

昨日怒らせてしまったあのひとへ

明日は明るくあれと願い

今日も静かに深けてゆ





© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: