旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪さらば友よ≫



  劇場公開時大ヒットとなり、それまで脇役として
活躍していた、チャールス.ブロンソンが
スーパースターとなり、彼の代表作ともなった。
   ≪さらば友よ≫

友情に結ばれた男と男の真情が、画面にあふれるラストが絶妙で
その、快調なコンビぶりが成功した。

≪禁じられた遊び≫の、あの名子役ブリジット.フオセが
美しく成長して共演。話題を呼んだ。
彼女、私と同じ年なんです。

広いおでこはそのままにはにかんだその瞳にだまされたドロン。
近づいてくる女性をいつもは絶対に敬遠するのに、
今回は、近づいてきたふたりの女性に完全にだまされてしまう。

どんなドラマ(恋愛ものは別)でも、
決して、自分から愛を感じて女性に近づくことは無い
役柄が多いアラン様。

女性は信用できない!と言うのが彼の心情で、いつも
男しか信用しないのである。

ストーリー
アルジェリアの外人部隊から、
帰還した軍医バラン(アラン.ドロン)は、マルセーユ港に
着いた船をおりるとき、アメリカ人のブロック(ブロンソン)に、
声をかけられた。
荒稼ぎの仕事をいっしょにしないかと...

船にいるときから寡黙で、根性もありそうなバランに目をつけていたのだろう。

バランはうっとおしくて、彼を避けようとつれなくするが
なぜか、どこからともなく、現れしつこくつきまとった。

バランは港に着いたときに見知らぬ美人からさも、知り合いの友人がバランであると主張され、これもしつこくつきまとわれた。

ちょっと油断して、泣き顔の彼女に気を許し、話をきいてやった。
大会社の写真部にいるが、流用した債権を会社の地下の金庫に
戻して欲しいと言う。監査があるので助けて欲しいと。
バランが軍医であることを調べていたようだ。

つまり、健康診断をする医師を会社が欲しがっていたのを良いことに白羽の矢をたてられたわけだ。
クリスマス休暇の時期に地下の診療室に入ってくれる医者など
いないからという口実で嘆願されたのだ。

場所はパリに移る。
社員の身体検査をする部屋がその金庫の隣の部屋なのだ。
金庫のダイヤル番号も最初はたやすく手に入るようだったが、
三桁しかわからなかった。

3日間の身体検査をしているうちに、
金庫に社員の賞与、2億フランが収められることがわかり、
それも一緒にいただこうと思った。もち、この女性イザベラには
内緒だった。
もうひとり、ドクターバランの助手として医大生の女の子があてがわれた。

またまた、ブロック君が、目の前に現れ、
仲間に入れろと無理やりについてきた。
四苦八苦の末、金庫を開けたものの中は、やはり、からっぽたった。
そのときにバランははめられたと気づいた。
うまく金庫室から診察室に戻るとそこには守衛の死体が転がっていた。だれの仕業か、...

バランとブロックは別れ、ビルの外に。。
バランは逃げようと空港へ向かう。
しかし、街の電光掲示板には
すでにバランが殺人犯として流れていた。

空港で待ち構えたブロックは注意を自分に引き付け、
自ら警察に逮捕された。
刑事の厳しい尋問にも、決して口を割るどころか、
そんなバランなんてやつには会ったことも聞いたことも無い。
新聞をにぎわしているあいつか..とのんきに構えている。

バラン君はイザベラにまず、連絡をとろうとするが、
聞いていた会社に、そんな社員はいないと言われ、
真相を突き止めようと、
まずは自分に気がある医大生の女の子に匿ってもらおうと
マンションへ。

名は、ワーテルローだという。
身の上をいろいろと聞くバランに、
彼女は父はスイスにいると言う。
イザベラなんて知らないと言う。
イザベラは社員に混じって健康診断を受けたから、
カルテがあるはずだ。今から取りに行こうと....
おびえるワーテルロー。

そのころ警察では相変わらず沈黙を守っていたブロックだが、
ダイヤルのナンバーを聞いて、
”ワーテルローの戦いか...”と刑事に言った。
ダイヤルの番号のなぞが解けていたのだが、
彼らはその先は気づいていない。

バランは警察に電話をし、今夜12時に診療室へ来てくれ、
そのときに真相を話すと告げた。
そしてワーテルロー嬢と診療室へ。
慌てて捜す、彼女にバランは非情な表情で”何を慌てる?”と。

そして、”守衛もそういう事情で君が殺したのか...”
後ろからイザベラの拳銃が...
真相を話すイザベラ...
つまり、バランたちが金庫室へ入る前に
お金はそっくりと彼女達がいただいていたわけで、
彼らは囮にされたわけだ。

はじめから、彼らが強盗犯として捕まるように仕掛けられていた。
イザベラはワーテルロー嬢の父の愛人で、盗んだお金はすでにスイスへ運ばれていた。

バランはワーテルローという苗字を聞いたときに、
ダイヤル番号が頭に浮かび、
彼女が一枚かんでいるとわかったのだ。

銃口の前に立つバランは左の扉の影に刑事が数人立っているのを
確認、とっさに飛びのいたが、
走り去る女二人に”撃つな!弾は入ってないんだ!”...
イザベラが持っている拳銃はバランのもので一発目と2発目は
弾をはずしていたのだ。

しかし、間にあわずに、二人はビルの出口で
めった撃ちに打ち込まれて即死だった。

なぜ、時間より早く来たんだ!まだ12;00前だ。!”

”俺だって仕事なんだ!”軽蔑するように刑事の顔を見るバラン。

金庫室の前で待たされるバラン。
そこへ金庫室の扉があくと座り込んだブロック君がいた。
出てきたブロック君..に目もくれないバラン。

刑事がわざと合わせたのだ。
”話があるだろう?”と。

”二人は地下室でいっしょだったんだろ?”
”????”

あくまでも、バラン一人ということになっているのだ。

”誰ですか?””きみの友達ブロック君だよ”
”初めて見る顔だ!”

ブロックは刑事の懐からタバコを一本抜いて口に加えた。
バランがさっとマッチを擦った。そして彼のタバコに火をつけた。
目もあわせずに別れる二人であった。

3,4日の金庫室での生活で
二人は真に信頼できる友となったようでした。
  男は口が硬くなきゃだめだ。

”イエーーーッ”

劇場公開時大ヒットでしたが、今の若者に受けるかなあ?

女の子に目が無いブロンソンはなぜか、ジャン.ポール.ベルモンドごとく女の子が好きですね。
こういうタイプの方が信頼できる女性にモテルのは
面白い皮肉ですね。

アランはこういう作品では必ず、やられるんだ。女性に。

女性に気を許してはだめだぜ、アラン君!!

1968年度作品。

ジャン.エルマン監督。

チャールス.ブロンソン氏のご冥福をお祈りします。





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