旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪チェイサー≫



★★★★★
太陽がいっぱい、若者のすべて、暗黒街のふたり、
ハーフ.ア.チャンス

★★★★
ボルサリーノ、ボルサリーノⅡ、フリックストーリー
パリの灯は遠く、高校教師、ル.ジタン、ゾロ、冒険者たち、
チェイサー、もういちど愛して、サムライ、地下室のメロデイー
さらば友よ、危険なささやき、帰らざる夜明け、暗殺者のメロデイー
危険がいっぱい、仁義、ポーカー.フエイス、ビッグ.ガン
私刑警察、シシリアン、リスボン特急、フランス式十戒、
ブーメランのように。
★★★
悪魔のようなあなた、個人生活、燃えつきた納屋、黒いチューリップ

   と、四星マークの作品が圧倒的に多い。

五つ星は難しいにしてもこれだけの作品がドロンなくして
製作不可能であろうと思う一級娯楽作品である。

人様によっては何が面白いのかわからない?という
ハリウッド作品びいきのご意見もあるが、
あの面白さがわからない、良さがわからないのは
感覚の問題であって、これはドロンフアンという
決して身びいきから言っているのではない。

今夜は≪チェイサー≫という、これまたフレンチ.ハード.ボイルドを
紹介するが、いいですか?暗黒映画も、ギャング映画も
アランが演るから、作品として成り立つんだということを
頭に置いて、観てくださいね。

さて、キャスト
監督   ジョリュジュ.ロードネル
出演   アラン.ドロン、オルネラ.ムーテイ、モーリス.ロネ、 
1978年度作品

アラン48歳の渋さが最高のときの作品。
オルネラ.ムーテイーのキャステイングもドロンのたっての希望で
イタリアから呼び寄せたそう。

ストーリー    
会社を経営する男、ドロン)と、政治家ロネ)は、
親友である。
政治家は政界のボスと夜、彼の部屋で会った時に
口論となり殺害してしまう。政界汚職のフアイルを盗み、
囲っている彼の愛人(オルネラ)に託し、ドロンを訪ね、
殺害の夜のアリバイを頼む。

ファイルの在り処をドロンに話し、ドロンはそれを彼の尻拭いをするべく、
フアイルを取りに愛人の家に向かうが
何者かにつけられ、
あわやというところを愛人に、明日、駅のコンコースで会おうと
別れ、尾行者を巻く。

しかし、翌日駅に向かうとそこにはなぜか、刑事が張っていた。
アリバイは執拗な刑事に暴露されるも、政治家ロネは、何者かに
殺されてしまう。

行き詰まる展開の中、この執拗なパリ警察の刑事の追求や。
得体の知れないやつらから、いつも
危ないところを救ってくれるパリ国家警察の刑事が登場する。

ドロンと政治家ロネの共通の知人の弁護士や、実業家といった
怪しい人物が彼に付きまとい、誰が黒幕なのか...

追いつ追われつの中、政治家の愛人にほのかな愛を感じ始めていた
ドロンであったが、(恋人、ミレーユ.ダルクがいるが、
倦怠期である)
彼女は敵の弾丸に倒れてしまう。

どうしても、親友ロネを殺した犯人を突き止めたいドロン。
そういった中で、ある大物商人に辿り付く。
知人の弁護士も実業家も事件に関わっていることは間違いない。

しかし、この大物商人の弾丸に倒れた、知人の実業家の口から聞いた
親友殺しの犯人の名に...!
パリ警察も、国家警察も安全のために、フアイルを渡せと言う。

ドロンはフアイルをコインロッカーから、持ち出し、
パリ警察の刑事と駅で落ち合う。

ドロンの懐には隠しマイクが....
刑事との会話は途中から駅中のスピーカーに流れ出した...

そう、この刑事こそ親友殺しの犯人であった。
間違った正義感は狂信的で、こういった方向へ行ってしまったのだ。

正当防衛で、刑事を撃ち殺したドロンにお咎めは無し。
フアイルは終始、彼を守ってくれた清潔な刑事の元へと
渡った。

マンションのテラスのガラスに映るドロンのわびしげな
表情は繭間のしわを深くした....。

ドロンでなければ出ないこの味。
心に温かさを秘めつつも、寡黙な男。

男の憧れとも言える暗くてクールな男を演じて、
彼の右に出るものは無い...。

夜明けのパリは霧にもやって、スタン.ゲッツの演奏するサックスの音色。
ジャズのテーマ曲は物哀しい。


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