旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

世にも怪奇な物語


まだでしたので、気にはなっていたのですが・・・

今夜はちょっと述べてみましょう。

その前に今夜BSで明日からの特集のまとめと言うか
映画ほど素敵なものはない・・・という番組で
J・フイリップとJ・ギャバン、そしてアラン.ドロン様にスポットをあて
クイズ形式で楽しい番組をやっておりましたね。

その中で興味を惹かれたのが
元モデルの山口小夜子さんによる
いい男の(あくまでもフランスの映画俳優を対象として)3条件を上げていました。

1.光と影
2.悲劇性
3.エレガンス

そうですよね・ぴったりの表現です。
三人ともまさにこれに当てはまりますもの。

明るい演技も味わいのある演技も演じ分けられる男。
そして常に死が付きまとう役柄がはまる。

エレガンス・・・・これはもうファッションにおいては
フランス男が世界中で一番粋なのだからして当然のお3人でありますが、加えて私生活の中で培われた彼等の教養が溢れるエレガンスということでしょう。

そして私がもうひとつ加えるとしたら
このスターたちの男の色気である。

まさに色気がいかにスターにとって大事か!という代名詞のような
3人です。

今回の放映でドラマを外してみて、作品は12本ですか。
そのうち、ラストで死んでしまう作品が(死を予感するものも含めて)8本であります。

全作品82本のうちでも2/3は死んでしまいますよね。

今夜の≪世にも怪奇な物語≫でも彼は死で幕を閉じまする。

原作・・エドガー・ア・ランポーで3つの作品のオムニバス形式・

ドロン様は
二部のルイ・マル監督作品・(死刑台のエレベーターなど)
  ≪影を殺した男≫に登場します。

一部はロジェ・バデム監督でジェーン・フォンダ主演の・・(馬に哭かれた男)
三部はフェデリコ・フェリーニ監督、テレンス・スタンプの・・・(悪魔の耳飾り)

今夜はドロン様の部分だけを紹介しますね。

怪奇な物語と言う事ですが、この言葉は一時流行りましたよね。

(影を殺した男)・・・ウイリアム.ウイルソンが原題・

・・・・・
そしてドロン様は二役を演じます。

★若い士官が聖堂へ向けて駈けていきます・・・

”懺悔を・・・・”と神父に飛びつく。
名をウイリアム・ウイルソンと言い、人を殺してきたと言う。

殺した男の名もウイリアム・ウイルソンと言うそうだ。

彼は幼い頃からの経緯を話しはじめた。
学校でも、
幼い頃からウイルソンはその非情さが目立ち
同級生へのいじめは病的であった。

転校生に赤インクをかけ,
転向生は先生に”ウイルソンがやった!”と言った
その子へのリンチは残酷で
ロープで吊るし、
その下にはたくさんの鼠が入っている樽が置かれてあった。

ニコリともぜずに仲間をあおり指揮をとった。

しかし、
そこにウイリアム.ウイルソンという同姓同名の男の子が
どこからともなくやって来て悪さを妨害した。

彼は学校を放校となったという。
そして何年か経って彼は医大生となった・

人体解剖の実験を興味深げに見る彼は
夜の町で女性を待ち伏せ
ある部屋に連れ込み
裸にして台に載せ、縛り
同級生の見る前で、教授の口真似をし、同じ仕草をし、
女性をいたぶった・

しかし、ここでももう一人のウイルソンが現れ彼の邪魔をした・・・・

そしてまた時が経ち
こんどは軍隊に入り士官としてある町にいた。

夜,サロンに出向いたウイルソンは
美しい高慢な女性(ブリジット・バルドー)に
侮辱された。

女の敵としてのウイルソンを遠まわしにののしったのだった・

侮辱を受けたウイルソンがこのまま引き下がるはずは無い。

カードをやっていた彼女に勝負を挑んだ・

最初は彼女に勝ちがありと見受けたが
つきは逆転し、
彼女は無一文になった上に
借りを作って負けた・

それはウイルソンの言うなりになるという条件で借りたものだった。

得意げにウイルソンはこの場で言うなりになれと言った・

彼女を後ろ向きにさせ
ドレスのジッパーを降ろした・・・
そして、始めたのは鞭で打つ事だった。
怒りを込めてウイルソンは何度も何度も打った・

ところがまたもう一人のウイルソンが現れ
彼の勝ちはいかさまだ・・と言い、女性に衣服を渡した。
女性は彼の頬をぶった・

去ったウイルソンの後を怒り狂って追うウイルソン・

剣を向け斬りかかった・
”如何して自分の邪魔ばかりするのか!”・・・・

そしてウイルソンは
とうとうもうひとりのウイルソンを刺し殺してしまった。

もう一人のウイルソンは言った・
”どうして私を殺した?お前も死ぬんだぞ!”と・

怖くなったウイルソンはここ大聖堂へ駆け込んだのだった。

しかし、神父は
”悪夢だ。悪を反省し,祈りなさい、”

ウイルソンは”バカめ!そんな言葉を求めちゃいない”と
聖堂を走り出て
鐘楼へと上った・・・

そして誰に押されるともなく落ちていった・・・・のだった・
彼はもう一人のウイルソンを殺したはずだったが
自分を殺したのだった・・・・

つまり
人間の心の中にある善と悪の心を二人の男という形で
描いたのでしょうね。

表のウイルソンと影のウイルソン。
人の愛を知らないウイルソンは
人をいたぶる事しか出来なかった。

もう一人のウイルソンが彼を諌め守ってやったそのことを

認める事も
気づく事もさえ出来ずに
結局自分を殺してしまったのだった・

この作品は 美貌の ドロンで光る作品となりましたね。

一度も笑うシーンは無い・
冷酷非情も
彼が後にプロデュースした役作りの作品のにある
非情さの雰囲気ではありません。

ルイ・マル監督の望んだ非情な男のような気がします。

だから役者ドロンと言うより
これこそ水も滴るいい男時代のまさに
はまり役のドロン様がいますよ。

オンナの色香に迷わされる事なんぞない非情な男・・・いいですね・

そして明日は第一夜・・
  ≪地下室のメロデイー≫・・

ジャン・ギャバンとの初共演の作品で
ニースのリゾート地を舞台に
カジノの売上金をごっそりと頂く計画・・

ちょっといなせな町のアンちゃんと
ムショ帰りのギャバンとのコンビ。

その後、
男臭さが加わる味のあるドロン様になる前の
一番ハンサムな時のドロン様を見てくださいませ。

そして毎日,少しづつ
味わい役者ドロンへと変わって行きますからね。

今回の作品では≪テキサス≫・・・
  もう忘れてしまっているので
楽しみにしています。
もちろん録画もバッチリとして
ドロンコレクションを完成させていきます。

ワクワクしています。


感想を書く



Re:いよいよ明日からドロン様特集です・(05/09)


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: