旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

グレース・ケリー、エヴァ・ガードナー


     1.グレース・ケリー  ≪白鳥≫
     2.エヴァ・ガードナー ≪日はまた昇る≫

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1.グレース・ケリー  ≪白鳥≫

 、こんばんは。

お正月から始めましたトーキー以後の女優特集。

今夜から順不同ではありますが、
1920年代、1930年代生まれの女優さんシリーズに
入りますね。


日本の女優でも欧米の女優でも
うりざね顔.、もししくは卵型の顔という
超とびっきりの美人と言うのはどこかやぼくさい。

しかし、彼女たちが振袖や、イヴニングドレスを着ると
最高に映える。

顔はそこそこの美人でもスタイルのよさや、
センスの良いファッションを醸し出せる女優は
超美人よりも魅力があることが多い。

キャサリン.ヘップバーンやローレン.バコール。
日本で言えば北原三枝などがその典型である。

前記のような、そういった華やかな超美人は顔美人にとどまり、
全体を映すとどうも今一しっくりとこない。

グレース.ケリーもそういった華やかな超美人である。
顔は卵型ではないにしろ、超美人である。

決して垢抜けてはいない。

だが、
彼女のイヴニングドレス姿は最高である。

パーティドレスの似合う女優である。

彼女の代表作と言えばみなさまは
ヒッチコックの≪裏窓≫を上げるでしょうね。

しかし、
なでしこで紹介した彼女のオスカー受賞作≪喝采≫は、
前半は汚れ役とまでは行かないがブラウスやセーターに、
スカートという下町風のさり気ないファッションに
身を包んでの登場でした。

このスタイルも悪くはないのですが、
この人にそんな格好はさせたくない。
作品の都合上仕方のないことではあるが、

だからこそ、
後半、 
黒のイヴニングで登場した時は息を呑む美しさでした。
決して垢抜けた人ではありません。
だから、彼女の出演作品で思い浮かぶ姿はドレス姿なのです。

もちろん、この作品での彼女は迫真の演技で素晴らしかったです。
スターグレースとしてではなく女優グレースならこの作品を
推薦します。

今夜紹介する作品は
ドレッシーな彼女の魅力を
たっぷりと味わえる作品は??と
いうことで悩みました。

≪上流社会≫にしようか≪白鳥≫にしようかと・
≪上流社会≫はビング.クロスビー、
フランク.シナトラ、デヴィッド.ニーヴンといった
男優との共演です。

ただ、オードリーのローマの休日のアン王女と
ちょっとだけ比較してみたくて、
≪白鳥≫を選ぶ事にしました。

王子様のお妃候補としてのお姫様役のグレース.ケリーに
焦点をあててみようと思います。

まずは、彼女の経歴から。

1928年ペンシルバニア州生まれ。
父はアイルランド系の建築家。
母はモデル上がり。
兄はピューリッツア賞受賞の劇作家だったということである。

ダンス.ピアノ、声楽と幼い頃より、
上流家庭のたしなみ、教育を受けていた。

18歳の時に父の反対を押し切って演劇学校に入る。

1951年、22歳で映画デビュー。
1952年、
ゲーリー.クーパーの≪真昼の決闘≫の相手役に抜擢される。
クープが、二度目のアカデミー主演男優賞をとった
この≪真昼の決闘≫では
クープの若い妻の役で、クーープの魅力もさることながら、
突然現れたこの飛び切りのエレガントな美人に
観客は心奪われたと言う。

52歳という中年の渋さの加わった魅力的なクープの
若い人妻は
勝気でありながら健気で
とても新人とは思えない存在感を感じました。

1955年、
カンヌ映画祭でモナコ公国のレーニエ国王と知り合う。

デビューから結婚引退まで、出演した作品は11本。

主たる作品はわずか8.9本。
そのいずれもが観客の心に残る作品ばかりである。

現実に王妃となるグレースへの最後の贈り物が
映画のなかでも王妃となる1955年作品、
   ≪白鳥≫なのである。

名門の父、芸術家の叔父。
苦労もなく、ハリウッドに入り、作品には恵まれ、
さっさとモナコ王妃となって引退していった。
鮮やか、さわやか、たいしたラッキーガールである。

上品で気高く、格調高く、といった女優さんは
他にもたくさんいる中で
何が他の女優と違うかを考えてみた。

他のそういった女優さんたちは
年の離れた男優と並んでも
さほどインパクトがない。

彼女の共演した男優は総て年の離れた人たちなのである。

ところがオードリーもそうですよね。
どこが違う???

そう、オードリーの雰囲気と言うのは
どこかパリの匂いがする女の子なんですね。

グレースは典型的なアメリカ上流社会の匂いなんですよ。


アメリカの好景気の時代の
いわば上流家庭のお姫様の雰囲気なんですね。

だから、しつけの良いお姫様の
わがままや高慢さがとてもよく似合うのですね。

同じ高慢さでもヴイヴイアンリーが
醸し出す計算高さはありません。

育ちのよさは
わがままが、わがままである事すら知っちゃあいませんもの。

そういったアメリカのお姫様を
モナコへ送り出すための
送別のプレゼントが≪上流社会≫であり、
≪白鳥≫という作品であると思いますね.

ストーリー

出演
アレキサンドラ姫・・・・・グレース.ケリー
アルバート王子・・・・・・・アレック.ギネス
アギー先生・・・・・・・  ルイ.ジュールダン
母ベアトリクス・・・・・・ アグネス.ムーアヘッド
執事・・・・・・・・・・  レオ.G.キャロル

眼前にキレイな湖が広がる大きなお城に
焼きたてのパンを運んでくる馬車が通る。

パンの入った大きなバスケットは
厨房の横の四角い入り口から放りこまれる。
床に落ちたパンを白衣の胸でこすりながら銀食器に何個か盛る。

白い手袋をはめた手が銀食器を一式お盆に乗せ執事が母、ベアトリクスの部屋へ運ぶ。

朝食は各々の部屋で取るようだ。
電報も届けられた。

アルバート王子が城を訪問すると言う知らせであった。
王子からの電報には4日間貴城を訪問。ゲスト不要。
出迎えも不要とあった。

ベアトリクスはすぐに
執事に使用人を集めるように伝え、
姉シンプローザの部屋へと走った。

兼ねてより、娘アレキサンドラを
アルバートの妃にと狙っているベアトリクスであった。

シンプローザは山羊のような顔をした女性だった。

”この二年でアルバートはヨーロッパ中の女たちを
   見てきたはずだわ・”
   リスボンの女は背が高すぎるし、
   あの娘に幸運が来るのは分っていたわ。”と二人は
     落ち着かない。

さあ準備が大変だ。

早速、彼女の弟のシーザーに知らせた。

シーザーも一応殿下ではあるが
今は教父様となっている。

姫の弟たちの家庭教師をしているアギー先生は
姫にほのかな慕情を抱いている。

報われるはずのない恋だが、彼女に恋をしていた。

男の子達は利発で
アルバート王子がねえさまに逢いに来る事を知っている。

庭師にはバラ園のバラは明後日まで咲き誇るのを待たせて頂戴!。

掃除係りには、床磨きを徹底的に

料理長には4日間の献立を作れと

マナーの点検を行い、準備は大忙し。

その上、娘アレキサンドラに因果を含めねばならない。

母は忙しい。

アルバートはヨーロッパ中の女性を
振ってお前にプロポーズに来るんだと。

世間も知らない、おまけに男性とのしゃべり方も知らない
アレキサンドラ姫は
母の言う通りに従わねばならないが自信がない・
母はアレキサンドラが王妃となることだけを夢見てきた女性である。

姫はアギー先生とフェンシングの練習。

姫は全て白を基調にしたコスチュームであります。

ぼっちゃまたち弟は姉さまを冷やかす。

弟シーザーがやってきた・

母は涙を流して、
娘を王妃にするためなら死んでも良いから
何とか協力してと語った。

夜は天体の観察をアギー先生と弟たちと。。。。

観ていたシーザー叔父はアギー先生の熱いまなざしに気付く。

アルバート王子は専用列車でやってきた。
騎馬隊のお出迎えである。

一夜明けて・・・・・
何時になっても王子様は起きてこない。

はなからテンポが狂わせられた母はショック。

結局家族は朝食を取らず仕舞い。

王子はちゃっかり部屋で取ったと言う。

その上、姫にも興味を示さない。

アギー先生を訪ね、子供達のお勉強に興味を示す。

さて、夜が来ました・

バルコニーで姫と王子は二人きりになりますが

姫はコチコチ。どうもかみ合わない。

姫の手を握ろうとアルバートが手を重ねようと
手を差し出すと、姫はピクッとして手を引っ込めて拒んだ。

王子は退屈な空気に早く休むと退去した。

母は娘の落胆振りに。。。別に王子に恋したわけでもないが
無視されてしまった事に自信を失ってしまう。

母は一日14時間の予定表を作る。

まず、朝は鼓笛隊に庭から王子の国の国歌を演奏。

王子は朝食を一緒に。。と起きてきた。

母は名案を思いついた。

今夜の晩餐会にアギー先生を誘いなさいと
アレキサンドラに言い渡す。

アギー先生と仲良くして王子に嫉妬心を起こさせようと
いうもの。

しかし、嫉妬心どころか、王子は姫をダンスにも誘うことなく、

楽団のベースに興味を持ち、自ら演奏。

母のもくろみも失敗。

ところが、アギー先生はアレキサンドラと踊り、
アレキサンドラが自分を誘った事で
自分に少しは愛を感じてくれていると勘違いを
した。
姫はアギー先生をピエロにした事に
自責の念にかられ、真実を告白。

傷ついたアギー先生に
姫は心から謝る。が、
それがいつしかアギー先生への
愛と変ってゆく。
しかし、それも錯覚である。

恋や愛を知らないアレキサンドラの同情に過ぎない。

ここで王子の登場。

彼はずっと真実を見極めようと見つめていたのだった。

本当は姫に一目ぼれしていたのに
わざと、他の女性とダンスをしたり、
気のないそぶりをしていたのだ。

アギー先生と王子は向かい合う。

王子はお互いの立場から物事を見ているが、
アギー先生は
姫への愛だけしか頭にない。

シーザー叔父はアギー先生を呼んで諭す。

身分の違いや姫の一番の幸せを言って聞かせる。

アギーは涙を呑んで姫の許から身を引く決心をするのである。

失恋したと思ったアレキサンドラ姫は
何故アギー先生が心変わりしたかを
理解できなく死にたい気分だ。

アギー先生は去った。

バルコニーに姫を誘った王子は彼女に言う。

”湖水の白鳥は陸に上がれば
    ただのこっけいな鳥になってしまう。”と。

姫は、笑い泣きしながら  
    ”ガチョウね?”と言った。

  ”そうだ、白鳥はお城でみんなに守られて
    優雅に暮らすのが一番合っているのだ”と・
    ”君は白鳥なのだよ。額を上げ、
人々の視線を涼しげに受け流す。。。歌は歌わない。。”

”中へ連れて行って”という姫の言葉に王子は恐る恐る
手を重ねようとすると姫は素直に応じた。
手をとりあって、サロンへと行くのでした。。。

アン王女は一夜町に出かけたことで
白鳥は湖に帰るのが当然だと言う事を
自分自身で学んだのですよね。

まさにグレース.ケリーは白鳥そのものですね。

優雅でちょっとわがままで、でも、
母の言う事にはお利巧に耳を傾け
謝る事にもなんのてらいもない。
本当の姫君なのですね。

優雅で、ちょっぴり喜劇で会話も面白い作品です。

チャールス.ビダースと言う監督も
こんな作品を作るのですねえ。

アグネス.ムーアヘッドの母親、往年の名女優です。

モナコへ嫁ぐまでのグレースの
在りし日の日常とも思えて楽しい作品です。

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2.エヴァ・ガードナー  ≪日はまた昇る≫

今夜はエヴァ.ガードナーの登場です。

先日のジェニファー.ジョーンズの作品で≪慕情≫を取上げましたが、
≪武器よさらば≫を選ぼうかと迷ったと書きました。

今日紹介する作品は同じアーネスト・へミングウエイ原作の
≪日はまた昇る≫を取上げます。

タイロン.パワーとエヴァ.ガードナー主演の作品です。

≪武器よさらば≫もこの≪日はまた昇る≫と
密接な関係がありますので、
映画と共にヘミングウェイのことにも少し、触れながら
進めてみたいと思います。

へミングウエイの処女作は≪日はまた昇る≫です。
彼は1899年生まれですので
ちょうどガルボやデートリッヒと同じ世代と言う事になりますね。
そうすると彼の作品も第一次大戦とスペイン内乱、
第二次大戦が舞台となってくるわけです。

≪日はまた昇る≫、≪武器よさらば≫、≪キリマンジャロの雪≫、
≪誰が為に鐘は鳴る≫という順で書かれていますので

その背景も≪日はまた≫、≪武器よさらば≫は
第一次大戦が舞台となりますが、
≪武器よさらば≫は
彼が19歳の時のイタリア軍付の赤十字要員として欧州戦線へ赴いた時の
経験が元になっている。1929年作品発表。

先に発表された≪日はまた昇る≫は1925年、25歳の時に
パリで本格的に執筆活動を始めようとしてスペインに旅行し、闘牛見物を
したときの経験を元に書かれ、1926年に発表されている。

登場するヒロインがそれぞれの作品で違うのは
彼が従軍した地で知り合ったいろんなタイプの女性を
モデルとしていると言う事になるのだろう。

主人公はヘミングウエィ自身が
いずれの作品にもモデルとなっていると思う。

≪武器よさらば≫で、ロック.ハドソン扮するイタリア軍付きの
アメリカ人衛生兵もそうであるし、
≪日はまた昇る≫の主人公アメリカ人の
ロストゼネレーション世代の記者タイロン.パワーも
ヘミングウエィ自身であると思われる。

≪武器よさらば≫はこの衛生兵の中尉と
ボランテイァの看護婦の愛の物語と
部隊の行動が
縦横に組み立てられたものであるが、

≪日はまた昇る≫は
ロストゼネレーション世代の虚無感や戦況下における、或いは
第一次大戦と大二次大戦間の
落ち着かない世相、状況下でのやりばのない物書きたちの
生態を描いている。
愛にものめりこめない、求めるものが何かわからないといったなかでの
ひとりの女性を挟んで4人の
もの書き達は悩み、馬鹿騒ぎをし、
いつか見つかるさ!というリアリズムを打ち出した作品である。

映画が成功したかどうかは分らないが、1957年に作られた両作品は
時代を反映したものであると言えよう。

≪武器よさらば≫の方は
戦前にゲーリー.クーパーとヘレン.へイズによって
≪戦場よさらば≫という題名で
作品化されていて、作品的にはこちらの方が優秀である。

資料によるとへミングウエイのスペイン内乱への活動振りは
ものすごく積極的なものがあり、
内乱に対して
このころ多くの知識人たちが政治思想によって
参加したものとは根本的に違うようで
もっと個人的なつながりがあったようです。

愛するスペインの風土や
民衆に対する暴力への怒りなど、
様々なものが要因にあるようです。

それが≪誰が為に鐘は鳴る≫と言う作品となっています。

≪死≫というものにいつも対面していた彼は
闘牛と言う残酷な闘技に心惹かれ
≪日はまた昇る≫でもかなりの時間を割いて闘牛シーンを書いています。
へミングウエイは死というものにこだわり、
闘牛の中に見出す死を特別視したようです。

映画においても同じくかなりの時間を割いていますが、
一見闘牛士の格調高いともいえるこのシーンで
ヒロインが闘牛士のなかに
生きる真実を見出そうと心惹かれるものとして
重要であるとさえ思いました。

今夜は≪日はまた昇る≫、≪キリマンジャロの雪≫のヘミングウエイ作品に
出演している★エヴァ.ガードナーに焦点をあてます。

彼女については≪裸足の伯爵夫人≫のときに少し、触れているので
重なる部分もあると思いますがご容赦ください。

エヴァの経歴から。

1922年、ノース.カロライナ州生まれ。

小作農の娘として生まれ、全米を襲った不景気の中で父を失い、
ニューヨークの姉の下に身を寄せて、写真モデルをしていて、
MGMに見出されると同時に当時すでに人気俳優だったミッキー.ルーニーと結婚。
これもルーニーを踏み台にして人気女優への早道を掴む彼女のしたたかさが
すでに表れている。

その後、ハワード.ヒューズという米財界の大物にプロポーズをされるが
それを袖にしてフランク.シナトラと結婚する。

わたしは彼女の作品、≪モガンボ≫のような女性が好きなのであるが、
私生活ははなはだスキャンダルの多い、身勝手な女性だったようですが、
ハリウッドにおいてはそれもまた、話題としてはおもしろく真偽の程は定かではない・

もともとセクシー女優というかヴアンプ女優であったが、文芸作品に登場するようになって
押しも押されぬ演技派女優となった。

現実においても、
こういった男好きのするタイプを牛耳る男性が近来少なく、
どうも清純なタイプを好む男性が多いばかり・

クラーク.ゲイブルなどの太っ腹で野性味のある男性が少なくなったのは
現実でも同じ。。淋しいですね。

大作りで貫禄があって、問題も多いが意外と女性らしい
その神秘を探ってみたいと言うような大きな男が少なくなりましたね。

≪日はまた昇る≫は。。。。

アメリカの新聞記者ジョーク(タイロン.パワー)は
第一次戦線で負傷し性的不能者となってしまった。

無論、これは誰も知らない。

戦後、パリに身を置いていて、
彼は戦地で彼の看護をしてくれた特殊看護婦だった女性
ブレッド(エヴァ.ガードナー)に再会した。

彼女はあの後、
イギリスの貴族と結婚したが戦死され、今はこのパリで
何かを求めて毎日、満たされぬ日々を送っていた。

彼女の周りにはいろんな取り巻きがいてちやほやされ、今は
パリの公爵と言われる人物と付き合っていた。

ジョークはスペインに向かった。

毎年、スペインの祭礼週間には必ず訪れていたのだ。

ジョークのもとに友人の物書きたちが集まってきた。
ロバート(メル.ファーラー)、トム(エディ.アルバート)など。

ブレッドもスペインにマーク(エロル.フリン)と一緒に闘牛見物にやってきた。


ロバートはジョークとブレッドの久しぶりの再会に同席していて
美しいこの女性に心奪われた。


ブレッドはずっとジョークを愛していたが、愛を打ち明けてくれないジョークに
いろんな男たちと付き合ってきた。
.しかし、どうしてもジョークを忘れられない。

ジョークはいくらブレッドを愛しても
自分の身体の欠陥を思うと、彼女の愛に応えられないのだった。

だから、彼はいつも彼女の保護者のように彼女のしでかした事の後始末や、
相談相手になってやることだけであった。

ロバートはマークの存在がありながらも彼女に積極的に近づいた。、
そして、
彼女はロバートと旅行に出かけた。

かと思えば、
マークと結婚すると言い出したりと彼らは翻弄された・

ロバートは愛されなくてもあきらめられずに悩み彼女の後をついて周り
彼女に疎んじられだした。

マークにも、粗暴で繊細さに欠ける性格に彼女は嫌気がさした。

スペインの祭礼週間を楽しく過ごそうと彼ら4人はいつも集まった。

が、いつもブレッドの問題が彼らを争わせた。

楽しみにしていた闘牛ではブレッドが闘牛のスターの若い男の子に
また、心を奪われたのを知るジョークはあきれ果てた。

ロバートは逆上したが、マークはもう、悟った。

そしてブレッドはその若い男と姿を消した。

馬鹿騒ぎをした祭りも終わり、
マークはニースで休暇を取ると言う。

ジョークはベニスで休暇を取る事にした。

ベニスのジョークにブレッドから電報が届いた。
すぐに来てくれ!!と。

放っては置けずに、ジョークは再度マドリッドに向かった。

若い男はブレッドに結婚を申し込んだが、
あたら若い男の子の一生を台無しにしたくない。
ここを離れたいとブレッドはジョークに泣きついた。

これはひと時の恋だったと。

”何をしても何処にいてもジョーク!あなたの事がどうしても
忘れられないわ。連れて行って”
   というものだった。

ジョークはブレッドを連れて行くことにした。

いつか求めているものが見つかるさ!

ひとつの世代が終わり、またひとつの世代が始まる。
日は沈んで、また昇るさ・・・・・

★戦中下、戦後下、そしてまた次の戦争が始まるかもしれない不安な状況下で
何をしようにもどうにもならない虚無感。
ぶつける対象もなく生きている彼らの生態を
描いた作品です。

映画はエヴアとタイロンの存在を堪能すれば良いのです。

バックのこういった状況さえ把握していれば・

彼らの生態は今の世代の何をやってよいか夢がつかめないと言う世代にも
共通したものが感じられますね。

エヴァにはうってつけの役どころです。

しかし、≪裸足の伯爵夫人≫や≪モガンボ≫の彼女の方が
もっともっと素敵ですよ。
ページ一覧にありますので
ご覧になってくださいね。

≪誰が為に鐘は鳴る≫もいずれ紹介します。





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