旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

マルクス三兄弟

マルクス三兄弟

チコ、ハーボ、グルーチョ、ゼッポ、ガモンの五人兄弟。
そのうちの上から３人目までが映画界で成功した。
その３人のトリオとは、
私の大、大好きなマルクス３兄弟である。

皆さんはチャップリンに人気が傾いているようですが、
バカバカしくて、ハチャメチャでありながら芸術家の面も
群を抜いているこの３人のドタバタ喜劇が私は大好きです．

時々見て、そして何回見ても大声で笑ってしまう。
喜劇など見てもあまり笑わない母までが
笑ってしまうそんな映画です．

もちろん風刺もあります。ミュージカル的でもあります、
昔の浅草の喜劇の原型のような．．．
チャップリンのように理屈はありません。

口ひげをスミで書き、腰を前かがみに大股に
歩き回るーーーーーグルーチョ。

ぎょろ目で右手だけのピアノの早弾きが抜群に巧い（両手も
巧いのですが）ーーーーチコ

とうもろこしのような縮れっ毛で笑いも喋りもしないで
天下一品のハーブを奏でるーーーーーハーボ

この３人のドタバタ喜劇は最高に面白い。
これを見て単純にバカバカシイとのたまう方は
なにか大きな悩みのアル方か
喜劇と風刺とユーモアと音楽性とばかばかしさの渾然一体の
妙味の理解がお出来にならない方だと思います。

全作品１３本の中で得に面白いのが”我輩はかもである”と
”オペラは踊る”である．
ナンセンスとギャグの息もつかせぬほどの連続シーンである．
そう、ギャグとジョークとボードビル芸の”洪水”なのだ。

休むまもなく笑っている内に戦争が勃発し、すると突然
ミュージカル風に画面が動き、戦争が始まった原因たるや実に
くだらないということで、そこに皮肉や風刺がアル．

半世紀以上も前にこんなバカバカシイが笑いを先取りした役者が
いたことがとっても嬉しくなる。
”チャップリンの独裁者”より７年も前に、ヒトラーの独裁と
第２次世界大戦を暗示した、その内容の先見性に驚かせられる
”我輩はカモである”

”オペラは踊る”であったと思うが忘れられない１シーンがアル．
ニューヨーク行きの客船に密航する３人．

３等の客室にもぐり込みを失敗したグルーチョは
大きなトランクをメイドに運ばせるが態度はいつもながらでかい・
自分の立場をいつもどんな時でも勘違いしているずうずうしいと
いう言葉以上の大物だ。

トランクの中にはハーボとチコが納まっていて
通された部屋は一坪くらいの広さの道具置き場．

オモムロニ２人は出て、くつろごうとするが、ノックが．．
ドアを開けると食事の注文を．．．
食べたい物を全て注文！
するとまた、ノックが．．．
美人のマヌカンが来て、マニュキアをという．
もちろん拒否はしない。
４人になると部屋が狭いですよね。
すると、またノック．．．
掃除をするとデブの女性がのっしと入ってくる。
次ぎのノック
ドアの修理をするという。
次ぎーー次ぎーーー最後は二十人位になる。
バカバカシイがおかしいのだ。
当然最後、ドアは廊下側へ倒れるという．．．．

こういうばかばかしいお笑いがなんと
１９３５年度の作品なのです．
我が．．カモ．．は、１９３３年度であるが、
この人たちの映画を見るだけで博識になれそうというくらい
いっぱいつまったばかばかしいが教養に満ち溢れた映画です。

なんとか機会があれば是非是非見ておなかの底から
笑ってください。

母からお隣に聞こえてみっともないから小さい声で笑うように
いわれるのですが我慢できないの！
ワッハッハと笑う。
気持ちが良いし、ハーボが笑いの中でちょっと真面目に
奏でるハープが素晴らしい演奏ですし．
チコのピアノは魔法のピアノを見ている（聴くではなく）
ような魔術師の手です。

ぜひご覧頂きたい作品です．！！！

※　　この映画は食い入るように字幕スーパーを見ること。
巻き戻しも必要です。
何がなんだかわからなくなってもう一度見て
ギャクのおかしさを掴まねばなりません！ウフッ！

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