旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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S.ルメット監督の ≪女優志願≫



1954年に≪ピクニック≫でキム.ノヴアクの
眼鏡を掛けた生意気な妹を演じた、
スーザン.ストラバーグ・

そして≪十ニ人の怒れる男≫ヘンリー.フオンダ
そして、≪サウンド.オブ.ミュージック≫でトラップ大佐を
演じたクリストフアー.プラマー、

いずれもわたしの大好きな俳優さんたち、
その3人が共演という私にとってはよだれの出る
キャステイング.

しかも監督は≪十二人の怒れる男≫のシドニー.ルメットである.
この作品を作る前の年の傑作である。

   ≪女優志願≫

1958年の作品であるから、
もちろん大人になって名画座でリバイバル上映で鑑賞した。

多分、サウンド.オブ.ミュージック鑑賞の後、
クリフトフアーを知ってからであろう。

だが、それだけではなく、見終わった後の満足感は
充分であった。

スーザン.ストラバーグはピクニック以来
わずか3年の間に、知的な感じはそのままに
女性としてすっかり魅力的に成長していた。
ルメットはこれも舞台劇独特の緻密な監修で
おとなの恋を繊細ニ描き、ストラバーグを通じて
舞台に生きようとする人間のひたむきな心を謳いあげた。

ストーリー

バーモントの田舎から出てきたエバ(スーザン)は
ブロードウエーの舞台に立ちたい一心から
演劇プロデューサーのルイス(フオンダ)の事務所を訪れた。

ルイスは田舎娘に冷淡だったが、劇作家のジョー(プラマー)は
彼女に小さな役を世話した。

その舞台は好評で、初日の夜、ルイスの家で開かれたパーテイーで
エバはシャンペンに酔い、みなの前で
”ロミオとジュリエット”の1節を演じ注目を浴びる。

ジョーはエバに魅かれた.
ルイスもこの田舎娘の意外な才能に魅かれ、エバを抱いてしまった。

やがてルイスは厳しいこの演劇の世界にこの娘を
放つのはやるせなくジョーに金を渡して
エバを故郷に帰してやってくれと頼む。

エバを愛してしまったジョーは失恋の痛手から、
新作に取り組み熱中した。

その主役にエバを充てたのは他ならぬルイスであった.

舞台は大成功を収め、ジョーとエバは永遠の愛を誓った。

≪イブ゙の総て≫で演劇界の裏側や頂点にのし上がる為に
汚い手を使ってのし上がっていくヒロインのすさまじさと比べて
こちらの同じような田舎娘は、
本当にただお芝居が好き、芝居をやりたい!という願望だけだ.

そして本当にお芝居を愛しているという
そのヒロインの熱情が伝わってくるスーザンの熱演が光り、
彼女の代表作ともなった。

広いおでこは聡明さを表わし、そのセリフは本人そのものが
演技をしっかりとした証しの素晴らしい発声である。

こういう聡明という言葉がぴったりのタイプの女性が
日本でも昔はいたが
最近めっきり見なくなった.
クリストフアー.プラマーはトラップ大佐の硬派の役も
素敵だったけど、
この映画のソフトムードも素敵です。

地味であるが見終わった後の充実度満点のこの作品。
機会があれば是非ご覧あれ!

制作  米  1958年度
監督  シドニー.ルメット
出演  スーザン.ストラバーグ/ヘンリー.フオンダ
    クリストフアー.プラマー





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