波のマニマニ

波のマニマニ

化学治療 4クール (2) 



抗癌剤にすっかり慣れた波次は、治療がはじまり、クリーンルームになっても、元気にしてた。が、骨髄はかなりやられているようで、白血球も今までになく上がってこなかった。
血小板も2,9まで下がり輸血した。

次の日、輸血のおかげで血小板は9、1に上がった。

その翌日、H先生は用事で病院に来ていなくて、Y先生が病棟の仕事をしていた。
病室にきたY先生は「昨日、血小板9,1あったから、今日は採血はなしね。」と言った。

血小板が下がると、出血しやすく、血も止まりにくくなる。だから、どこかにぶつけたりしなくても、勝手にあお痣ができる。

波次がお昼寝から起きてきて、足を見ると、たくさんのあお痣ができていた。寝てる時、あばれてたわけでもないのに・・・
太股に皮下出血をしているとこもあったので、看護婦さんを呼んで見てもらい、Y先生にも言っておいてくれるようたのんだ。
夕方、顔を出したY先生は、「輸血してもまだ値が低いから、あお痣もできる。心配いらない。」と言ったので、あっ、そうかと安心した。

その夜は、波夫も病院に来てくれたので、波次はハイテンションになり騒いでいた。
そこへ、用事を済ませたH先生がやってきて、「今日、採血した?」と聞いたので、「今日はY先生、しなくていいって」と答えた。
そして、「昨日、CRP上がってたから、採血しとくわ。」と採血していった。

就寝後、波次を寝かしつけてると、H先生がやってきて、「血小板が1,3まで落ちてるから、これから輸血するわ。」と言った。
血小板が1を切ると、はしゃいだだけで、頭の血管が切れてしまうらしい・・・
え~~~!!!
H先生が波次の体を調べると、太股以外にほ、血管が切れて、皮下出血をおこしているとこがあった。CRPも昨日より上がっていた。

そこから、輸血や抗生剤の追加やらで、明け方やっと処置が終わった。

次の朝、Y先生がドアをあけて、「昨日は大変だったんだってね。」って。

それだけかい~~~、あんたが採血めんどくさがったばっかりに、もう少しで大変なことになっててんで~~~!!!
と思ったが、口には出さなかった・・・




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