七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

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太吉、やっと矛盾に気づく その1



なんとか学校に行っていた太吉ですが、

なかなか現状を打破することができませんでした。


そこで、ついに私に、愚痴を言うだけでは済まなくなって

きたのでしょう。


ある日、


「もう、どうしたらええか、わからへんわ。

休み時間がつらすぎる~!

このまま、ずぅっと一人やったらどうしよう。

なぁ、どうしたらいいと思う?」


と、相談を持ちかけてきたのです。


そこで、私は、これまで太吉の話を聞いてきて、

気づいていた矛盾点について話をすることにしました。


「太吉は、クラスの友達に、話しかけられても、

『うん』とか『ああ』とかぐらいしか、返事せえへんねんやろ?」


「うん。だから、僕はきっとクラスの子には、暗いと思われてるわ。

前も、同じ小学校やった子に、『太吉、最近暗くなったらしいやん』

って、言われたことあるもん。」


「でも、わざと目立たないようにしてるんやから、

そう思われてるって事は、太吉の思惑通りに目立ってない

証拠やんか。」


「まあな。だって、目立ってワルに絡まれるのほんまにいややし。」


「じゃあ、目立たない作戦は、成功してるわけや。

でも、目立たないってことは、友達できやすいと思うか?」


「ううん。でも、今さら、急に明るくしゃべるのもなんか変やんか。

どうしたらええんか、今はようわからへんねん。」


「なるほどね。

でも、わざと目立たないようにしてるってことは、

人に気づかれないように、自分の気配を消そうと、

努力してるわけやろ。」


「・・・そういうことになるなぁ。」


「それで、クラスで、友達が作れると、ほんまに思うか?

気配消してるのに、友達に気づいてもらえるわけがないやろ。」


「あ・・・。」


<つづく>


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