子供らしい金銭感覚を持つ その5
「お母さん、カード買いに行きたいから、行ってきてもいい？」
夏休みの終わりに、三吉が言いました。
この時、二人の兄は出かけていて、家には三吉一人でした。
「いいけど、一人で行くの？」
「うん。大丈夫やって。」
そう言っては、時々とんちんかんな事をしでかす三吉です。
ほんまかいなと思いながらも、止める理由がないので、私は許可しました。
三吉は、嬉しそうに自転車に乗って、「古本市場」へ出かけて行きました。
そこは、カードやゲームソフト、音楽ＣＤなどを売っているお店です。
兄たちに何度も連れて行ってもらったので、まぁ特に心配はないと
思っていました。
ところが、３０分ほどして、帰ってきた三吉に、なにげなく
「（お金）いくら使ってきたの？」と聞くと、
「う～ん・・・、１６００円かな。」
「え～～っ！それって多すぎない！？」
あわてて買ったものを見ると、
１５０円のカードセット３点とガシャポン1個。
合計550円也。
「三吉～、あんた550円のものやのに、１６００円も払ってきたの？」
「え？だってはじめに１５０円のカード1つ買うのに、
１０００円出して、それからもう１回１５０円のカード2つ買うのに
５００円出して、最後にガシャポン100円でしたから1600円やろ。」
「・・・それって、おつり全部抜けてるやん・・・。」
「あぅ、そうか～。お札やら５００円玉やらいっぱい出したから
おつり引き算すんの忘れてた～。」
「あのな～・・・」
＜つづく＞
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