七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

太吉、社会悪が納得できず



それでも、時々行くのがいやになることがありました。

それは、よくある話なんですが、本人にとってはかなり心のアンテナにひっかかる事だったようなのです。

「おかあさん、なんでTくんは、黙って勝手にお友達が遊んでいる積み木を取っていくんやろ?」

「いやや言うてはるのに、『僕が使いたいんやから、ええやんか』って持って行ってしまうねん。それってあかん事やろ?」

確かにいますよね、そう言う子。

でも、こればっかりは、家にいるおかあさんにはどうしようもなく、

「先生はどうしてはるの?」と聞くと、

「その時に居てないときもあるし、いてても取るとこ見てない時もある。そしたら、先生は、『じゃんけん』させて、勝った方の子が遊べることにしはんねん。

でも、取った子が勝って持っていくのおかしいやんか。なんで『じゃんけん』やねん!」

う~ん、確かにおかしいけど、先生も取るところを見てない限りは、どちらも自分が遊んでたと言い張れば、しょうがないことでしょうねぇ。

こういうことは、おそらく、毎日毎日繰り返し起こる事だと思うのです。

こんないわゆる、社会悪の縮図のようなことは、幼稚園では日常茶飯事で、親からみたらそういうこともあるんだよ、とは太吉に言うわけにも行かず、当時の私は困ってしまいました。

おうちに居るときは、過保護な私がいたので、そういうもめ事が起きると、細かいことは覚えていませんが、きっと双方の話を聞いて、うまく譲ったり譲らせたりをさせていたのだと思います。

今の私なら、そういうもめ事が目の前で起こっても、黙って子供同士で解決するまで見守るのですが、その頃の私は、うまく介入してもめ事を収めていたのだと思います。

だから、たくさんのお友達と遊んだ経験があっても、太吉はそれをよくある事だと、うまく受け流すことができなかったのです。

太吉には、先生のやり方が納得できず、さりとて自分がうまく仲裁に入ることもできず、

「なんでそんなあかんことがまかり通るんや~!」と、悩んでいました。

人がされていても、そんな風に思うのですから、自分がやられた日には、もう大変です。

「いやや言うても、持って行かれたから、先生に言うたら、『ほかの物で遊んだら』って言われた。僕もブロックで遊びたかったのに・・・。」

「先に取ったのは、Tくんやって言うてるのに、先生、『じゃんけん』させはる。やったら僕負けたから、積み木持っていかれてしもた・・・。」

こんなことが度重なると、

「幼稚園行くのいややなぁ・・・おうちにおったらあかんのぉ・・」

朝ご飯食べながら、ぶつぶつ愚痴をこぼしていました。

あの頃は、それが始まると辛かったですが、なんとか通い続けました。

だって、一度始めたものは、決して途中でリタイアさせるわけにはいきません。

そんなことをしたら、いやだったらやめてもいいという事になってしまいますからね。

<つづく>



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