七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

幼稚園時代はどうでしょう 次男編



小さい時から、そんな兄と、自分より大きいその友達の中で、仲良く遊び、時には泣いて泣かされ、いつでも一緒に過ごしてきた彼は、太吉と違って、子供同士の理不尽なやりとりや経験をしっかり積んできていたのだと思います。

そんな彼の幼稚園時代は、兄とは対照的に安定したものでした。

なんせ兄の太吉が小学校に行くほうが何かと心配だったし、三男の三吉もまだ赤ちゃんでしたから、母の思いとしては、

「おまえだけは、心配をかけないでくれ~~~」

と、心の中で祈っていたのがバレバレだったのかもしれません。

とにかく、仁吉は、あまり余計なことは言わず、周りの空気を読むのがとても上手でしたから、母に心配をかけないように、気遣っていてくれていたと思います。

私はと言えば、幼稚園も長男が3年間通っていたので、親としては勝手知ったるつもりで、緊張感もありません。

行事で行く以外は、幼稚園におまかせです。

仁吉に、いちいち、「今日はどうやった?」なんてことも、こちらからは聞くこともあんまりしませんでした。

そうして、参観日にちょいと顔を出すと、知らないお母さんから、

「仁吉くんのおかあさんですよね。仁吉くんのことは、いつも子供から聞かされてるんですよ。仲良くしていただいて・・」

「おぎさんでしょう。うちの子が、いつも仁吉くんと遊びたがるので、今度またうちに来て下さいね」

てな具合に、やたら親しげに話しかけてこられるのです。

なぜ、私が知らない人が、私を知っているのだ?

「あ~ら、すぐわかりましたわ。仁吉くんとお母さん、そっくりですもの。それに三吉くんも。」

うぅ~、自分が思っているより、親子とは似た雰囲気を出しているのかもしれないと、この時ばかりは、へたに気取っていてもしょうがないと思いました。

しかし、仁吉は一体、幼稚園で何をして、お母様方に、やたら名前が知られているのでしょう?

じっと、教室を参観していると、だんだんわかってきました。

仁吉は、起立をしてスカートの裾がめくれた子にはそっと直してやり、給食の時にはエプロンのひもをつけてやり、帽子を落とした子には持って行ってやりと、それはそれはさりげない気配りをしていました。


幼稚園児の女の子には、かっこいいより、楽しく一緒に遊べる、しかも優しい男の子に、人気が上がります。

意地悪で乱暴な子は、男前でも、あまりモテません。


そう、私に声をかけてくれたのは、多くが女の子のお母さんだったのです。

どうやら、仁吉は家に帰った女の子が、母親に好きな男の子として、話題にしていたため、名前が知られていたのです。

男ばかり3兄弟の母としては、女の子のお母さんに面識があんまりないのは、当たり前。

仁吉が、家に呼んで遊ぶのは、やっぱり男の子が多いですからね。

びっくりはしましたが、仁吉は、男の子とも女の子ともうまく付き合い、太吉がひっかかったトラブルも、問題なく過ごしていたようで、一安心です。

しかも、幼稚園では、先生も女性ですから、やっぱりうまく気遣いしていたようで、仁吉は懇談に行っても、ベタほめです。

手がかからず、女の子に親切なのですから、先生の信頼も、いつの間にか、しっかり得ていたのでした。

仁吉の評価は、3年間ほとんど変わらず、彼はモテモテ(?)の幼稚園時代を過ごしたのでした。



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