七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

3兄弟の三男はどうなってるか



次なるサンプル、三吉は個性の違う二人の兄にもちろん影響を受けて育ち、見事にミックスされた性格を形成しています。

継続力は…あるのですが、現在彼は「注意力散漫」、いや「集中力欠如」と闘っています。


三吉は、生まれてから2才くらいまでは兄たちが抱っこするのに取り合いをするほど、可愛がられて育ちました。

たくさん声かけをしてもらい、遊んでもらって、静かな場所では落ち着かず、あえてにぎやかな人気のある所ほど、安心して昼寝ができるというほど、子供たちに囲まれている環境にいました。

ところが、赤ちゃん時代が過ぎ、言葉が出て、だんだんしゃべりが達者になると、三吉は負けん気が強くなり、兄たちに対等に扱ってもらえないことがとても悔しく感じるようになったのです。

でも、小さい頃の3才違いは大きいですから、一緒にできないことの方が多くて当たり前。なのに三吉はやりたいことを認めてもらえず、できないと決められることに、腹を立て、やってみてできないと、また悔しくて腹を立て、よくかんしゃくを起こし、それはそれは大きな声でよく泣きました。

家の中で自分が一番小さいのが、とても不満だったようです。

兄たちが大好きだからこそ、同じように対等になりたかったのでしょうが、三吉にできたのは、言葉を真似ることくらいでした。

そのまんま兄と同じ言い方をしますから、6才も上の兄の友達を、兄が言うように呼び捨てにし、「おまえ、生意気やなぁ」とよく言われていました。

でも本人はその意味がわかりませんから、全く平気。注意されても全然直りませんでした。

そのかわり、同じ年の子からは、はっきりものが言えるしっかり者で、小さい子のお世話や面倒見が抜群にいい人気者でした。

そう、彼は、「末っ子の弟」ではなく「おにいちゃん」になりたかったのです。

そんなお世話大好きな三吉でしたから、幼稚園は絶好調の3年間を過ごしました。

しっかり者の「お兄ちゃん」役をやらせてくれる幼いタイプのお友達は幼稚園にはいっぱいいたからです。

彼は自分の力を思う存分発揮し、先生にもほめられ、正義感が人一倍強い、お世話好きの優等生になりました。

ところが、問題は小学校に上がってから起こりました。

意外にも彼が幼稚園で培ってきた正義感もお世話好きも、学校ではあまり評価されなかったのです。

掃除をはりきって早めに取り組もうとすると、休み時間までやらなくていいと、逆に注意され、お友達が無駄口をしているのを注意すると、自分のことを先にしなさいと、またまた言われてしまいます。

そんなことが度重なり、ついにはだんだん彼のやる気は低下していきました。

そのうち、クラスの生徒で授業中わざとうろついて、ほかの子の勉強の邪魔をする子や、休み時間むやみにお友達に乱暴をする子が出てきました。

正義の味方の三吉としては、見過ごせません。が、先生は「ほっときなさい」。

きっと、相手のペースに巻き込まれないように、という意味だったのでしょうが、間違ってると思うのに、注意も何もできない状態になった三吉は、おかしくなっていきました。

<つづく>



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