七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

春休みが終わったら <その2>



3兄弟の中で、一番情緒の安定しているのが仁吉です。

喜怒哀楽の激しい兄と弟に挟まれて育ったせいか、自分の居場所を心得ているというか、強い自己主張は決してしません。

みんなが口々に言うのを見ていて、それが終わったらすっと私のところにきて、そっとお願いや話をしてくるタイプです。

場の空気を読むのがとてもうまく、笑いのツボを心得ていて、周りの雰囲気を和やかにしてくれます。

そんな仁吉ですから、失敗だらけの話に関しては、正直あまりネタがありません。

ドッヒャ~という失敗をそんなにしていないのです。

まあ、一人くらい、こんな子供がいてくれないと、母ちゃんも立つ瀬がありませんからね。

おそらく、仁吉は兄と弟のトラブルを見て、同じ土は踏まないように、それなりに学習していたのだと思います。

これが、次男の特徴かどうかはわかりませんが、兄弟の位置関係を考えると、社会性が一番発達しやすかったのかもしれない、と思います。


さて、仁吉の4年生時代は、三吉が、集中力がなくなって、ややこしくなっていくのと、時を同じくして、実は彼もあまり良い環境にいたわけではなかったのです。

仁吉のクラスはなんと、1学期ごとに担任が替わるという、前代未聞の事態が起こりました。

1学期の先生は病気で長期療養、2学期からの先生は引っ越しで転勤、3学期に3人目の先生を招く事になってしまいました。

しかも3人とも若い女の先生だったので、仁吉は「先生、困って僕を見はったから」と、選挙管理委員や代表委員を引き受けたり、何かと気配りをしていたようです。

でも、クラスはどんどん落ち着きがなくなり、授業妨害まがいのことをする子も増えてきました。

すると、2学期末の懇談前に、仁吉が、

「懇談に行ったら、先生に言ってほしいねん。授業中にうるさくする子がいるから、何とかするようにって。僕が注意したら、その子ら、『かっこつけやがって』とか言うし、先生も怒って、『あと、3回うるさくしたら、廊下に出すよ』って言うけど、ほんまに3回しても廊下に出さへんねん。うちやったら、約束破ったら、1回でほりだされるやろ。先生もみんなもおかしいわ!」

と、珍しく激怒したのです。

そこで、懇談の時に、彼の思いを伝えたのですが、結果はあまり事態を変えるには至らず、仁吉は、初めて、「学校行くのいやになったわ」を、連発するようになりました。

ところが、平行して三吉がおかしくなったので、仁吉は我慢して学校へ行き続け、結果1年間皆勤賞でした。

なんとか3学期に赴任してきた先生が、最後クラスを引き締めて終わらせてくれたのも助かった一因とは思いますが、後で長男が私に教えてくれました。

「仁吉な、時々夜、布団の中で泣いてたで。」

驚いて、私が仁吉に「ほんま?」と聞くと、

「うん。お母さんに心配かけたらあかんと思って、一人で泣いて発散しててん。」

悔しいことや、腹立つ事がいっぱいあったのでしょう。

でも、それを乗り越えたのだから、また一つ強く成長したと思います。


そこで、仁吉の今年度のテーマは、

「そのままで行こう!」

今のままで君はイケテルからいいんだよ。

ちゃんと応援しているからね。


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