2004/07/06
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☆監督・製作/ソフィア・コッポラ

☆Notes/2003年アメリカ
☆見た日/2004.7.2

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「人生の中に居場所がない」という漠然とした感覚をうまく描いていて、実に印象的だった。
「居場所がない感覚」を際立たせるための舞台として、無機質な東京の街は
すごくぴったりマッチしていて、この舞台がもしも

  ●パリだったら・・・出会った二人はガンガンにやりまくって、映画は「ダメージ」

  ●ロンドンだったら・・・出会った2人はもっと大人の恋を堪能して、主人公の男の人は
              英国首相になっていたに違いない
  ●ニューヨークだったら・・・出会った2人はこの後ドラッグ漬けになって銀行を襲うか、
                そうでなければ時速80キロ以下で走ると爆発する暴走バスに
                乗るハメになったに違いない
  ●フィンランドだったら・・・出会った2人はほとんど会話をせずにぎこちなく見詰め合う
                だけで、いずれレストランを開いたに違いない

という感じで、やはり、あの「ある意味人生の喪失感」「孤独感」を描くには、
東京じゃなきゃダメだったかも、と思えるほど、全体の構成が巧みだった。

扱っているテーマは「めぐりあう時間たち」と同じような感じなんだけど、
「ロスト・イン・トランスレーション」のほうがはるかに演出がラフで日常的。

ソフィア・コッポラはあの若さでこういう深遠なテーマをうまくさらっと料理していて、
その手腕には本当に感心させられた。

そして、スカーレット・ヨハンソンがなにしろ抜群!
「ビル・マーレイは素晴らしいだろう」というのは、もう見る前からほぼ確定で、
ポイントはスカーレット・ヨハンソンだと思ってたんだけど、

ホテルの一室で何もしていないのに、ただすっと涙を流してしまうシーンがあるんだけど、
あの若さで「喪失感」がどんなことなのかを、知ってるんじゃないかと思える雰囲気だった。

ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソンの淡々とした交流は、
なかなか切なくて感動的だよ。

長い人生の中の、わずか2~3日に起こった出会いと別れ。
年齢も立場もかけ離れた2人が、わずかな会話やしぐさ・表情から、
同じ匂いを感じて、深く理解しあうんだけど、その交流を適切に表現する単語は、
ちょっと見当たらない。「恋」とはすこし違うし「友情」と言ってしまうと
これもまた微妙に違う気がする。

ただ単に、
「お互いに、心の中を分かり合える、だからお互いの存在をとても大切なものに感じられる」
という関係。

誰かほかの人と「分かり合える」なんてことは、人生ではそもそも奇跡のような
ことだから、この2人の関係はとても美しくて、せつなく見えた。

この後、2人の人生の中で、お互いの存在はきっとまぼろしのように薄くなっていって
しまうと思うんだけど、最後に一瞬だけギュッと抱き合ったときのほのかな匂いだけが、
いつまでもお互いの記憶の中に残っていくんだろうなあ・・・、とか、
2人の人生はまた淡々と「居場所のない感じ」を引きずりながら続いていくんだろうなあ、
とか、めずらしくエンドロールの後の2人についていろいろ想像させられた。
それだけ余韻のある作品だった、と言っていいような気がする。

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オールシネマ・オンラインのレビュー観てると、この映画を
「ここがヘンだよ日本人!」
的に見てる人が多いのには驚いたなあ。
まあでも、ある意味「喪失感」とか「居場所のない感じ」を経験したことがないと、
この映画には感情移入しにくいかもしれない。
もしかしたら「中年の危機」を迎えてるおっさん向けの映画か?(笑)

マシューのことを「醜悪」と評する人が多いようだけど、
あれは映画の中の役割をしっかり演じてて、
「自分の周りはみんななぜか浮かれ騒いでいるのに」という孤独感を浮き彫りにする
ための演出だし、あれを「ひどい」とか「反吐が出る」とかいうのは
あまりに彼が気の毒(笑)

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ただし、この映画を、外国で観ると多少つらいんじゃないかなーという気がする(笑)
まわり全員外国の人、それで見てる日本人は自分だけ~、、、だと
ちょっといたたまれなくなる可能性アリ。
(そうじゃない?うどへびちゃん?)

わしは、見ている人が全員日本人、という安全圏にいたからリラックスして楽しめました(笑)





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Last updated  2012/04/11 04:12:28 AM
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