第17章ハニエルガンダム、出撃


「ありがとう・・・シェリル」
恥ずかしそうに頬を赤めながら、レンはシェリルに礼を言った。
「俺、マリカのこと・・・・、がんばるから」


「・・・・・・は?」
「アロイス、俺と帝国を動かさないか?」
「ゴットフリート、何を言っている」
「俺たちならば、世界は変えられる」


「アレン、それではクライン議長の失脚に協力してくれるのか」
「・・・ええ、いい加減お守りはあきましたので」
「・・・いつも情報を流してくれる君には感謝してるよ」


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「ルドルフ・・・・何故だ」
「―黙っていて、すまない。だが、情報開示は上から押さえられていて」
「それで両親を失脚させたのか?」
「俺には必要ないものだ、それに大切なものは力がないと守れないだろう?お前が学校で言ったことだ」


ラルクは慌てた。
「何なんだ、こいつは!!」
「コーディネーターめ、貴様らは俺が討つ!」



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セレスティア・・・嘘だ。
「きさまぁぁぁ!!」
「何故お前は俺の邪魔をする!!」
レンとアロイスの機体MSが激しくぶつかり合う。


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「ネオミネルバの・・・負けだ」


「シン・・・カインをMSに乗せるだと、本気か」
「アウル、カインの力が必要なんだ」


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コクピットの両方が開き、レンとアロイスはむかいあった。
「・・・悪魔の息子、レン・ナラ・アスタールだな」
「・・・帝国の銀の死神、アロイス・バルツァーか?」




9歳のレンは揺れていた。雪が降る中、ロシアの山の中でブルーコスモスと対峙していた。
お父さんが助けに来てくれる。デュランダルだって。きっと助けてくれる。
「こんなガキに、我が機動隊が・・・っ」
「よくも仲間を・・・っ」
レンの顔は血で染まっていた。
「あの悪魔の子息はリカルドとシャルルだけじゃなかったのか」
「知らないぞ、こんな小さい子供がいるなんて」
「上のミスだ」
心臓が揺れていた。
ナイフを一つ握り締めて、恐怖で体を震えさせていた。


「・・・・ジェイド、どうした?」
「ミスリルが、俺の姉さんを奪った・・・」
「・・・姉って、あのファントムペインか?」


「離しなさいよ、裏切り者!!」
「ルナ、何とかしてくれ!!」
「シェリル、落ち着いて頂戴」
「ザフトを裏切ったくせに!!」


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「ゴットフリート卿、その少女は一体」
「わからない、ザフトの人間のようにも思えないが」
「んー?」
ルカは布と縄で体を覆われながら、不思議そうにゴットフリートを見上げていた。漆黒の長い髪には幾何学的な紋様のバンダナがつけられていた。


アウルは頬を赤らめた。
「・・・なんですか?」
シェリルは不思議そうにアウルを見る。


「・・・私の息子に、レンなどはいません」
司令室で男達に連れてこられたレンは通信で確かに父親のゲイルハウトの声を聞いた。「貴様、何を言っている」
「息子を見捨てる気か」
「繰り返すが私に弱者のコーディネーターはいない。貴様らが捕まえたのは私の猟犬に過ぎない。ザフトはこの国に屈しない」
「お父さん、お父さん!!」

「上官が戻ってきていない?」
レンは管制室で信じられないことを聞いた。


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「バルツァーが負傷しているだと、すぐに迎えに」
「ゴットフリート、君が行かなくても、もう艦長が救助に向わせて」
「戦場で何が起こるのかわからん!!」
「あー」
「あのお2人って仲がいいんですか?」


「彼女を解放しろ」
「キャンベル・・・」
「あーっ、なんだ、てめえは」
「止めるんだ、ギャバン」
「シン、でも・・・」


カインのMSにパイロット姿のティーアがやってきた。
「ティーア」
「カイン、大丈夫なの?戦闘を参加するなんて」
「うん、大丈夫だよ、アウルの戦闘訓練にいつも付き合ってるし」
「サイ・・・」
「体は大丈夫だよ、安定している」
ティーアがカインの手を握った。サイは何かに気付いたのか、その場を去る。
「カイン、手を握って」
「う、うん」
「こう?」
「約束して、私が生きてるときは死なない、生きて帰るって」
「・・・今日のは実験だよ?」
「カインはわかってないわ」
「ティーアが僕の婚約者だから?」
「そうよ。貴方が大事なの」
「ふうん、恋愛ってそういうものなの?でも、僕の体は他と違って」

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「シン・アスカ、姉さんをルカ・ハーシェルを帰せ」
「その紋章は地球連合か」


「ここには、彼女はいない」
「LD」



「敵機、接近中です」
「バカな、この場所が特定されたデスって!?」

「・・・レン・ナラ・アスタール」
アロイスの敗北だった。


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「アドヴァキエルの兵士にキールが・・・」
「ひでえ・・・」
「・・・・」
死体が血を散らばせて、散らばっていた。ミスリルの乗員は動揺を隠せない。



「コーディネーターが!!」


「ラルク、あれは!!」
「地球統合組織の最新MSだ!!」




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「間に合った」
「ラルク、シェリル、大丈夫か?」



「・・・・かなり、破壊されたな」
アドヴァキエル帝国のMS乗りたちは、戦艦を見た。


「ファントムペインが、ここまで・・・」

コクピットが開き、ルカがジェイドのもとに戻ってきた。
「翡翠、ルカ、怖かった」
ひも状のものに身を預けて、下に下りると、ジェイドに抱きついた。
「うん、姉さん」
「怖い、怖いものがルカに銃を向けた。ルカから死を引き出そうとした」
ひっくひっくとルカは泣きじゃくる。
「うん・・・」


「・・・カインっ」
ジャングルの林を抜け、ティーアはカインの元に駆けつける。


「アロイス、大丈夫か」
「ゴットフリート卿、こいつ、この前のオーブにでてた」
「アロイスと撃ち合いか、ファントムペイン・・・」
「どうしますか?」
「殺せ、そいつは恐らく0ナンバー、廃棄されたファントムペインだ。政の足かせていどにしかならない」
「はっ」
「離れなさい!!」
ティーアが現れた。
「誰だ!?」
「コーディネーター!」



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「・・・カイン、大丈夫か?」
「え?あ、ああ」
アウルは隣のMSに乗るカインを心配そうに見た。


「ゴットフリート卿が、ミスリルと手を組んでいて、戦闘後での小競り合いを複雑化したと?」
「はい、皇帝陛下」
「・・・・・ゴットフリートに逮捕状を。よくやった、バルツァー、褒美を持たす」
「・・・ありがたき幸せ」


「アロイスぅぅ!!」


「友情?誓約?ニンゲンってわからない」
「カイン、本当に大丈夫か?」


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