Al Sa'd al Nashirah

2005年11月12日
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カテゴリ: BLオマケ付き


ゾロお誕生日おめでとう!


 例によって甘甘(笑)
 モエさんに「エロを・・・」と言われたのに、ちゅうしか入れられなかったよ(涙)
 本当は、リボン結んじゃったりゾロに悪戯させようと思ったんだけど寒いので
 止めました(ヲイ)
 駄文ですけども読んで頂けたらと思います♪
 長文なので字の大きさが小さくなってます。読みにくくてすみません><


 *+*+* 「今日は・・・」 *+*+*


 甲板に続くドアを開けると、ひんやりとした風が足元をすり抜けていく。
 いつの間にこんな寒くなったのだろうかと、ドアノブを握ったまま小さく
 身体を震わせた。
 何気なくはあ、と息を吐いてると、暗い夜空の下でそれは白く色づいた。

 「今夜は冷えるな~・・・」

 部屋から顔を出しただけで、こんな肌を刺すような寒さなのに外に出たら
 どんなに寒いのだろう。考えたら外に踏み出すのを躊躇ってしまう。
 そういや今日は一番の冷え込みだとかってナミが言ってたのを思い出して
 しまうと尚更だ。
 暫くどうしようか、止めようかとその場で数秒迷ったが思い切って外に出た。

 「クソぉ・・・、なんつー寒さだ!」

 出てニ、三歩歩いて後悔した。
 ドアの側で感じたよりも11月の夜は冷えていた。
 あっという間に頬や鼻先が赤くなり、ポケットにつっこんだ指先も
 痛くなってくる。 何でこんな日に限って見張りの当番なんだ、と口の中でブツブツ
 呟きながらぶるっと背筋を震わせ、身体を丸めるようにしてサンジは足早に
 甲板を歩き、見張り台に続く梯子を掴んだ。この吹きさらしの甲板に立って
 いる見張り台、当然握る梯子も冷蔵庫で冷やしたような冷たさで掌を刺す。
 体温を奪われていくのを感じながら一歩一歩登っていくと風もやや出てきて
 髪を揺らした。
 夜は、漣と風、そして月明かりしか見えない。
 ぼんやり灯る明かりはとてもか細く、サンジの足元も不安定だった。
 冷たさを通り越して痛みすら感じる指先に力をこめて梯子を掴んで上っていく。



 「よ・・・っと」

 やっと登りきって中を覗くと、毛布に包まって眠りこけているゾロの姿があった。
 足元に頼りないカンテラの光が揺れていて、眠る傍らにはいつのまにか台所から
 持ち出された酒瓶が転がっている。

 見張り台のヘリを乗り越えて中に入ると、淡い光の中に見えるゾロの顔を
 覗き込む。
 すうすう、と海風に混じって寝息が聞こえてきた。


 「ゾロ」
 「・・・」
 「ゾロ、起きろって」

 何度か名前を呼んでみるが、反応は鈍く返事が返ってこない。
 すっかり熟睡しているようで少し肩を揺さぶってみても起きそうに無かった。
 これじゃ見張りにならねぇだろ!と今すぐにでも叩き起こしてやろうかと思ったが、
 声を掛けようと、口を開いて息をすると肺に冷たい空気が入ってきた。
 うっと口を閉じると、さっきよりも寒さで身体が震えてきた。
 冷たい板張りの見張り台はとても底冷えし、防寒着も何も着てこなかった
 サンジの身体は見る見る冷えていく。

 「うー、チクショー。寒いじゃねぇかよ・・・」

 口をつぐんだまま寒さに負けてゾロの毛布に潜り込む。
 中はゾロの体温で柔らかい暖かさに包まれていた。
 じんわりと指先に暖かさが沁みて来る。
 その暖かさにほっと溜息をつくとそっと肩を持たれかけさせ、眠るゾロの顔を
 見上げた。


 やっと二人きりになれる時間を見つけて、今年こそ、いつも言えなかった
 「おめでとう」を言うつもりだったのにやっぱり言えず終いで終わるのかよ・・・。


 そう思うと、寝顔を見つめながら溜息が漏れる。
 ゾロは、「誕生日なんかどうってことないだろ」と言うけれど、ひとつひとつ
 年を重ねる事、それは「生きている」という事だったし、それを毎年祝えると
 いうことを思えば仲間や、誰よりも大切な人の記念日を大事にしたいとサンジは
 思う。だから、みんなの誕生日は盛大に祝いたいし、「おめでとう」も言いたい。


 もう一度肩を揺すってみる。
 返事の代わりに、ピアスがチリリと揺れた。
 ゾロは余程深い眠りに落ちているのか目を覚まさない。

 何度も言う機会を逃して、喧嘩もしてこんな時間になってしまったが今日
 言いたかったのに。
 無理やりたたき起こして喧嘩になるのも嫌だったし・・・。

 「おめでとうくらい言わせろよ、クソマリモ・・・」

 ぽつりと小さく呟きを残して、サンジは身体をもたれかけさせたまま目を閉じた。


 *+*+*


 胸元に妙な重さを感じてゾロは目を覚ました。
 自分の胸元を枕にして眠りこけるサンジの姿が目に入った。
 しかも、自分が包まっていた毛布の中に入り込んで。
 通りでさっきから暖かいなと思っていたら、こいつが潜り込んでたからかと、
 ぽんと軽く頭に手を乗せる。
 そんな事も気づかずに、すうすう、と規則正しい寝息を立ててサンジは眠って
 しまっている。

 「サンジ、おい・・・」

 何でここに居るのかと首をかしげながら、少しだけ肩を揺すってみる。
 毛布の中が暖かいと解っているので無意識にゾロにくっつくように身体を寄せてくる
 サンジに、肩を揺する手を止め様子を伺っていると、小さく声を漏らした。

 「うーん・・・」
 「サンジ?」

 目を覚ましたのか、声のする方、何秒かぼーっとゾロの顔を見上げていたが
 少し口を尖らせて

 「手前ぇの所為で、一日が終わっちまったじゃねぇかよ・・・」
 「何のことだ?」

 夢の中のことを言っているのかと聞き返すと、

 「11月11日は・・・お前の誕生日・・・だろうがよ・・・」

 サンジは目を擦りながら眠たそうな声で呟いた。
 その呟きに、そうか?とゾロはサンジの手首を掴み腕時計に目を落とす。
 カンテラの明かりを頼りに文字盤を覗けば、カチコチと秒針が零時に向かって
 進むのが見えた。

 「まだ大丈夫だ、30秒ある」
 「1分?」
 「ああ、11日はあと30秒」

 手首を掴まれたまま、そうかとほっと胸を撫で下ろしサンジは胸元にもたれかかったまま
 ゾロを見上げる。寝起き丸出しの、あまりにも無防備な顔を向けて。

 「いいね、ギリギリ。悪くねぇな。---誕生日、おめでとう」
 「・・・おう」

 遠くで、居間に掛かった壁掛け時計の零時を告げる鐘の音が聞こえてきた。
 にっこりと薄暗がりにサンジの笑顔が見え、ゾロはついそのまま顔を近づけて
 唇を塞ぐ。
 唇は冷えていたが、薄く開いた口の奥の舌はとても熱くすぐにとろりと蕩けた。
 はあ、と吐息が漏れるとまた眠りにつこうとサンジが目を閉じかける。

 「・・・わざわざ、言いに来たのか」
 「わざわざ、じゃねえ。言いたかったんだ・・・馬鹿野郎」

 んん、と寝言なのかと思うほど緩やかな会話。
 毛布の隙間から入り込む風に寒そうにしていると、ぐっと身体を引き寄せられた。
 ゾロはいつも暖かい。冷たく冷えた自分の手足も、身体もこうして温めてくれる。

 「ほんとお前は暖っけぇ。チョッパー、ルフィの次に暖っけぇな」
 「人で暖をとるなよな、お前は。それに誰にでもくっついてんじゃねぇ」

 一番じゃなかったのが気に入らなかったのか、上から降ってくる声が少し
 拗ねている。
 でも、眠くて暖かくて半分くらいしか聞こえなかった。
 ふわあ、とひとつ欠伸が漏れると、やれやれ、とゾロは優しく髪を撫でながら
 サンジの寝顔を暫く見つめていた。


 【終】








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最終更新日  2005年11月13日 01時14分10秒
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