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『主導権のはなし』



主導権を辞書で調べると、『主となって物事を動かし進めることができる力。

イニシアチブ。例「試合の主導権を握る」』とある。このように相手より先ん

出て制するというイメージが「主導権」という言葉にはある。


では、私たちの主導権が完全に至る範囲とはどこまでかを考えてみる。

それは私たちの(思い)→(考え)→(行為する)というところまでが私たち

の主導権が完全に至る範囲であることがわかる。

そして、重要なことは相手にも同じように(思い)→(考え)→(行為する)

という主導権の完全に至る範囲があるということです。

具体的にお話したいと思います。

僕はカイロプラクターですが、保険の適応がなく、実費にて施術させていただ

いております。患者さまの症状により、1週間に数回の施術が必要な場合もあ

りますし、少し症状がよくなって来ても、痛みの原因となった関節の機能が十

分に回復していなければ、再発を防止するために2週間後とか3週間後といった

間隔でケアが必要です。

そして、そのことを患者さまに説明し、次の予約を取っていただくのですが、

中にはそのように説明しても、こちらの治療計画どおりに来院されない患者さ

まがおられます。

そのようなとき、以前は「なぜ、言ったように来ないのか。こちらは治そうと

してもその気がないなら無理」とか「少しよくなれば来なくなり、痛みが出る

とすぐに診てほしいとは都合がよすぎる」というような批判や正論の思いが心

から出てきました。

しかし、僕の主導権が完全に至る範囲は僕の(思い)→(考え)→(行為す

る)というところまで、つまり「患者さまにとってあと何回施術が必要か」思

い考え、「次はいついつ来てください」と説明する(行為)までが僕の主導権

が完全に至る範囲であり、僕に(思い)→(考え)→(行為する)という主導

権が与えられているよう、相手にも同じように(思い)→(考え)→(行為す

る)という主導権があるのです。

患者さまにすれば、たとえば「実費だし、ずいぶんよくなっているし、時間も

忙しいから」と思い考え、「また、こちらから予約の電話を入れます」と行為

するかもしれません。

しかし以前の私は、相手の主導権にまで入り、こちらの言ったとおりに来院し

なければ、批判や正論の思いが出てきたのです。動機が相手のためを思ってで

あるがゆえ、相手が自分の言ったとおりしなければ嫌な気持ちになったり、怒

ってみたり。みなさんはそのようなことはありませんか?


しかし、自分の主導権の至る範囲をわきまえて、そこに心を尽くす。あとは相

手の方にも(思い)→(考え)→(行為する)という自由が私に与えられてい

るのと同じように与えられていると考えることで、結果はお任せと思うことが

出来ます。結果的にそのほうが、こちらの望むような結果になって行くように

感じています。



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