エレファントピア

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シンガポールと不妊治療

シンガポールと不妊治療


ちょっと前の話ですが、家に帰ってきたら暗闇の中に血塗られた紙が散乱していてビビりました。

ファックスが届いていただけだったんですけどね。
ファックス用紙が終るところだったらしくて、紙の両脇が赤くなっていたのです。

それは日本の母から送られてきた新聞の切り抜き(全4枚)でした。ズバリ「医療ルネサンス―不妊治療を考える」。


不妊治療の負の部分に焦点を当てた記事でした。
内容が内容の上に、紙の横が血塗られていたので、ぶるぶる震えながら読みました。その頃、私は治療に病院に行き始めた頃だったのですが、母としては「まだ見ぬ孫より、あなたの身体のほうが心配」ということで、このような記事を送ってきてくれたそうです。

お母さんありがとう。でも怖かったよ!


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確かに内容は怖いけれども、こうして正と負の可能性を勉強するのは必要だよな~と思いました。例えば私は病院で、お気軽に誘発剤を処方されて、副作用はないんですか?と聞いた所「う~ん、ちょっと太る人もいるね」と言われたのですが、そのむくみが卵巣の肥大の影響であるとは記事を読むまで知りませんでした。

どんな医療行為でもそうですが、治療の主人公は自分、不妊治療ともなれば子供も主人公になるのだから、めんどうでも治療についてはしっかり知識を得なければなあと思った次第です。


英語でやってるからか、ついついメンドーになちゃうんですけどね~(いいわけ)


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後、こうしてすぐに負の部分にも注意を払うというのは、日本文化の特徴の一つかもなあと思いました。

例えば、ここシンガポールでは
「子供かいない!?じゃ、病院行きな!」(byタクシーの運ちゃん)
という感じで、躊躇もへったくれもありません。


さらに日本人にありがちな、「恥」「外聞」の概念が薄い。(ない?)この間新聞で出産と不妊治療特集をやっていたのですが、IVF(体外受精)で3人の子供を授かったカップルが、子供にイブファ、イブファム、イブリンと、IVFで始る名前を付けたと載っていました。日本だったらつい隠す(というか言う必要ない)と思いがちですが、彼らは一生この名前を背負って「いや~俺って体外生まれだから!」といいながら生きていくのでしょうか…
天真爛漫…(っていうのか?)


シンガポール人のそういうあっけらかんとした性格から、不妊治療を試す人も多いし、それによる負の影響もあまり聞こえてきません。日本より特にそちらの医療が発達しているというのでもない限り、やっぱり彼らの国民性と、あと政府の政策のせいなのかもしれません。


シンガでは他の先進国と同じく、出生率が低迷しています。
日本でも人口減による将来の年金や経済が心配されているところですが、こちらにはもっと直接的な懸念があります。


それはズバリ、「国防」です。

つまり将来軍隊に入る男子の数が圧倒的に減っているのです。
出生率が減っている上、男の赤ちゃんの率も減っているそうです。なにか環境的な理由が?

5~10年後には、女子にも徴兵の義務が生じるかもしれないと言われています。

先日の新聞の「不妊治療特集」もそうですが、今やシンガでは、国を挙げて不妊と出生率の低下に取り組んでいます。


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まあとはいえ子供が生まれるのも生まれないのも、
またその子がどんな人生をどんな環境で過ごすのかも、
個人の力ではいかんともしがたい自然、必然の世界なのかもしれません。


今は思うところがあって不妊治療は止めていますが、
夫は子供好きなのでまた数年経ったらトライしてみるかもしれません。(それもBabyGirl、BabyGirlとうるさい…変態か?)


ヨガでもやって心やすらか~~に、コウノトリの来訪を待つことにいたしやす。




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