どくだみ音楽

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歴史教育を考える



レポート 「高校世界史授業の目的を実現するために」
 高校での授業目的は、生徒に一般的な世界史知識を持たせる・歴史を考える力をひきだす・世界史から現代を観る眼を養う、であると私は思います。
 桃木先生の「新しい時代区分論」からは強い刺激を受けました。
 伝統的な歴史観は便利であり、教科書に従って生徒に学ばせるべきものですが、考える力をひきだす具体的な方法として、時代区分を生徒とともに根本から見直すことがきわめて有効であると感じました。
 覚えるために覚える・入試のために覚える・成績のために覚える、だけに授業が終始すればかなりの割合の高校生が歴史嫌いに陥るのは明白です。時代区分の必要性と方策を問い直す中で歴史学習の意味を認識していきたいものです。
 現代の日本に生きる青年への歴史からの影響を探索していく呼びかけをします。自分たちの常識・嗜好・思考・道具・享受している娯楽など幾つかの面から、その歴史をさかのぼります。
 ちょうど衆議院選挙がありますのでどんな生徒も選挙に完全な無関心では居られません。選挙という現代日本の常識が、どのような世界史の発展によりもたらされたものかを考えれば、桃木先生の言われる「東・東南アジアの『今につながる時代』はいつ始まったか」に到達でき、今につながらない時代との区分をつくりだせる一つの手がかりが得られます。次に、日本以外の国で国政選挙はどうなっているのかを観ます。かなりの国で共通点の多い選挙制度が実施されている時代・それに向かうせめぎ合いの時代・一部の国だけでおこなわれていた時代・ほとんど選挙が無かった時代、という区分が生徒とともに導く結論の一つとして浮かびます。
 このような「さかのぼり」をもって歴史学習への肯定的関心を生徒に喚起できると考えました。

 なお、来年度もぜひ参加させていただきたく、広い門戸を私たちに開いてくださるようせつにお願いいたします。
 テーマの希望としては、(最もよくわからないのが現代と古代だと思いますので)、
「近い将来の日本のありかたに大きな示唆をもたらす歴史観」
「『倭の五王』をはじめとする、記紀と中国史書のくいちがい」について教わることができれば、と勝手な希望を申しておきます。




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