夕焼け


ココロの奥深くにしまたものがアル。

あの日見た夕焼け。

シゲがサッカー部に戻ってきた。気まぐれな奴だ。
中1の頃に一回やめたくせに…どうせ金になるくらいその程度のスキのくせに…
俺は、まだシゲを信じられずにいる。というか、信じようにも信じられる要因が少ないと思う。
シゲはいつだって、本気で笑って泣いたことがないと…そう思うから。

でも、「た~つぼん」
シゲが当たり前のように呼んで、当たり前のようにおれの隣に来て、当たり前のように喋ってくる。
それがなんだかくすぐったくて…でもそんな俺を悟られたくなくて、いつも怒っている顔か怪訝そうな顔を向けてしまう。
…別にこんな顔をしたい訳じゃないのに。
でもそんなことシゲにはお見通しで、「も~う、照れ屋さんなんやから~」と少しムカツクことを言ってくれる。
そこが、安心するなんて思ってる俺もかなり重傷のようだけど。

あの日俺は、いつもの通り部活が終わってそれで部誌を書いて、
鍵を職員室に返しに行ってそれで家に帰って今日の学校はおしまいのはずだった。
屋上に奴の姿さえ見つけなければ…

君に言いたいことが確かにあったはずなんだ。
だけど、僕のココロはいつまでも迷宮にイル。
奥に奥に迷い込んでゆく。

そのまま、放っておくことができなかった。
すごくすごくシゲが消えそうに見えたから。
そのままそっと近づいてみるとシゲは寝ていた。
あぁ、一瞬でもこんな奴が消えるとか心配した俺がバカだった。
そう思い、顔を上げて見た物は、オレンジ色した夕焼け。
すっげ~と感慨に浸ってると隣のシゲが「アレ~?タツボンやん。お久しゅう☆」と気分をものの見事にぶちこわしてくれた。
少し無視ってると、今度は騒ぎ出してどなると「やっぱりタツボンや」と笑った。
そしたらまたシゲが消えそうな気がして思いっきり強く頬を引っ張った。
「にゃにしゅうるにぇん!!」
と何とも赤ちゃん言葉なシゲがおかしくて、大爆笑したら不機嫌モードの突入しかけて、慌ててフォロー。
そんなコトもおかしくてずっとこの時が続いたらな~と普段の自分じゃ考えられないコトを思ったけど、
現実はそんなに優しくなくて、下校を告げる放送が鳴った。

あの時、何かが音をたてて壊れようとシテイタ。
僕は、気づかないふりをしたけど…

「ほな、帰りましょか?、お嬢様?」
「バカなこと言ってないで行くぞ!!」
そう言いもういちど振り返って見た夕焼けは、誰かを思い出させた。

そして、帰り際に一言。
「何処にも、行くなよ。なんて言わないから、消える時は、まず俺に言え。」
シゲは驚いて俺を見て、「了解。」そう短く答えた。
本気にとってくれたシゲが嬉しくて、でもやっぱり消えていくんだと思って悲しかった。
夕焼けは確かに、ソコにあってココロに残るけどすぐ夜が来て、消えてしまう。
お前も、そうなんだろ?心の中で呟いた問いにもちろん返事なんて返ってこなかったけど。

アノ時僕のココロは、アナタへの想いでいっぱいでした。
アノ時気づいた感情の名を僕はまだ知りませんでした。



あははははは。なんか、透明感が出したかったのに…無駄にタツボンが乙女化してますね~☆
まだ、自覚前ということで♪(分かりにくてスイマセン…)





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