360度讃岐うどん

360度讃岐うどん

遺書



公開すべきではないこと

それは十分承知なんですが

だから別に読まなくてもいいです

ただ、書いてる手が止まらなかっただけだから





























































生きているとつらいのに

どうして人は生きているのだろうか

それはきっと死ぬ方がつらいから

そういう私も本当は死ぬのが怖くて

つらいのかもしれない

だけど生きてつらさを積み重ねていくより

一度きりのつらさを味わう方がいいのかもしれない

でも死ぬということはきっと

そのつらささえも感じないだろうから

もしかしたら本当につらいと感じるのは

残された人達なのかもしれない

その人達のことを今まであまり考えたことがなかった

死んでしまえばそんなこと考える必要がないからだ

でももし私が死ぬことで涙を流す人がいるのなら

私はそれが間違っていることを伝えたい

私は

私の意志で死を選ぶのであって

決してそのことに対して何かを言われる筋合いはなくて

哀しみを感じる必要はないということだ

人はいつかは死ぬのだから

つまりそれが自然なのだから

故に生きていることは不自然なのだから

私の死はそう受け取ってもらいたい


私は今まで多くの涙を流してきた

それがなぜかは今はもうあまり覚えていない

そして誰も私が泣いていた時のことなんて知らない

人は自分のことが一番気になるのだから

私も例外ではないけれど

私は私の死にしか興味がなかった

いつどんな風に死のうかと考えることだけが

私が私であるための理由だった

そんな考え方しかできなくなったのには

いつくかの要因が不可欠だが

この場で言う必要はないだろう

しかしあえて一つ挙げるなら

誰も

私でさえも

私を見なくなったからなのかもしれない


笑うことが好きだった私

人と接することが好きだった私

何でも最後までやり遂げようとしていた私

そんな私を私は見失ってしまった

そして昔の私を手探りで見つけるよりもより効果的だと思われる手段をとった

それが変化

変化は人を変え環境も変える

変わることには怖れと覚悟

喜びと希望の表裏一体

しかし私にはそのどれも持ち合わせる余裕はなかった

地震のように突如訪れた変化に私は対応しきれず

変化はしたのに私だけが何も変わらなかった

つまり

私は変化を選び私になったのだ

そのことが当たり前だという事実を私はすぐに受け入れることができた

なぜなら私は

そうすること以外にいい方法が見つからなかったからだ

そして受け入れはしたものの

その反動は孤独だった


私は私と何も変わっていない

しかし訪れたのは孤独

私は当然戸惑った

私は独りでいることに慣れていなかったからだ

初めは精一杯手を伸ばしていた

でもちゃんと握ってくれる人はいなくて

いつか伸ばしていた手を引っ込めてしまった

それから私は本当の孤独を知った

その感覚は決して悪いものではなく

むしろ私には心地いいとさえ言ってもよかった

それはおそらく私が孤独であるということを

変化を選んだことによる結果だと分かっていたからだ

だから私は孤独でいることで私でいられる

それがたとえすべてを失って手に入ったものだとしても

故に

次に私に待っているのは

唯一つ

死のみであった


死ぬことは当たり前と言ったけど

抗ってみるのも悪くない

だけど私は思った以上に疲れてしまった

何かを考えてそのことに一喜一憂することには飽きた

つまり

もう選択肢はなくなったのだ

最後に残った選択肢"死"は決して仕方なく

それしかなかったからというわけではない

ただ他の選択肢は選びきってしまっただけ

私は今までの人生十二分に生きてしまったというだけだ

最初に言ったが

私は自ら死を選ぶのだ


それでもまだつらいと思うのならば

やはり私はそれが間違っていることだと思うだろう

それはあなたにとって近いと感じられる死だからだ

あなたが私を知っているからだ

その上で私は問う

"あなたは私を知っているのか"と

私の死は他の死と何も変わらない普通の死

それは万物の理で哀しむことでは決してない

まして私のことを何も知らないのに哀しむということは

私の死に対して失礼なことではないのか

ただあなたにとって救いなのは

私のことを知っている人は一人もいないということだ


これで私はちゃんと死ねる

当たり前の死だということ

私自身が選んだということ

私のことは誰一人分かっていないということ


一つ

言い忘れたことがある

私は私を見失ってしまったが

たとえ死んでしまっても変わらないものもある

過去も今も未来もきっとずっと変わらないもの

私が私であるということだ


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