礼がただ単なる外側のものなら、それは茶番である。
礼はただ単なる儀b式でもない、そこには歴史的な時間の変遷と
意義があるから、礼には意味も意義もあり、
その中にあるものは愛そのものであるところに礼の輝きがある。

 電車のなかで化粧をしている若い女性がいた。
醜い。
地べたに座る若者がいた。
醜い。
自分の仕事場である野球場のホームベースにつばはく選手、
醜い。
TVで人の意見を聞かずまくし立てる人、人、そして不品行な行いをした評論家、
東大を出て官僚になり、私利私欲で働いて国のために祭りごとをしない人、
醜い。
危険なしるしが表れているのに何もしなかった回転式ドアの管理責任者、
自社の製品が欠陥であるのを隠して販売している社長、など
礼がない人は、醜い。

 身近にたくさんの醜態をみるにつけ、
彼らを責める前に彼らを愛する隣人がいなかったのではないかと
痛感せざるをえない。
彼らは愛を知らなかったのだろう。
悲しむべき者たちは自分を含めて五十歩百歩の多いことよ。


 礼は寛容であり、親切で、人をねたまず、自慢せず、高慢になりません。
礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、
怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばず、真理を喜びます。
すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、
すべてを耐え忍びます。

 礼を重んずる日本人のひとりでも多く起こされんことを!
武士は礼を重んじた。

そのジェントルマンの中心にいた人が隣人に愛を施しなさいと
言ってその先頭に立って歩まれ、武士道の礼の種を蒔かれた。


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