貨物船上12日目の星


一日中、雲が空を覆っていた。風も強い。白波が立っている。
船の揺れはそんなに気にならない。

夕方6時半、南十字星がみえた。
アルファセンタウリとベータセンタウリの二つの星の延長線上に
南十字星の横線の二つの星がある。そしてその真ん中に縦の線上に二つの星。
あまり強く輝いていない4っつの星だが
それでいて眼の中に飛び込んでくるのは、
その周りに星らしき星がないせいかもしれない、
でも1時間もすると南の海に沈んでいく。
その輝きは、俺の将来を見守っているかのようだ。

その星の線上に俺は探した。そして見つけた。
幸いのシンボルともいえそうなその輝き、
十字架の型をした星が赤あり、青あり、種々の色が瞬き消える星よ。
俺を見つめていてくれ。
北の空でも
南の空でも
北の地でも
南の地でも。

これで9月16日の日記が終わっていた。
23歳の私の貨物船上の心の軌跡である。

私はそれから2ヵ月後本当の幸せの星
それも
同じ十字架の星をニュージーランドで見つけることになる。


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