会長の独り言

会長の独り言

足跡





ある夜、私は夢を見た。

私は、神様とともに砂浜を歩いていた。

振り返ると、砂浜には二人分の足跡が残っていた。

一つは私のもので、一つは神様のものだった。



これは、これまでの私の人生の足跡であった。


足跡を見ていると、私の人生の様々な場面が、走馬灯のように思い出された。




よく見ると、

これまでの私の人生の中で、足跡が一人分しかないときが、
何度もあることに気づいた。



それは、
私が辛く悲しい思いをしていた時期ばかりだった。



ああ、あの時は、信頼していた友だちに裏切られた時だ。


ああ、あの時は、失恋して落胆していた時だ。


ああ、あの時は、事業で失敗した時だ。





私は神様に尋ねた。


「神様、あなたはずっといっしょにいてくれるものと思っていました。

 しかし、私がもっとも辛かった時期には、一人分の足跡しか残っていません。

 あなたを最も必要としていた時に、どうして私をお見捨てになられたのですか?」




すると、神様は答えておっしゃった。


「いとしい大切な我が子よ。

 私は、愛するお前を、決して見捨てたりしない。

 お前をひとりぼっちにはしない。

 一人分しかない足跡は、お前の足跡ではないよ。

 その足跡は、私の足跡なのだよ。



 悲しみに打ちひしがれるお前を背負って歩いた


     私の足跡なのだよ。」





次は、壁の落書き



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