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2012年06月13日
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カテゴリ: 政について


 リーダーシップの重要性が説かれる一方、多くの日本の企業で現場力の低下が進んでいるように思われる。

 キーステーションである大TV局は、天下の公器を自認する報道機関。

 その現場でも詳細に渡るトップダウンで、ジャーナリスト魂が圧殺されている様子が、下記の記事で読み取れる。

 日本社会の衰退はこんなところでも始まっている。




 日テレ元解説委員
311翌日に辞意を伝え退社した経緯語る

 震災以降、視聴者が抱いたテレビ報道への不信感を、一番肌身で感じていたのは当事者であるテレビマンたちだった。

 テレビ各局が震災後1年の特番を放送した3月11日の翌日、日本テレビ解説委員だった水島宏明氏(54)は周囲に辞意を伝え、古巣を後にした。
 同氏は『NNNドキュメント』ディレクターとして「ネットカフェ難民」シリーズなどを制作し、芸術選奨・文部科学大臣賞などを受賞。
 『ズームイン!! SUPER』にはニュース解説委員として出演していた。

 現在は法政大学社会学部教授となった水島氏が、「報道現場が良くなる一助になれば」と退社の経緯を初めて明かした。



 きっかけは、原発報道です。震災後、報道局の幹部が突然、「今後はドキュメント番組も基本的に震災と原発のみでいく」と宣言しました。もちろん、あれだけの大災害ですから報じるのは当然ですが、それだけだと報道の多様性がなくなってしまいます。私のライフワークである貧困問題は「そんな暇ネタはボツだ」という扱いを受けました。

 しかも、NNNドキュメントの企画会議では、「うちは読売グループだから、原発問題では読売新聞の社論を超えることはするな」と通達された。そんなことをいわれたのは初めてでした。

 昨年3月28日に日テレの氏家(齊一郎)会長が他界しましたが、グループ内で影響力を誇る人物が亡くなったことで、読売の日テレに対する影響力がどうなるかわからないという配慮から、そうした発言が出たのかもしれません。

 これは日テレに限らず、今のテレビ局全体の問題だと思いますが、 プロデューサーやデスクの幹部・中堅社員が、あらかじめ報道内容のディテールまで会議で決める傾向が強まっています。

 現場に出る若手社員や下請けの派遣社員は、その指示に沿った取材しか許されない。でも、我々は社員である前にジャーナリストですから、本来は自分の目で現場を見た上で、自ら報道すべきことを判断すべきです。
震災以降、現場軽視をますます痛感し、私は会社を辞める決意を固めました。

 …(略)…






 この有様では、TVの報道を見る人々はますます減ることになる。

 また、同じようなことが新聞報道の現場で起きていることが推察される。

 開業時から「放送網」としてネットワークの概念があったことを誇らしげに語る日テレ。

 統制されたネットワークと個人を含む幅広いネットワークの時代では勝手が違うということらしい。





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最終更新日  2012年06月14日 11時35分37秒
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