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この1ヶ月間お借りしてデモさせて戴いていたトプコン社の次世代型レーザー装置、パスカルですが、 デモが終了し、トプコン社からのお迎えが来ました。 これからトラックに乗って東京に帰ります。 とっても良いマシンでした。いつの日か実際に購入できる日が来たらいいなあ、と思っています。
2010.11.18
私の地元八幡浜は、かんきつ王国愛媛の中でも最もみかん栽培の盛んな地域の一つです。今はみかん山の仕事が最も忙しい時期のため、「みかん山で作業をしていて目を突いてしまった」という訴えで来院される患者様がたくさんいらっしゃいます。 みかん山で目を突くとどのような症状が出るのか、具体的に少し見てみましょう。 ↑ みかんの枝で黒目を突いてしまった方。 ↑ みかん山で目に虫が入り、虫が足を目に刺して絶命していたために取れなくて痛みで苦しんでいる方。 色々なバリエーションがありますが、ほとんどの患者様は軽症で収まります。ただ、稀にみかん山外傷で黒目(角膜)に傷ができていったん治った後、また再発をくり返す「再発性角膜びらん」というやっかいな病気に進行してしまうこともありますので、皆様もみかん山での作業中には目の怪我をしないように十分に気をつけてくださいね。
2010.11.16
昨日の夜は、地元八幡浜の行きつけの美味しいお寿司屋さんで御鮨を食べていました。本当は現在神戸で開催されている「日本臨床眼科学会」に行きたかったのですが、この半年くらい全国各地の眼科学会に行きまくって外来をお休みすることがあり、患者様から「せっかく頼りにしてるんだからもっと地元にいなさい。」とお叱りを受けることが多くあって、今回だけはちょっと我慢したのでした。 私の地元八幡浜は四国有数の漁港で、とにかく抜群にお魚の美味しい街です。激ウマでしかも値段もリーズナブルなお寿司屋さんがたくさんあるのですが、今日行ったのはその中でも私がトビっきりと思うお店でした。 料理は何も言わなくても職人肌の大将が「その時に一番うまい」と思うものを次から次へと出してくれます。 とろけるようなお刺身を食べていると大将が、 店内の水槽からハギを捕まえてそのままお刺身にしてくれます。 ↑ また、この肝がふんわりと甘くとろけるほどクリーミーで異常なほどに美味しい。 ↑ 塩サバも「何でこんなに脂が乗ってるんだろう?」と思うほど尋常じゃなくうまい。 パクパク食べていると、いつの間にか目の前にはお寿司が登場します。 ↑ アナゴもでかくてパリッと香ばしく最高。 ↑ 八幡浜では近くの大島というところでウニが採れてこれまた絶品です。 ふー、今日も大満足でした。何の気なしに店内の水槽を眺めていると、 たくさんのハギの下にお寿司で戴いたヒラメがいっぱい寝そべっています。良く見ると、 なぜか黒いヒラメが一匹だけいます。私が「なんでこの一匹だけ黒いんですか?」と質問すると、大将が、 「ヒラメは器用な魚で周りの色を見てすぐに安全な保護色に色を変えるんじゃけど、その子は目が見えんからまわりが黒いと思って黒くなっとるんや。」と教えてくれました。 私はその瞬間、「そうか、お魚にとっても目というのはこんなに大切なものなんだな。ましてや人間にとっては目はもっと大事なもの。これからも毎日、八幡浜の皆様の目の健康を守るために頑張らなきゃいけないな。」と痛感したのでした。
2010.11.14
さて先日の日記の続きです。日本人の国民病、「ドライアイ」をその根元から改善する画期的な新薬ですが、いよいよ近日中に日本が世界に誇る点眼薬会社、参天製薬から発売となります。 ↑ これがその新薬、ジクアス点眼液です。その特徴は、 世界初のP2Y2受容体作動点眼剤であることです。 具体的には、目の表面の「水分」と「ムチン(粘膜を潤して損傷を防ぐことによって目の表面を守っている、例えて言えば納豆のようなネバネバ物質)」という2つの大切な物質の分泌を促進することによってドライアイを改善してくれます。 ↑ またこのジクアス点眼液は、従来型のドライアイの治療薬のヒアルロン酸ナトリウムに対して有意差を持って症状を改善する!という抜群のデータも出ています。専門的に言うと特にBUT(Breaking Up Time:涙液破壊時間)短縮型のドライアイに対して良く効くと言われています。 発売はおそらく来月かな? きっと患者様に喜んで戴けるでしょうし、実際に処方できる日が早く来て欲しいです。待ち遠しいですね。
2010.11.12
今や我々日本人の「国民病」とも言われるドライアイ。その症状は目が乾く、ゴロゴロする、まぶしい、疲れる、痛いなど多彩ですが、眼科を受診される患者様の17%がドライアイ確定例、疑い例まで入れると36%の方がドライアイであるというデータもあり、とにかく患者様の数は膨大です。 ↑ これがその実際のドライアイの患者様の目の写真ですが、黒目(角膜)の表面に細かい傷がたくさん入っておりこれが様々な不快な症状を引き起こしています。 ドライアイの治療は今までは主にヒアルロン酸ナトリウムの目薬を点眼して症状を改善するというものでしたが、これはドライアイという「結果」に対する治療で、その根本原因を解決するものではありませんでした。 このドライアイを根本から改善する目薬がずっと以前から開発されていたのですが、今年の夏に眼科の雑誌を見ていると、 「ジクアホソルナトリウム」という画期的な新薬が承認された!というニュースが載っており、私はドライアイ治療医としてその発売を今か今かと首を長くして楽しみにしていたのでした。 そして、いよいよ、、、、(続く)
2010.11.11
当院では患者様にいつでも気軽に受診して頂きたいとの思いから、外来では予約制は採用しておりません。そのため患者様から良く「外来はどの時間帯が空いているんですか?」という質問を戴きます。 外来が空いている時間帯というのは季節によってもかなり異なるのですが、寒くなってきた今の時期だと午前8時30分の外来開始から10時くらいまではまずまず空いています。検査までの待ち時間が15分を超えることは少ないだろうと思います。 ところが、午前10時を過ぎて気温が上がってくると急に混み始める事が多く、その混雑は外来受付終了のお昼の12時まで続くことも多いです。 午後は当院は15時30分からなのですが、16時30分くらいまでは通常かなり混雑します。ところが17時を過ぎて外が暗くなると患者様の数は急に減少します。なお外来終了は18時となります。 なので比較的空いている時間としては、8時30分から10時、もしくは17時以降ということになります。 また、例年この季節はみかんの作業の時期なので、愛媛県有数のみかん産地の我が町八幡浜では多くの方がみかん山に入って作業されている関係もあり、全体的には外来は空いていることが多いです。受診時の参考にして頂ければ幸いです。
2010.11.08
「ブルーベリーって目にいいんですか?」、「ブルーベリーが緑内障に効くって本当ですか?」、「どのブルーベリーのサプリメントがいいですか?」、このようなブルーベリーに関する質問を毎週のように患者様から戴きます。 今日はそのブルーベリーの話をしてみましょう。 ブルーベリーには「アントシアニン」と呼ばれる紫色の色素が含まれています。このアントシアニンには専門的に言うと「ロドプシンの再合成を助ける」作用があります。ロドプシンというのは目の視細胞の中にある光を感じる力のある物質で、光に当たるとビタミンAに分解されます。アントシアニンはこのビタミンAがロドプシンに再合成されるのを助けるので、夜暗い所で物を見る力を改善する作用が期待できます。 またこのアントシアニンには毛細血管の保護・強化作用や強力な抗酸化作用もあるので、体に良い物質であるのは間違いありません。 ただ、このアントシアニンが緑内障に効くかと言われると、直接的な効果はないですし、サプリメントの中にはアントシアニンを化学合成しているものもありますので、どうせなら生のブルーベリーを食べるのが一番目に良いだろうと考えています。
2010.11.05
学校の視力検査で近視が進行して引っ掛かり眼科を受診されるお子様はたくさんいます。お父さん・お母さん方は「ウチの子の近視が進んでメガネをかけさせるのは絶対イヤ!」と思われる場合も多く、「近視が治る目薬ってないんですか?」という上記の質問を受けることが非常に良くあります。 結論から先に言うと、「近視の治る目薬はあるような、ないような感じです。」という謎掛けのようなお話になります。今日はその「近視の治る目薬」のお話をしてみましょう。 昔の言葉で言う「学校近視」、今の言葉で言うと「仮性近視」、「偽近視」と呼ばれるものがあります。イメージ的には「近視が進行してきているけどまだ固まりきっていない状態」とでも言えるでしょうか。 医学的にはこの「仮性近視」については、 1. そもそもそのような病態が存在するかはっきりと分からない。 2. 仮性近視は存在するかもしれないが、治療可能なものは数少ない。 3. 仮性近視の治療には一定の効果が認められるものがあるのは事実だが、治療を中断すると元の近視に戻ってしまうことが多いので、結局はあまり意味が無い。 あたりがコンセンサスかと思います。まとめると、「平均的には我々眼科専門医は仮性近視の治療は根本的にはあまり意味が無いと考えている。ただし治療中には一定の効果をあげる可能性のある目薬というのは実際に存在し、また近視のお子様を持つご両親の希望が強い場合には処方する場合もある」くらいの感覚なのです。 それでは実際に、その「仮性近視」の治療ではどのような目薬を使うのでしょうか? それには、、、、、 この「ミドリンM」と「ミオピン」という2種類の目薬を使用します。我々の業界ではこれを略して「MM療法」と呼んでいます。 ミドリンMは、目のピントを合わせる筋肉である毛様筋(もうようきん)の緊張を和らげてリラックスさせ、仮性近視を戻らせる作用があります。ただし散瞳(さんどう)といって瞳を開く効果が同時にあり、昼間に使用すると日常生活に支障が出るため通常夜寝る前に1回使用します。 ミオピンは1日に4回使用します。この目薬は目の毛様筋(もうようきん)の反応を良くし、また目の疲労回復作用を持つことから、毛様筋が昼間に緊張状態に戻るのを妨げる作用があると考えられています。そのため、ミオピンはミドリンMのすき間を埋める役割をするので、ミドリンM単独療法よりも併用療法の方がより効果があるとされています。 実際、このMM療法の有効性を報告した文献も古いものですが存在しています。 また、このミドリンMもミオピンも歴史のある薬剤であり、長年の経験から安全性が非常に高いことも証明されています。 ここまで読んで頂くととっても効きそうな感じのするこのMM療法なのですが、実際に患者様に処方してみると「点眼中は少し近視が改善することもあるが、それで近視が実際に治るかと言われるとなかなか厳しい」といったところです。 近視が治る目薬が開発されたら私も眼科専門医として本当に嬉しいのですが、現状ではこのMM療法以外に「近視に効く」と言われている目薬はありません。でも医学の進歩と言うのはとにかく早いので、いつの日かそんな夢の目薬が開発されるかもしれないですね。
2010.10.29
今年は既に5月の終わりに植木の剪定を一度してもらって、 すっきりと整ったクリニック外観になっていたのですが、夏の異常な暑さのせいなのでしょうか、その後オリーブ・ツタが凄い勢いで伸び続けるので、本日またもや植木の剪定をして頂きました。 ↑ オリーブが伸びすぎてワサワサです。実は患者様からも「初めて来たのだが、植木が伸びすぎていて、国道から看板が見えなくて何度もウロウロするハメになってしまった」との苦情を戴いており、それもあって今回の剪定となりました。それにしても良く伸びましたね。 ↑ 良く見るとツタが外壁の焼き杉の中にめり込みながら伸びています。凄い生命力ですね。 3名の造園のプロが手際よく仕上げてくれました。 横平農園様、有難う御座いました。次回もまたよろしくお願いいたします。
2010.10.23
本日、当院の3次元眼底像撮影装置、トプコン 3D OCT-2000 をバージョンアップして貰いました。 今回はプログラムのバグ取りなどの小さなバージョンアップだったのですが、それにしてもトプコン社のこの3D OCT-2000に賭ける気合は凄いものがあります。とにかくバージョンアップが頻繁でどんどん良くなっているんですね。 OCTに関しては現在多くの商品がしのぎを削るまさに戦国時代です。トプコンのライバルのOptovue社のRTVue-100は緑内障診断ソフトウェア(GCC)が秀逸、OCT本家のカールツァイス社はとにかくデータの見せ方が上手い、日本の二デック社のRS-3000はとにかく撮影が早く簡単で、かつ驚異の広範囲スキャンができるといった状況で、個別で見るとトプコンのOCTにはまだまだライバルに及ばない点が目立ちます。 ただトプコンのOCTは以前にも書きましたが、何といっても汎用性が高く、OCT画像と同時に通常の眼底写真も撮ってくれて、実際の眼底写真とOCT画像を同時に見て戴きながら分かりやすく病状を説明することが出来るので患者様に大好評なのが魅力です。更に前眼部(角膜・隅角)、緑内障(視神経)、網膜の各撮影モードのどれもが他社と比較した場合にムラ無くまずまず優れており、トータルバランスに秀でたマシンです。 しばらく前にトプコンの眼科部門の偉い方にお会いする機会があり、その時に私が「いやあ、3D OCT-2000、熱いマシンですね。現場で使っていて開発陣の気合が伝わってきますよ」と言うと、「そうでしょう。ここだけの話、3D OCT-2000、開発費が尋常じゃないんですよ。売れてくれないとマジでヤバイんです。」ということでした。ユーザーからすると非常にいい話ですね。 これからもこの トプコン 3D OCT-2000 のバージョンアップのスピードに負けないように、私も眼科の勉強を積み重ねていこうと思っています。
2010.10.21
しばらく前からテレビCMや新聞の折込みで、加齢性黄班変性症の啓蒙広告を良く目にします。当院へもそのチラシを持って受診される方がこの数日毎日複数いらっしゃいます。 ↑ これがその実際のチラシです。簡単なセルフチェックテストがついていて非常に良く出来ています。 この加齢性黄班変性(かれいせいおうはんへんせい、AMDと略すことが多い)と言う病気は、上記のようなメカニズムでものが歪んで見える、見たいところがぼやっとして見えないなどの症状が出るやっかいな病気です。 以前は日本人には少なかったのですが、食生活の欧米化(野菜の摂取不足など)に伴ってこのところ急激に増えてきており、現在日本人の中途失明原因の第4位となっています。 アメリカではすでに中途失明原因の第1位となっており、日本でもこれから急激に患者様が増加すると見込まれています。 チラシを見て慌てて最近初めて来院された患者様の実際の眼底写真・3次元眼底解析画像(OCT像)を見て頂きましょう。 黄班部という大切な場所に出血・強い浮腫などを認め、すでに視力がほとんど出ていない状態です。患者様は「何か変だな?とは感じていたが、両目だと見えていたので大丈夫と思っていた」とのことでした。 治療としてはとにかく早期で見つけて、進行を遅らせる効果のあるルテインという成分を含んだサプリメントを摂取するのが一番(日本の厚生労働省はケチなので、病気の発症予防に関するアイテムに対してはなかなか保険が効かないのです)なのですが、上の患者様のように症状が進行してしまった場合には抗VEGF薬というお薬を目の玉の奥の硝子体(しょうしたい)という場所に直接注射します。この治療法は非常に効果が高いのですが、治療費が高額・注射の効果が数ヶ月しかなく反復治療が必要・注射で感染症を起こす可能性がある、などのデメリットもあります。 いずれにせよ、上のチラシを見て「あれっ?」と思われた患者様は是非早めにお近くの眼科専門医を受診されて下さいね。
2010.10.20
眼科の日常診療では、糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)の進行を食い止めたり、網膜に小さな穴が開いているときに網膜はく離への進行を予防したりするためなどに、レーザーを使った治療を良くします。もちろん当院にもその機械はあり、開院時には緑色の波長しか出ない普及機を導入したのですが、開院1年後には緑色に加えて赤色(白内障などでレーザーの光が目の奥に届きにくい患者様に有効)の波長も出せる上級機に思い切って買い換えて、より安全で効率の良いレーザー治療を提供できるように努力をしてきました。 ところが眼科の世界と言うのは本当に技術革新が早く、買い換えてからまだ1年なのですが、次世代型の新型レーザー装置が登場しています。 本日より、その画期的な進歩を遂げた新型装置である、「パスカル」を販売元のトプコン様、ディーラーのアーガス様の御好意でデモさせて頂ける事となりました。 このパスカルは中にパソコンが組み込まれており、私が現在使用している従来型の機械と較べると驚くほど進化しています。 従来型の機械に較べると、レーザー1発あたりの照射時間を約10分の1、レーザー治療の総エネルギー量を約5分の1に抑えており、患者様の負担を飛躍的に低減することに成功しています。 この機械のメリットを私なりに整理すると以下のようになります。 1. 従来型の機械に較べてレーザー時の目の痛みが少ない。 2. レーザー治療はやけどの一種なので、どうしても治療で黄班部(おうはんぶ)という視力に直接関係する大切な部分に浮腫(腫れ)が出てしまうことあるのだが、このパスカルは目に優しい機械なのでその合併症が少なく安全である。 3. パスカルはパターンレーザーと言って一度に4×4、5×5などの形でたくさんのレーザーを打つことが出来る。(下の写真がその実際の治療例です) そのため治療時間が劇的に短縮される。また従来型のレーザーだと例えば糖尿病網膜症の場合、合併症を避けるために4回くらいに分けて治療しないといけなかったのが、パスカルは目の負担が少ないので2回で済む。つまり、治療回数も短縮できる。 4. まとめると、患者様にとっては良いことばかりである。唯一の弱点は機械が非常に高額(定価なんとざっと2000万円!)なことだけである。 これからしばらくの間、実際にこのパスカルで患者様のレーザー治療をさせて頂く予定です。治療時の痛みが圧倒的に減っているとの事なのできっと患者様に喜んで頂けるだろうと期待しています。
2010.10.18
世界中の注目を集めていた、チリ落盤事故での地下深くからの大救出劇。 全員が無事に救出されて本当に良かったですね。 ところで、救出者の方がなぜ皆サングラスをしていたのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか? その理由なのですが、 1. 救出者の方々は長い間暗闇で過ごされていたので、瞳孔が開き更に光に対する感受性が非常に高くなっている。 2. そのような状態でいきなり太陽光を浴びると、網膜の中心部の黄班(おうはん)という視力に直接関係する大切な部分を火傷して、視力低下を来たしてしまうことがある。 からです。専門的に言うと「太陽性網膜症」の発症を防ぐために必要だったと言うことになります。 ↑ これが実際の「太陽性網膜症」の患者様の眼底写真ですが、写真真ん中の黄班部が発赤・腫脹しているのが分かります。太陽の光と言うのはこれほどに強力なものなんですね。皆様も直射日光下で作業・スポーツなどをする時には、目の病気を予防するために是非サングラスを使用してくださいね。
2010.10.14
さて学会の楽しみと言えば、その土地土地の名物料理。今回の広島では何と言っても「広島風お好み焼き」ですね。今回はネットで色々調べて、口コミの評価が非常に高かった、じぞう通りという少し街外れにある「貴家。」というお店に行ってきました。 カウンターのみの小さなお店ですが、人気があるようで外で20分ほど待ってようやく店内に入れます。まずはビールを飲みながら鉄板焼きを戴きます。 イカゲソバター、噛めば噛むほど味が出る感じでお酒がどんどん進みます。 次は地元広島のにごり梅酒を戴きます。 これまた旨い。 そうこうしている内に、お目当てのお好み焼きが焼き上がります。 周りを見渡すと、どうやら広島県人はヘラでお好み焼きを切り分けて、そのままダイレクトに食べるようで、みんな器用にヘラで食べています。なので私も真似をして ヘラ食いに挑戦です。お好み焼き内部は甘いキャベツがふわふわ、外はそばがカリカリで、抜群に美味しいです。我が愛媛の三津浜焼きも旨いですが、さすがに本場の広島の方が一枚上手ですね。 何を食べても絶品なので更にもう一品。 カキ焼きです。 ポン酢に付けて戴いたのですが、プルプルで甘みがありいくらでも箸がすすみます。 ついでにお酒も止まりません。今度はハイボール、そのドライさがカキの甘さを引き立てます。 このようにして広島の夜は更けていきました。。。。
2010.10.12
10月10日(日)及び11日(月)に広島市で行われた、瀬戸内眼科コロシアムへ参加してきました。 会場は平和公園内の広島国際会議場でした。原爆ドームのすぐ傍で厳粛な気持ちになるところでしたね。 この瀬戸内眼科コロシアム 日本を代表する14人の超一流眼科医による各専門分野に関する最新かつ濃密な講義を2日間に渡って受けられるもので、本当に勉強になりました。 眼科の様々な話題をバランス良く聞けて、ちょっと忘れてしまっていたこと、今まで完璧に理解しきれていなかったこと、更には全く知らなかったことなどをしっかりと吸収することが出来たと思っています。
2010.10.11
アデノウイルスというウイルスによって引き起こされ、非常に強い感染力がある流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)という病気があります。俗に言う「流行り目」で、プールで夏にもらう事が多い病気なのですが、今年の夏は比較的患者様が少ないという印象がありました。ところが、この流行り目の患者様が八幡浜では最近になって急に多くなっています。 この流行り目、実は直接効く目薬はなく、炎症を抑える目薬と弱った状態の目に他の感染を起こさないようにするための抗菌剤を点眼しながら自分の力で治るのを待つしかないのですが、感染力がなくなった後に黒目(角膜)に濁りが残って視力低下やまぶしさなどの症状が続くこともあります。 なので、この流行り目というのは決して甘く見ることは出来ない病気なのです。皆様も「目が赤い、治らない」場合には必ず眼科専門医を受診するようにしてくださいね。
2010.10.05
この日記は先月に福岡市で行われた日本緑内障学会体験記の続きです。 さて昨日焼き鳥屋さんで出会ったおいちゃんに教えて頂いたもつ鍋屋さんを目指し、朝から学会でぶっ通しで勉強して疲れていたためちょっとフラフラしながら夜8時過ぎに「呉服町」という地下鉄の駅で降ります。 駅を降りたものの道路が十字に伸びどちらに進んでいいのか良く分かりません。困って辺りをキョロキョロしていると、ちょうど信号待ちをしていたおじさんが「どこ行くの?」と声をかけてくれます。私が「もつ幸というもつ鍋屋さんを探しているんです」というと、「あぁ、それならここを真っ直ぐ行ってガソリンスタンドを左だよ」と教えてくれます。 徒歩数分、お店はすぐに発見出来ました。ふと振り向くと先ほどのおじさんが後ろをついて来ていて私がお店に到着したのを見届けて帰っていきます。博多の人は本当に親切な人が多いですね。 お店に着いたもののたくさんの人がお店の前で順番待ちをしています。もうかなり夜遅いのに人気あるんだなあ。 かなり待ってようやく店内に入れましたが、そこでもまだ待ち時間があります。壁にはお店を訪れたことのある有名芸能人(?)の方の写真がいっぱい貼ってあります。 そうこうしている内にようやく席が空きます。あー、お腹空いた。 鍋の上にぎょうざの皮が乗っています。ちょっと珍しいですね。 出来上がりました。店員さんが全て作ってくれます。 もつはとにかく新鮮、柔らかく甘くて抜群に旨いです。 〆はちゃんぽん麺。 水分を飛ばして、ゴマを投入して出来上がり。これも全て店員さんが絶妙なさじ加減で仕上げてくれます。 あー、美味しかった。今まで食べたもつ鍋の中で確かに一番だったかもしれないです。博多の夜は楽しいですね。
2010.10.04
さて学会出張ではその場所ならではの美味しい御飯屋さんに出かけるのも楽しみの一つです。「良く学び、良く遊べ」が大切ですからね。 そこで今日から数回にわたり、先月の福岡での緑内障学会時に行って非常に美味しかったお店を思い出と共に紹介していきたいと思います。博多へは学会の前の日に入ったのですが、初日はガイドブックを見て「天下の焼鳥 信秀本店」というお店に出かけました。 博多では鳥以外でも豚バラ、牛サガリ、野菜など「串に通せばなんでも焼鳥」ということのようで、メニュー内容が非常にバラエティに富んでいるのが印象的でした。 美味しく焼鳥をガツガツ食べているとお店の大将さんが話しかけてきて、私が「愛媛から来た」と言うと、喜んで手品を見せてくれました。 隣に座っていたおいちゃんといつの間にか仲良くなってしまい、その方がキープされていた芋焼酎を戴いてどんどんベロベロになっていきます。美味しい焼鳥、弾む会話、明るくて人懐っこい博多の人情、明日からの学会が楽しみです。隣のおいちゃんに「博多で一番美味しいもつ鍋屋さん教えてあげるから、是非明日行きなさい」と言われ後ろ髪を引かれながらお店を後にします。(続く)
2010.10.03
今日の日記は先日の緑内障学会体験記の続きです。学会場には器械展示コーナーがあり、様々な最新の器械や手術道具などが見れてそれも学会の楽しみの一つです。 当院ではしばらく前に様々な3次元的な検査の出来るOCTという機械を導入したわけですが、 この機械の製造元のトプコン社のブースに立ち寄ると、トプコン社の社運を賭けた力作、3D OCT-2000 は更に進化するとのことで、 「ドルーゼン解析」という新しいプログラムがもうすぐ搭載されるとのことでした。これは加齢性黄班変性(かれいせいおうはんへんせい)という病気の早期発見に役立つソフトでイギリスから導入された最新鋭のものです。 加齢性黄班変性というのは、ものが歪んで見える、見たいところがぼやっとして見えないなどの症状が出るやっかいな病気です。以前は日本人には少なかったのですが、食生活の欧米化に伴ってこのところ急激に増えてきています。 治療としてはとにかく早期で見つけて、進行を遅らせる効果のあるルテインという成分を含んだサプリメントを摂取するのが一番(日本の厚生労働省はケチなので、病気の発症予防に関するアイテムに対してはなかなか保険が効かないのです)なのですが、進行してしまった場合には抗VEGF薬というお薬を目の玉の奥の硝子体(しょうしたい)という場所に直接注射する!というちょっと怖い感じのする治療しか確実に効く治療法はありません。 そのため、この加齢性黄班変性は何よりも早く見つけて進まないようにするのが一番なわけですが、「ドルーゼン解析」はその早期発見に大きな力を発揮してくれることが期待されます。 それにしても、トプコン社のこの 3D OCT-2000 に賭ける気合は凄まじいですね。私もトプコン社の熱さに負けないように、これからも毎日頑張って眼科の勉強をしていこうと思っています。
2010.10.01
さてクリニックを休診して9月24日(金)~26日(日)に福岡市で行われた、第21回日本緑内障学会に参加してきました。 今回の学会はアクロス福岡という会議場で行われたのですが、会場が広くて移動が結構大変でした。それと参加人数が多かったのも印象的でした。緑内障学会というのは我々眼科専門医にとってはややマイナーな学会の一つで例年はもう少し人が少ないのですが、今年は博多開催ということもあって凄い活気でしたね。 ↑ これが学会のプログラムです。各会場毎に色々なテーマ別で熱い発表が行われており、毎日朝早くから夜までびっちりと勉強が出来ます。 勉強した内容は細かくメモを取り、後でこのように写真を撮って全てデジタル化して何度も復習して覚えこんでいきます。 勉強するとお腹が空きますが、朝にはモーニングセミナー、お昼にはランチョンセミナー、夕方にはイブニングセミナーという、ご飯付きの講義がたくさんあるので心配ありません。 ↑ またこの弁当がえらく旨い。 学会場には本屋さんも出張してきていて、たくさんの眼科の専門書を購入することができます。 私は今回は下記の4冊の本を買いました。八幡浜に戻って昼休みなどに少しずつ読み進めて行くのが楽しみです。 このように学会というのは、我々医者にとっては非常に勉強になる大切なものなのです。これからもたまに学会出張のための臨時休診があるかとは思いますが、全国レベルの最新で安全な眼科医療を提供し続けるためにはどうしても必要なことなのでご了承下さいね。
2010.09.27
夏の間に伸び放題になった草を刈るのに便利な草刈り機。 非常に役立つアイテムですが、使うときには必ず保護めがねをかける必要があります。 ↑ ちなみにこの保護めがねというのは、大きなホームセンターにいけばまず売っています。 ところが、保護めがねを持っていない、持っていてもするのがめんどくさい、暑くて不快なので嫌、めがねをかけると汗で曇って作業しにくい、などの理由で目を保護せずにそのまま草刈り機を使って思わぬ目の怪我をしてしまう方が最近後を絶ちません。今日は保護めがねをせずに草刈り機を使うとどのような怖いことになってしまうのか、その一例をお見せしましょう。 もうずいぶんと昔のことですが、「朝から保護めがねをかけずに草刈り機を使って作業をしていた。そのときに小石が跳ねて目に当たった。それからどうも目が開かなくて激痛があるし、妙に熱い涙が出る し、どんどん見えなくなってしまった」との訴えで患者様が来院されました。早速目を拝見すると、 石が角膜(黒目)を直撃して破れて目に穴が開いてしまっています。そして目の中を流れている房水という水と虹彩(茶目)が目の外に脱出してしまっています。患者様が感じた「熱い涙」というのは、この目の中の水が出てしまっていることによる危険信号だったのです。 これは 「穿孔性眼外傷」 といって、緊急手術が必要な状態です。破れた角膜を縫い合わせ、目の中に石ころが入り込んでしまっていればそれを摘出し、水晶体が傷ついてしまっていればそれも取り出し、という大きな手術が必要です。傷が目の奥の網膜にまで及んでいると、網膜はく離などの重篤な合併症を生じて失明に至ってしまう事さえあります。保護めがねさえしていればこのような悲劇は未然に防ぐことが出来たのです。 こういう怖いことにならないようにするために、皆様も草刈り機を使用するときには、保護めがねを忘れないように気をつけて下さいね。
2010.09.17
このところめっきり涼しくなりましたね。今年は異常な猛暑ということもあって夏は非常に患者様が多い日が続きました。汗が入って充血したり目やにが出たりプールでなんか貰ったりと、気温が高いと目のトラブルが出やすいんですね。 眼科というのはスギ花粉症が始まる2月の中旬くらいから患者様が増え始めて、流行り目やブタクサ花粉症がほぼ収まる9月中旬くらいまでが忙しいオンシーズンになります。逆に言うと10月から2月上旬までは患者様が比較的少ないオフシーズンということになります。内科や小児科とちょうど患者様の動態が逆になるんですね。 今年も今週に入って明らかに来院される患者様の数が減ってきました。その分ゆったりと時間をかけて診察させて頂ける状況になってきていますので、目で気になることのある方は是非気軽に御来院下さいね。
2010.09.16
さて先日当院では、国産のトプコン社の「3D OCT-2000」という新型の検査機械を導入したわけですが、この機械を使うと患者様に一体どのような良いことがあるのでしょうか?今日はその1例をお示ししたいと思います。 さてこのOCT、実に様々な検査ができます。検査のメニュー一覧画面をちょっと見て戴きましょう。 このメニュー画面で最初の4つは目の底の網膜(眼底、特に黄班部という大切な部分に異常が無いか?)、次の3つは視神経(緑内障が無いか?、もしくはある場合どの程度の進み方か?)、次の1つは隅角という目の中の水の出口の状態を見るものです。 今日はこの中で、「緑内障」という病気に絞って見てみます。緑内障と言うのは目の視神経の数が減って見える範囲(視野)が欠けてくる病気です。進行すると失明してしまうこともある怖い病気です。 OCTでは、まず「3次元視神経乳頭解析」をします。 ↑ これが実際の緑内障患者様の検査結果ですが、上の写真の水色の矢印部分、視神経の下側が減ってしまっているのが分かります。減ってしまっている部位は赤色、もしくは黄色で表示されます。 この同じ患者様で、今度は「黄班部緑内障解析(通称GCC検査)」をすると、 GCCと呼ばれる「神経節細胞複合体」というものが減ってしまっていることが手に取るように分かります。減ってしまっているところは上の写真の水色の矢印で示した濃い青色の部分です。 これまでの緑内障検査と言うのは、我々眼科専門医が視神経を実際に見て「これは神経が減ってるぞ!緑内障が怪しいぞ!」と見当を付けると、「えっ、私緑内障なの! もしかして失明するの??」と動揺した状態の患者様自身が暗い部屋に入ってドキドキしながらボタンをピコピコ押すというような、やや不正確な自覚的な検査である「視野検査」しかありませんでした。 また、目の神経と言うのは生まれたときには120万本あるのですが、この「視野検査」では大体視神経が半分の60万本以下にならないと異常が検出できないので、初期の緑内障はなかなか発見できないという致命的な弱点がありました。 ところがこのOCTがあれば、視神経がどの程度減ってしまっているのかを、まるでCTやMRI画像のように分かりすく他覚的検査結果として表示することができるので検査結果の信頼性が高く、かつ視野検査ではまだ検出できないレベルの初期の緑内障の段階で病気を発見できるのです。更に「視野検査」と較べると検査自体が短くかつ楽チンであるということも大きなメリットです。 まとめると、怖い病気緑内障に対して 「精神的・肉体的に楽な検査で、早期発見、早期治療ができる」 これがこのOCTによる緑内障検査の最大の利点と言えるでしょう。 もちろんこのOCTは非常に新しい機械なので、その検査結果をどう読み切っていくか、私も毎日猛勉強を続けています。
2010.09.10
さて数カ月にわたって機種選定を進めてきていた、さまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械ですが、ついに購入マシンを決定しました。 悩んだ末に最終的に購入したのは、日本のトプコン社の「3D OCT-2000」です。 このトプコン社のマシンのどこが良かったのか?、以下に箇条書きにして示したいと思います。 1. 何といっても汎用性が高い。OCT画像と同時に通常の眼底写真も撮ってくれて、実際の眼底写真とOCT画像を同時に見て戴きながら分かりやすく病状を説明することが出来るので患者様に大好評である。 2.マシン本体がコンパクトで設置場所を取らない。眼科と言うのはとにかく検査機械が多いので非常に助かる。またデザインも流麗で洗練されていること、タッチパネルで操作性が抜群に良いこと、各撮影モードがしっかりと考えて作り込まれていることも魅力である。 3.前眼部(角膜や隅角という眼の表面に近い部分)の撮影がしやすく、かつ画像のクオリティが極めて高いこと。この前眼部OCTというのは使って見ると意外に重宝する(他科の先生方から、緑内障がある患者様への投薬の可否に関してコンサルトされた場合に、分かりやすいOCT画像付きで紹介状の返事を作成できる等)。 4.実はこれが一番大きな決め手となったのだが、このトプコンのOCTはバージョンアップが頻繁でどんどん機械としての洗練度、ソフト内容が良くなってきていること。おそらくこの機械はトプコンにとっての「勝負マシン」で、開発費をゴボッと潤沢に投入しているのだろうと思う。私が最後にデモさせて戴いたバージョンでも、数ヶ月前に体験したマシンとは「まるで別物」というくらい良くなっていたが、今後も更なる改良が予定されているとのことで非常に楽しみでもある。 さて今回のOCT購入選定に当たっては、医療機器ディーラーのアーガス様、吉田メディカル様、またトプコン、ニデック、カールツァイス、中央貿易産業など各機械メーカー様に大変お世話になりました。心から感謝しています。 今後、私及びスタッフ一同、この新しいOCTという機械を得て、更に分かりやすく安心感のある眼科医療を提供していけるように頑張っていきたいと考えています。
2010.09.08
9月24日(金)~9月26日(日)に福岡市で開催される 第21回日本緑内障学会 出席のため、9月24日(金)及び9月25日(土)は休診とさせて頂きます。 緑内障に関しては、OCTという新しい機械による診断技術の劇的な進化、2種類の目薬が1瓶に入った配合点眼剤の多数の登場、主に海外でですが新しいデバイスの登場によるインプラント手術の進化など、たくさんの新しい話題があり、私も眼科専門医としてその診断・治療技術の進歩についていかなくてはなりません。 そのため、クリニックを休診してでもしっかりと最新の知見を学んでくることが、これからも八幡浜地域の皆様に信頼して戴ける施設であり続けるために必要なことだと考えています。 なお、9月27日(月)からは通常診療となりますので、よろしくお願い致します。
2010.09.05
現在の日本では各科毎にそれぞれ独自の専門医制度が設けられています。眼科にももちろん専門医制度はあり私も当然その専門医なわけですが、今日はその専門医制度について少しお話してみようと思います。 まずその受験資格なのですがちょっと細かいですが以下のようになります。 1)日本眼科学会及び日本眼科医会の会員である者。 (2)第9条に規定する施設において、施行細則で定める研修内容により5年以上眼科臨床を研修した者。あるいは厚生労働省の定める卒後臨床研修(2年間)終了後、第9条に規定する施設において施行細則で定める研修内容により4年以上眼科臨床を研修した者。即ち卒後臨床研修を含め6年以上の臨床経験を終了した者。 更に具体的な研修内容として 1)一般初期救急医療に関する技術の習得 2)眼科臨床に必要な基礎的知識の習得 3)眼科診断、ことに検査に関する技能の修得 4)眼科治療に関する技能の取得<関与する眼科手術が100例以上:外眼手術、内眼手術、およびレーザー手術が執刀者としてそれぞれ20例以上> 5)症例検討会などへの出席 6)眼科に関する論文を単独または筆頭著者として1編以上および学会報告を演者として2報以上が指定されている 2.4年以上日本眼科学会会員で、かつ受験時に日本眼科医会の会員である者の条件を満たした者 (3)委員会が行う専門医認定試験に合格した者。 となっています。 今年も6月18日から6月19日にかけてその日本眼科学会専門医認定試験が行われました。 初日は午前中に2時間眼科に関する一般問題、午後には更に2時間実際の臨床に関する実地問題の筆記試験があります。 一般問題に対する回答の仕方は上記写真の通り、「選択肢5つから正しいものを3つもしくは2つ選べ」等というものが多く、しっかりとした実力が無いとなかなか答え切れない骨のある問題が並んでいます。 午後の臨床実地問題の方は、 ↑ このような実際の患者様の眼の写真を見ながら設問に答えて行くもので、これまたしっかりとした眼科外来診療での経験と努力が無いと答え切れません。 更に2日目には口頭試問があるのですが、これは各大学の教授クラスの先生方を眼の前にして出される各種の問題によどみなく答えられなくてはならず、毎年筆記試験をクリアしてもこの口頭試問で撃沈する人もいます。 そして今年の専門医試験の結果は、、、、 総合合格率60.8%でした。 この試験は毎日バリバリと眼科臨床で働いている我々眼科医を対象にしたものなので、その眼科医が真剣に戦って合格率が60%というのはかなり低いのではないか?と思います。その意味では「眼科専門医制度」というのは一定の能力のある眼科医を認定する試験として、まずまず機能していると考えています。 もちろん眼科専門医試験に一度パスすればそれで終わり、というわけではありません。 合格すると専門医の認定証がもらえるのですが、その期限は5年間限定です。眼科専門医資格を更新するには、この5年の間に眼科専門医制度委員会が認定する学会参加や点数制の研究・学術活動を行い、合計100単位を取得しなければなりません。 この点数は、例えば学会出席で半日2単位・1日3単位、講習会出席1時間1単位、学会発表2~4単位、論文執筆4単位など細かく規定されています。なので、眼科専門医になってもその後の勉強を怠ると、一旦手に入れた専門医の資格を失ってしまいます。眼科専門医を名乗り続けるには一生涯を続けての勉強が必要ということです。 眼科専門医であり続けるためには、上記のとおり5年間で100単位、1年間では20単位を取ればよいわけですが、私は個人的に「普通の眼科専門医の2倍は勉強しよう」と考えており、年間40単位の取得を目標としています。 例えばこの1年で言うと、昨年の10月には福岡市で行われた日本臨床眼科学会で8単位、今年の5月には香川県高松市で行われた四国EYEランドセミナーで6単位、6月には大阪市で行われた日本白内障学会で6単位、生涯教育講座で11単位を取得しています。更に、来月の9月には福岡市で行われる日本緑内障学会への出席で8単位取得を、10月には広島市で行われる瀬戸内眼科コロシアム出席で6単位取得を予定しています。 このように我々眼科専門医は、毎日毎日皆様の眼の健康を守り続けることが出来るように勉強し続けています。私も「最新・最適・快適・安全な全国レベルの眼科医療をここ八幡浜で提供し続ける」ことが出来るように、これからも頑張っていきたいと思っています。
2010.08.29
さて当院でもいよいよ今月中を目途に導入を予定している、さまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械ですが、4社のマシンをデモさせて戴きいよいよどれを選ぶのか最終決断の時が近づいています。 OCTは我々眼科開業医にとって「買いたい検査機器ナンバーワン」であると学会やネット上でも報告されており、私のように「あぁ、どれ買おう。迷うなあ」と悩んでおられる先生方もいらっしゃると思います。その割に各マシンへの実際のユーザーによる評価がネット上にはほとんどありません。私も色々検索しましたが大した情報を得られませんでした。 そこで今日は私が購入候補の各マシンの長所及び弱点をまとめて語ろうと思います。それはもちろん自分の考えをまとめて最終決断を下すためでもあります。現段階で候補に残っているのは下記の3社です。デモさせて戴いた順番に取り上げます。 まず1社目は日本のトプコン社の「OCT-2000」です。 トプコン社のマシンの最大の長所はその「汎用性の高さ」です。何しろOCTだけでなく、通常の眼底写真も同時に撮影することが出来るのです。患者様に眼底写真とOCT画像を同時に見て戴いて病状を説明することが出来るので、その分かりやすさは群を抜いています。 また、マシン本体がコンパクトでデザインも洗練されていること、タッチパネルで操作性が良いこと、各撮影モードがしっかりと考えて作り込まれていることも魅力です。 更に特筆すべきなのは、その前眼部(角膜や隅角という眼の表面に近い部分)の撮影のしやすさと画像のクオリティの高さです。他社は取り付け部品が武骨に大きかったり取り付けが難しかったりするのですが、トプコンのそれは超簡単です。前眼部OCTは使って見ると緑内障やレーシック術後の患者様に説明をするのに非常に有用で重宝します。 最後にトプコンのこのOCTは凄い勢いでバージョンアップしていることも魅力的です。今週中には緑内障3次元解析(3Dトポ)がそれまでの検査時間5分が大幅に短縮された新バージョンがデビューするとのことで、私としてはできれば一瞬でもその新マシンを見てから購入マシンを決定したいと熱望しています。 次に弱点ですが、他社、特にニデック社と較べたときにスキャンエリア(一度に調べられる範囲)がやや狭い(限界で6×6ミリ)こと、付属しているカメラのクォリティがやや低いように感じられること、また私がデモした段階では緑内障診断モードでの視神経乳頭のオートでの検出力がかなりダメダメだったことです。 さて次の2社目は同じく日本のニデック社のRS-3000です。 ニデック社のマシンの最大の長所はその撮影のしやすさ・早さです。操作はほぼフルオートで簡単、非常に簡単に快適にレベルの高い撮影が出来ます。また検査結果の画像の美しさはまさに絶品、流石は「技術のニデック」を思わせる素晴らしい機械です。 更に素晴らしいのが、9×9ミリと言う驚異のワイドスキャンエリアを持つことです。このワイドエリアで撮影すると、視野検査では全く検出できないレベルの初期の緑内障も丸分かりです。まさに鳥肌が立つほどの技術力、ニデックは凄い会社だと思います。余談ですがニデックの機械と言うのは本当に壊れません。恐らく技術の精度が高いんでしょうね。 次に弱点ですが、機械のサイズが大きくてややかさばること、その高性能を反映して価格が他社と比較すると高いことがあげられると思います。また、ニデックは技術オリエンティッドな会社なので伝統的にそうなのですが、検査結果表示画面が他社に較べると洗練されていないというか直感的に分かりにくい感じがあります。また後眼部(網膜と視神経)撮影モードが驚異的に優れている半面、前眼部撮影モードはこれまた逆に驚くほど出来が悪いです。(ただしメーカーによるといずれバージョンアップで改善する予定とのことですし、ニデックの技術力を考えればそれは間違いないでしょう) さて最後の3社目はドイツのカールツァイス社の「シラス HD-OCT モデル400」です。 このカールツァイス社のマシンの最大の長所は「ワールドスタンダードである」と言うことです。学会発表や論文(特に海外)でのOCTデータは、カールツァイスのものを使用することが多く、大学等の研究機関ではこのカールツァイスのマシンはマストアイテムです。 また検査結果画面の表示の分かりやすさも非常に魅力的です。この点においては他社の追随を許しません。前眼部・視神経・網膜、全てのレポートが必要十分かつ簡潔にまとめられており、パッと見ただけで瞬時に直感的に結果を理解することが出来ます。 弱点は、患者様があごを載せる台の操作性がかなり悪いこと、更にそこが故障しやすそうなこと、ソフトのバージョンアップ代金がかなり高額なこと、スペックだけで見ると国産マシンに見劣りすることです。 さて、いよいよこの3社の中から購入マシンを決定します。それぞれのマシンに魅力があり決断は困難を極めそうです。。。。。。
2010.08.24
この日記でも以前から大推薦してきた、次世代型1日使い捨てソフトコンタクトレンズの「ワンデーアキュビュー・トゥルーアイ」 なんですが、レンズ工程の一部に不具合があったということで自主回収が発表されています。 自主回収となっているのは、 上記の度数の該当するロット番号のものです。 当院で処方させて戴いた患者様の中にも合計で40箱の該当製品がありました。既に全患者様を特定しており販売元のジョンソン&ジョンソンにも通知済みですが、目のトラブルを避けるために、上記のロット番号のレンズをお持ちの患者様は絶対に使わないようにして下さい。 実は私自身も現在このワンデーアキュビュートゥルーアイをメインレンズとして毎日使用していたのですが、バッチリこの自主回収品に該当してしまいました。!! そういえば、以前に朝コンタクトを入れたときに異常に目がしみてレンズを交換したことが何度かありました。(汗) その時に「これはちょっとおかしいんじゃないか?」と感じ取らないといけなかったですね。眼科専門医としてちょっと反省をしております。
2010.08.20
今年の夏は本当に暑いですね。特に今日は凄かったです。 最近はあまりの暑さで待合室のエアコンの効きが少し悪くなっています。午前中は十分に涼しいのですが、午後の外来が始まる頃に少し暑い時があるんですね。開院時の設計段階では余力を持って強力なエアコンを入れたのですが、今年の夏の暑さがそれだけ異常ということかもしれません。 それで色々と対処法を考えたのですが、 エアコンの室外機に日除けのよしずをかけてみました。一定の効果を認めるようです。 暑い夏、何とか元気に乗り切りたいですね。
2010.08.16
お盆が近づいてきましたね。私の住む八幡浜市は都会から帰省された方が多くて街は久々に活気を取り戻している感じです。 さてこの時期なんですが、「このところ急に目がかゆくなった」という患者様が割と多いんですね。 実は今は、キク科・ブタクサ属の1年草であるブタクサ による花粉症の時期なのです。スギ・イネ・そしてこのブタクサが「世界3大花粉症」の原因で、日本でも花粉症の原因の第3位なのです。 イネ科の雑草(カモガヤ・イネなど)による花粉症の時期が終わりに近づくと、次はこのブタクサ花粉症の季節の始まりです。まさに「花粉は続くよ、どこまでも」なんですね。 目薬・内服薬で速やかに改善しますので、症状のある方は我慢せず早めにお近くの眼科専門医を受診されてくださいね。
2010.08.09
当院で近日中の導入を目指している、さまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械ですが、現在4社目、最後となる機械をデモ中です。 今デモさせて戴いているのは、ドイツのカールツァイス社の「シラス HD-OCT モデル400」という機械です。 実際の機械は、 ↑ こんな感じでちょっと小太りでずんぐりしていて、非常に可愛いデザインのマシンです。 カールツァイス社はカメラのレンズ等でも著名なメーカーですが、我々眼科医にとっては手術顕微鏡、外来診療顕微鏡などでのナンバーワンメーカーでもあり、そのブランド力・神通力は抜群です。実際私も白内障手術ではこのカールツァイス社のルメラという新型顕微鏡を使っているのですが、その見え方は他社とは正に別次元、「このマシン以外では手術が出来ない!」というくらいのクオリティの高さなのです。 ↑ この「ZEISS」のマークを見てしまうと、 猫にマタタビ、眼科医にはカールツァイス と言われるくらいで、条件反射的にうっとりして財布の紐が緩んでしまうのが、我々眼科専門医に共通する弱点なのです。(笑) いかんいかん、それでは実際のマシンの出来はどうだったのでしょうか? カールツァイスらしい、質実剛健な操作性、安定し安心感のある検査結果画面表示で非常に実力のあるマシンでした。 お盆明けまでお借りして実力を評価させて戴いたうえで、購入するマシンを最終決定することになります。どのマシンもそれぞれ魅力があり、決断は困難を極めそうです。自分は経験が無いですがお見合いをしてお嫁さんを選ぶようなものなのでしょうか? 最後の選択は果たして、、、、、、、、、、、
2010.08.01
私が普段から訪問させて戴いている眼科関係の珠玉のサイトをブックマークとして追加しました。(ページの左側に載っています) 私が身を置いている眼科業界と言うのは診断・治療技術の進化が極めて早く、常に努力をしている医者とそうでない医者では残酷なほどに力量に差がついてしまう過酷なところです。 今回ブックマークとして公開したサイトは全て私自身が目標とし、一流と感じるところばかりです。 医者の力量と言うのはパッと見て分かるものではないわけですが、患者様は自らの健康をその医者に託しているわけで、何回か通院していると不思議なことに直感で「あっ、ここはいいな」とか、「どうもこの医者はダメだな」となんとなくわかるものです。 私及びスタッフは、この厳しい眼科医療の世界でこれからも信頼され選ばれ続けるクリニックであり続けるように毎日努力していきたいと考えています。
2010.07.30
先日の日記の続きです。有効な治療法が無いと言われる難病、網膜色素変性症ですが、実は数年前から散発的に「ウノプロストンという目薬が効果がある」という論文を目にするようになりました。 論文によると著しく自覚症状が改善した患者様が実際にいるということです。これはウノプロストンが持つ、網膜の神経節細胞のグルタミン酸障害に対する保護作用によるものではないか?と推察されていますが、まだはっきりしたことは分かっていません。 ↑ これがそのウノプロストンです。実際には「レスキュラ点眼液」という名前の緑内障・高眼圧治療薬です。 このレスキュラ、10年以上前にはベストセラー薬として一世を風靡したこともあったのですが、「点眼時に非常にしみる」、「角膜(黒目)の上皮障害を高率に起こす」、「眼圧下降効果が弱い」などの弱点があり、他の緑内障新薬に負けて現在では処方されることが非常に少なくなってきています。 ところが薬の作用と言うのは不思議なもので、今また新たな病気に効く可能性が浮上しているわけです。緑内障を合併している網膜色素変性症の患者様には当然保険診療の範囲内で処方することが可能な目薬なので、私はここ数年網膜色素変性症がある方には、このレスキュラ点眼液について説明をし希望の方には実際に処方もしてきました。 「この薬はしみるのでイヤ」という方ももちろんいらっしゃいましたが、継続されている方の中に「レスキュラさし始めてから、なんだか視界が明るく良く見えるようになった」と、自覚症状の改善を認める患者様も実際にいらっしゃいます。 なので、私は自分自身の経験から「レスキュラには網膜色素変性症の治療薬となる可能性がある」のではないか?と感じています。 また実際にこのレスキュラ、現在開発元のアールテックウエノ社が、少し濃度を変更して(未確認データですが25%濃度を上げているという説もあります)、オキュセバ点眼液と言う名前で、網膜色素変性症の治療薬として治験中 でもあります。 医学の世界は常に少しづつ進歩しています。昨日治らなかった病気も明日には治ることもあります。私は八幡浜地域の皆様に全国レベルの最新で安全な眼科医療を提供し続けることが出来るように、これからも毎日の勉強を欠かさずに努力していきたいと考えています。
2010.07.25
遺伝性の疾患で、全世界平均で3000~4000人に1人の発症率と言われている、網膜色素変性症という難病があります。 これは進行性の病気で、最初は「薄暗い所で見えにくい」などの症状ですが、徐々にその夜盲・視野狭窄が進み、末期には高度の視力低下あるいは失明に至ることもあります。成人中途視覚障害原因3位であり、頻度が低いとはいえ大変重要な疾患です。 ↑ これがその「網膜色素変性症」の患者様の実際の眼底写真ですが、中心部を除いて網膜が高度に変性・萎縮しているのが分かります。 私が開業している愛媛県八幡浜市及び「日本一細長い半島」で知られる伊方町は、数十年前までは隣町の大洲市・西予市等とは険しい山で遮られていて、道路状況が非常に悪いということがありました。その関係で例えば近親婚なども多くあったのでしょうか? 原因ははっきりしませんが、私の開業しているエリアには、この網膜色素変性症の患者様が非常に多いという印象があります。 暗順応〈あんじゅんのう〉改善薬や、ビタミン剤、網膜循環〈もうまくじゅんかん〉改善薬などを、進行予防のため補助的に処方することが多いのですが、それらの薬の有効性には根拠となる証拠がなく、我々眼科専門医も非常に心を痛めているのが現状です。 私は八幡浜に来て4年半が経ちました。前述したとおり網膜色素変性症の患者様が大変多いこともあり、ずっとこの病気について勉強を重ねてきました。その中で私は「一筋の光明」を見出したのです。(続く)
2010.07.23
いやあ連日暑いですね。今の季節と言うのは眼科は一年で最も患者様の多い時期の一つであり、待ち時間が普段よりも長くなってしまっているかもしれません。少しでも待ち時間が短くなるようスタッフ一同これからも鋭意努力していきます。 さて今日はその待合室の風景をちょっとお届けしてみます。掲示板には、 この「院長日記」の宣伝を貼ってあります。(笑) 最新のマガジンラックの様子です。 雑誌類は常に内容を刷新しより人気のあるものに入れ替え続けていますが、最近患者様に評判の良いのが、 この「バカ画像」シリーズです。中身は例えばこんな感じです。 パッと見てすぐに笑えるところがいいのかもしれないですね。 これからも少しでも待合室環境が良くなるように、常に努力していきたいと考えています。
2010.07.20
8月12日(木)~8月14日(土)は、お盆休みのため休診とさせて頂きます。 8月16日(月)からは通常診療となりますので、よろしくお願い致します。
2010.07.16
私が開業する前から当院のちょうど目の前には消火栓があり、そこに宣伝募集の告知がずっと貼ってありました。 私はつい先日、ふと「そうだ、この消火栓はちょうどクリニックの真ん前だし、広告を出そう」と思い立って広告会社に連絡をしました。 私の住む八幡浜市はとにかく不景気で、市内中心部の消火栓広告枠がほとんど埋まらずに非常に困っているとのことで、色々とやり取りが有って結局合計10枚!もの消火栓広告を出すことになりました。 市内中心部に、上記のような「ちびちび広告」が10枚あります。皆様はその内の何枚を発見できるでしょうか?もしも10枚全部を見つけられた方には先着1名で私から粗品を進呈したいと思いますので、ぜひチャレンジしてみて下さいね。(笑)
2010.07.14
当院で近日中の導入を目指している、さまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械ですが、現在3社目となるニデック社の製品をデモ中です。 OCTをこれから購入予定という先生も多いでしょうし、自分自身の考えをまとめるためにも、今日は今までデモさせて戴いた3社のマシンについて簡単にまとめておこうと思います。 まず1社目はOPTVIEW社の「i Vue 100」というマシンでした。 このマシンは車で例えるならば、走るという機能だけに特化して軽量化したマニュアル車のようなものでした。搭載された機能は最小限、操作もマニュアルでやや慣れを必要とします。 ただ、機能はシンプルながら「これで必要十分」と思わせるものがありましたし、機械の大きさもコンパクトで価格も他社と較べると廉価でもあり、余分なものが付いていない研ぎ澄まされた潔いマシンでした。 2社目は日本のトプコン社の「OCT-2000」でした。 このトプコン社は東芝系の測量機器と眼科用機器の会社なのですが、ここ数年の眼科用の各製品は率直に言ってあまり出来が良いとは言えず、私は「トプコンは測量機器に開発費を投入していて、眼科用製品にはあまりお金をかけてないんだろうな」という認識でした。 そのためこのOCT-2000にも大きな期待はしていませんでした。ところがどっこいこのOCT-2000、トプコン社としては久々の出来の良い快作だったのです。 コンパクトな躯体にぎっしりと詰め込まれた豊富な機能、まずまず使いやすい操作性、各撮影モードもしっかりと考えて作り込まれており、総合力の非常に高いマシンでした。 唯一の弱点は緑内障診断に使う視神経を解析する「サークル」モードでオートでの視神経乳頭の検出力がかなり悪いことでした。ここさえ良ければなあ。惜しまれます。ただ、今後もいくつかのバージョンアップが予定されているとのことなので、マシンの戦闘力は更に上がっていくのかもしれません。 3社目は日本のニデック社のRS-3000でした。 ニデック社の製品の特徴はその撮影のしやすさです。操作はほぼフルオート、非常に簡単に快適にレベルの高い撮影が出来ます。画像の美しさも特筆すべきものがあり、流石は「技術のニデック」を思わせる素晴らしい機械です。 ただ機械のサイズがかなり大きくてかさばること、価格が他社と比較してかなり高額となることが弱点です。 OCTに関しては、最後にもう1社の製品をデモさせて戴いて、その後に実際に購入するマシンを決定する予定でいます。どのマシンを買うことになるのか、自分でも楽しみにしています。
2010.07.09
先日のことですが、「飼い犬が急に前足を出してきて、爪が左目に入った。ごろごろして痛い」という訴えで患者様が来院されました。早速目を拝見すると、 白目(結膜)が切れて、犬の爪の跡もくっきりとついています。症状としては軽く大したことはなかったのですが、患者様は「グラちゃん(仮名)は普段はとってもいい子なのに、どうして急にこんなことをしたのかしら?」と大変ショックを受けておられます。 私は「でもまあ、怪我したのが黒目(角膜)じゃなくて不幸中の幸いでしたよ。」と慰めて、「せっかく来て頂いたので目の奥(視神経や網膜)もついでに診せて頂きましょう」と拝見すると、 パッと見ただけで両目とも目の神経が減っており、緑内障が非常に疑わしい状態です。 精密検査で視神経の周りの神経繊維層を分析してみると、 やはり両目とも神経の量が減っています。(上記の写真の赤色で示された部分) 視野検査上でも、 やはり両目ともすでに視野が欠けています。でもラッキーなことにまだ緑内障としては初期でした。今から治療を開始すれば失明まで至ることはまずありません。 ただこのくらい初期の緑内障だと、自分自身で気づくことはまずありません。今回は愛犬のグラちゃんのおかげで偶然眼科に来てそれで緑内障を初期で発見することが出来たのでした。 私が患者様に「グラちゃんは、もしかしたら不思議なパワーで飼い主の目のピンチを知らせてくれたのかもしれないですよ。忠犬グラちゃんですね。」と説明すると、患者様も「はい、うちの犬は本当に最高の子なので絶対そうだと思います。」と大喜びで帰宅されました。きっとグラちゃんは御馳走を貰えただろうと思っています。
2010.07.06
今日も、先月末に参加してきた白内障学会の機械展示での印象記です。 私は白内障手術時に使うナイフ類は基本的に「マニー」という会社のものを使用しています。ナイフ類は多くのメーカーから色々な種類のものが出ているのですが、今まで様々なメーカーの製品を使ってきた中で、マニー社のものが切れ味がナンバーワンだったからです。切れないナイフは危ないですからね。 今回の機械展示でもマニー社のブースに立ち寄りました。ちなみにこのマニーは手術用縫合針・眼科用ナイフでは世界的に有名な日本の会社です。 色鉛筆みたいでカラフルで綺麗ですね。ナイフ類は全てベトナム工場で作っているのですが、何故「世界の工場」である中国製ではないのか?ブースにいらっしゃった社員の方に質問してみました。 すると、「中国は基本的に個人主義が強過ぎて当社のような超微細な製品づくりにはあまり向いていない。ベトナム人はベトナム戦争に勝ったことでも分かるように、粘り強くて根気があり手先も非常に器用なのでナイフ作りにはピッタリである」ということでした。なるほど、勉強になりますね。 ところでマニー社は何故この社名なのでしょうか? 答えは、、、、 社長さんが「松谷さん」だからです。まつたに→まにー というダジャレなのかな?と思っています。会社名と言うのは、このように気軽にお気楽に決まっているところが驚くほど多いんですね。 社長さんが石橋さんなのでストーン(石)+ブリッジ(橋)で「ブリジストン」、社長さんが鳥居さんなので逆さまにして「サントリー」、外国製のジーンズに負けないぞ! 江戸で勝つぞで「エドウィン」なんかと一緒ですね。(笑) さてこれで、学会体験記はおしまいです。3回にわたってお付き合い頂き有難う御座いました。
2010.07.05
さて引き続き先週の白内障学会での機械展示ブースをめぐっての感想の話です。 私は白内障手術で、NIDEK(二デック)社のCV-7000という機械を使っているのですが、 その後継機種に当たるCV-30000(Fortas)が展示されていました。 新しいテクノロジーで前房(ぜんぼう)という手術空間の安定性が格段に増しているとのことでした。いつか機会があったら是非使ってみたいと思っています。 とにかくこのNIDEK社の製品はさすがに「メイド・イン・ジャパン」だけあって、信頼性・耐久力が抜群です。私が今使用しているCV-7000も開業後2年少し経ちますが発生したトラブルは0、本当にタフで頼れるマシンです。 ブースをウロウロしていると、 白内障手術で、濁った水晶体を削る先端部分であるUSチップの新商品が発表されていました。 先端の形状が工夫されており、小さな傷口から挿入しやすく手術効率も良くなっているとのことで、これに関しては早速当院でも実際に使ってみようと思っています。 学会と言うのは、このように色々な発見があるので非常に勉強になるんですね。
2010.06.29
さて先週末は大阪市で開かれた日本白内障学会に参加してきたわけですが、学会場では同時に機械展示場も併設されており、そこでさまざまな最新の機器を実際に体験することが出来ます。 今日から数回に分けてその展示場で目に付いたものを報告しようと思います。 今日はまず、当院で採用している電子カルテのPSC社のブースです。 私も開業前に色々なメーカーの電子カルテを比較検討したのですが、このPSC社のものが一番使いやすくて出来が良いと感じて採用しました。特にClaioという画像管理ソフトの仕上がりが抜群なんですね。 ↑ これが今現在私が使っているバージョンの画面写真なんですが、 数ヵ月後には上記写真のように「手でめくる」感じのより自然で直感的に分かりやすいバージョンにアップするとのことです。非常に楽しみですね。 ちなみにこのPSC社、愛媛県松山市に本社があり言わば私の地元の会社なのです。スタッフの方も皆さん真面目で熱心で情熱的です。 これからも、このPSC社の電子カルテと共に毎日の外来診療を頑張っていこうと思っています。
2010.06.29
明日6月25日(金曜日)の午後、及び6月26日(土曜日)は、院長である私の学会出張のため休診とさせて頂きます。 大阪市で行われる、日本白内障学会・日本眼内レンズ屈折手術学会へ参加してきます。 私の専門はなんといっても白内障手術、明日からの外来診療・手術のレベル維持に直接役立つ大切な学会ですので御了承下さい。 なお、6月28日(月曜日)からはいつも通り通常診療となりますので、よろしくお願い致します。
2010.06.24
視力補正を目的としない美容目的のカラーコンタクトレンズ、いわゆるカラコンというものがあります。 ネットで気軽に誰でも買えることもあって、若い女性を中心に多くの方が使用しています。具体的には例えば下記のような品物ですね。 目力(めじから)が分かりやすくアップするので、特に若い女性の方が使用したい気持ちは良く理解できるのですが、このカラコン、品質にバラツキがあり、ひどいものになるとカラーの色素が溶け出したり、成型が雑で破損しやすかったり、品質が悪くて酸素透過性が危険なまでに低かったりと色々なトラブルがあります。 今日も「カラコンを入れてるんだけど、最近なんだか目がかすむので来た」という患者様が来院されました。早速目を拝見すると、 角膜(黒目)の表面が傷だらけ(上の写真の緑色に染まっている部分)になっています。そのせいで視力も下がっています。カラコンは元々その色素部分のせいで酸素が通りにくいのですが、装用時間が長過ぎたため角膜が極端な酸素不足に陥りこのような状態になってしまったのです。 カラコンはパーティーなどの「ここぞ!」という場面で短時間に限って使用するべきアイテムであり、美容目的で1日中入れっぱなしにするのは非常に危険です。皆様も十分に気を付けて下さいね。
2010.06.22
ワールドカップの日本対カメルーン戦、面白かったですね。残り2試合も楽しみです。 ところでサッカーボールが目に当たったらどうなるでしょうか? 実はサッカーボールは大きくて、目を直撃するというよりはその周りでダメージを吸収できるので大きな問題になることは少ないです。 では、逆に「目に当たると危ないボール」は何でしょうか? これはもうダントツでゴルフボールです。大きさがちょうど眼窩(がんか)という目の入っている場所にぴったりなので非常に危ないんですね。 私の経験では「あっ、危ない!」という声で振り向いたら、ちょうど飛んできたゴルフボールが目を直撃してしまい、目の玉が破裂して結局失明してしまった方もいます。 それ以外では硬式野球のボールも危険です。これが目を直撃すると黄班部という、視力に最も大切な部分が傷んでしまって視力低下を来すことが多いです。 スポーツの楽しくなるこれからの季節ですが、皆様目を怪我しない様に十分注意してくださいね。
2010.06.16
私の住む愛媛県八幡浜市は河豚が美味しいことで有名な港町ですが、その中央部には新川(しんかわ)という川が流れそのまま海につながっています。 私は毎日この川沿いを1キロ程歩いてクリニックへ出勤しています。新川には、 丸々と太った野生の(?)鯉がたくさん泳いでいて目を楽しませてくれます。 今日の朝もいつものように歩いていると、 おじさんが何かしています。護岸に降りて行って見てみると、 おじさんが仕掛けの中身を調べています。中身はなんと、、、 天然うなぎでした。! 軽く水洗いしたら蒲焼きにして食べられるそうです。 この新川が天然うなぎが採れるほど綺麗だとは知りませんでした。地元民としてなんだか嬉しくなる出来事でした。
2010.06.10
さまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械、本日より日本のトプコン社の新型機械のデモ開始です。 網膜・視神経・前眼部(目の表面部分)を立体的に描写することができます。実際の機械は、 こんな感じです。思ったよりもコンパクトで設置性に優れていますね。 画面はタッチパネルで日本語表示で使いやすそうです。 これから2週間ほど実際にデモさせて貰う予定です。どれほどの性能・使いやすさなのか、楽しみにしています。
2010.06.08
当院ではソフトコンタクトレンズ処方に際しては、主にジョンソン&ジョンソン、シード、クーパービジョン、ボシュロムの4社の商品を取り扱っています。 ただ世の中にはコンタクトレンズメーカーは他にもたくさんあります。そんな中今回、愛知県名古屋市に本社を持ち(ちなみに院長の私も名古屋出身です)、国内最大手のコンタクトレンズメーカーであるメニコン社の看板商品、「2WEEK プレミオ」をお試しする機会があったので、それについて書いてみたいと思います。 このレンズ、新素材シリコーンハイドロゲル採用で酸素透過係数(Dk値)は129.0と極めて高く、装着感に大きな影響を与えるレンズ周辺部に技術を凝らして薄型に均一に仕上げてあり、そのスペックには素晴らしいものがあります。この1週間で実際に自分の目に入れて体感してみました。 その感想は、 1.シリコーンハイドロゲル採用による酸素透過率の高さは十分に実感できる。同じシリコーンハイドロゲル採用レンズでも出来の悪いものは外した後に「あーっ、やっと外せて良かった。目が生き返った感じでホッとした。」という感覚を持つのですが、このプレミオに関してはそれが無かった。 2.装着感に関しては、2WEEKタイプでは世界最高のレンズと私が考えているジョンソン&ジョンソン社の「アキュビュー オアシス」には残念ながらやや及ばない。 3.レンズが形崩れしにくくて、ハンドリング(取り扱い)に関しては極めて優れている。 くらいでした。総合的に考えればかなり優れたレンズと言えると思います。 これからも様々なコンタクトレンズを実際に試して、コンタクトレンズ処方御希望の患者様からの質問に常に分かりやすく的確にお応えできるようにしていきたいと考えています。
2010.06.06
さてこの数カ月で、ザラカム、デュオトラバ、コソプトと緑内障の新薬が続々と登場したことは最近の日記でお知らせした通りなのですが、実はこれからも緑内障の新薬は続きます。 ↑ これは「アルファガンP」という目薬で、アメリカではすでに数年前に発売されている売上高世界上位のベストセラー薬です。 このアルファガンPは「選択的α2作動薬」といって、目の中を流れる房水(ぼうすい)の産生を抑制しつつ流出を促進するという、2つの作用機序を持つ非常に優れた薬剤です。 今の日本には存在しない系統の目薬なので、他のPG製剤やβ遮断薬などと組み合わせて使うと大きな効果を発揮する可能性があり、その発売が待ち遠しいです。 日本では現在開発段階のフェーズ3にあり、順調にいけば数年以内には登場してくるものと期待しています。
2010.06.05
さて来たる6月11日に、全国の患者様からその登場が熱望されていた緑内障新薬のコソプト配合点眼液がいよいよ日本でも発売となります。 このコソプト配合点眼液は、房水の産生を抑制する「β遮断剤」のチモロールと「炭酸脱水酵素阻害剤」のドルゾラミドの2種類のお薬が1瓶に入ったものです。 薬の承認に関しては世界一厳しいと言われるアメリカFDAで唯一承認されている配合点眼液であり、その売上高は緑内障薬の中ではPG製剤のラタノプロストに次いで世界2位のベストセラー薬です。その効果はまさに「折り紙付き」、この名薬をついに日本でも使用できることを、私は緑内障治療医として本当に嬉しく思っています。 サンプルを戴いたので、早速当院のスタッフがチャレンジしてくれました。まずはきみちゃんから。 眼圧は16.0から11.7へと下降しています。 次はゴンちゃんです。 眼圧は15.0から11.3に下がっています。2人とも良く効いていますね。 このコソプト発売日には、同時に以前紹介した「デュオトラバ配合点眼液」も発売となります。新薬の登場スピードに負けないように私自身も勉強を重ね、ひとりひとりの緑内障患者様それぞれの状態にぴったりと合った、オーダーメード感覚のベストの緑内障治療を提供できるように努力していきたいと思っています。
2010.06.05
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