「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

06日 横山幸雄「ピアノ五重奏の夕べ」



ピアノ/横山幸雄
ヴァイオリン/矢部達哉・双紙正哉
ヴィオラ/鈴木 学
チェロ/山本裕康


1・フォーレ
   ピアノ五重奏曲第2番ハ短調作品115


************ intermission *************

2・シューマン
   ピアノ五重奏曲変ホ長調作品44



 2008.3.6.東京文化会館小ホール 1-N-62

今夜はピアノの横山幸雄を中心とした室内楽コンサート。

都響コンマスの矢部、同首席の双紙、ヴィオラ首席の鈴木にチェロは神奈川フィル首席の山本のメンバー、常設の演奏団体ではないので最初に演奏されたフォーレ作品での明らかに練りが乏しい、殺伐とした表情の演奏に聴こえたが、或いはフォーレのこの作品自体が持つやや不安定なリズム、ハーモニーの不調和などが影響しているのかも知れない。

休憩後のシューマン作品、実はこの曲が狙いで今夜、ホールに来たような訳で、横山の積極的なピアノのリードにヴァイオリンの矢部以下メンバーが渾身とも言える演奏を繰り広げた。
第1楽章、肝心の出だしから全員息の合った演奏で始まり、第4楽章終盤に再び
第1楽章第1主題が現れ見事なコーダでフィナーレとなるのだけれど、今夜の演奏は期待通りの、お終いまで飽きさせることない集中力に富む見事な演奏でした。

座席が舞台上手端のため、それぞれの楽器がバランス良く聞ける位置ではなかったが山本のチェロの柔らかい響きやヴィオラ鈴木、ヴァイオリンの双紙とみなさん
達者な腕前を示すが、ヴァイオリンの矢部だけは珍しいことに時折不安定さを覗かせたが全体の演奏の疵になるほどのことはない。

矢部達哉氏は都響のソロ・コンマスとしての日頃の活動や、いくつもの他の演奏団体で精力的に活躍を続ける氏のこと、今夜はストヴァイとしての責任から他のメンバーへの気使いが過ぎたせいかも知れない。
本日は恒例の都民フェスティバル助成公演の一環の催しでホールは満員の盛況であった。
★★★★☆


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