「のり2・クラシカ」鑑賞日記

「のり2・クラシカ」鑑賞日記

17日 キタエンコ&東響サントリー定期


東京交響楽団第560回定期
コンサートマスター:大谷康子

1・シューベルト
   イタリア風序曲第1番


2・ショスタコーヴィチ
   チェロ協奏曲第1番変ホ長調
     ヨハネス・モーザー(チェロ)

アンコール曲
  バッハ:無伴奏チェロ・ソナタ第1番からサラバンド

***************** intermission ***************

3・チャイコフスキー
   交響曲第5番ホ短調


 2008.10.17.19:00 サントリーホール 1-18-28

2年前の2006年東響定期でのショスタコ「レニングラード」の熱演の記憶が
甦る指揮者キタエンコと やはり2年前マゼール&NYフィル来日公演
で「ロココ風」を演奏したチェロのモーザー、期せずしてお二人とも
2年ぶりに聴くことになりました。

シューベルトのイタリア風序曲の軽やかな曲の運びと東響の特に弦セクション
の巧妙さに驚き。

チェロのモーザーは2002年チャイコフスキー・コンクールで最高位の受賞者
で前回NYフィルとの共演ではチャイコフスキーのロココ風の主題による変奏曲
を演奏、色艶に欠けるもののテクニックの確かさに感嘆した記憶があるが
今日のショスタコーヴィチの演奏はさらにチェロの腕にも磨きがかかり
表現も堂々としたもので大きな成長が覗われた。
キタエンコ&東響オケもドラマティツクな盛り上げをみせて好演。
尚、難度の高いホルン・ソロは首席のJ・ハミルが見事に務めた。
モーザー自身も東響との共演にいたく満足した表情が感じられた。
アンコール曲は2年前と同じ「サラバンド」でナイスな選曲で興奮の胸の動悸も
収まる。

休憩後のチャイコフスキーの交響曲第5番がこれまた素晴らしい演奏で圧巻。
全体に遅めのテンポで曲が進められるが各楽器間の受け渡しが非常に
スムーズで弛緩した場面がみられない。演奏中の楽員の緊張度も相当なもの
だと思うが其々持てる技術を遺憾なく発揮して凄まじいまでのフィナーレ
を迎えた。
2楽章でのホルン・ソロは竹村首席、クラリネット・ソロは十亀首席で
いずれも最高の演奏でした。

16型フル編成のチャイコフスキーではヴィオラ主席の西村さんが2プルト表、
第1ヴァイオリンの枝並さんが6プルト表に位置、特にヴィオラ・セクション
がいつもより音が前面に押し出して聞こえたような気がした。

キタエンコさん、ホール聴衆はもちろん東響楽員からも熱烈な歓呼を受けた。
次回の東響定期の登場が非常に待たれる指揮者です。
★★★★★


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: