心の病とともに・・ 野いばら姫の日記

心の病とともに・・ 野いばら姫の日記

お片づけ


 幼稚園児に完璧を求める人だった。取り敢えず床の物を放り込んだおもちゃ箱をひっくり返して、
「これは片付けたって言わない。ゴミまで入ってるじゃない、やり直し」と言う人だった。
 幼稚園児にとっては宝物も白雪姫にはゴミだった。何度もやり直しで、泣きながらより分けた。
 「片づけ」が終わった頃には、日が暮れていた。

 白雪姫の機嫌が悪いときは静かに絵本を見ていることを覚えた。
「遊びに行きたい」というと「お片づけ」と言われるから。
 うまく抜け出したときは見つからないように家から離れて遊んだ。
 でも帰るとドアに鍵がかけられていた。あるいは玄関から上がることを禁じられた。
 小人の王様が帰らないときは夕食は抜きだった。
 許されても気分が悪くなってそのまま布団にもぐりこんだ。
 お説教は長々と続き、わたしの人格を否定して終わる。
「何か言うことはないの?」
「・・・ごめんなさい」
「まったく謝ることも出来ないなんて最低の子ね」。
 口を挟めないほどまくし立てて、話題がころころ変わって、結局何を注意されているのか分からない・・・。
 「ごめんなさい」は、「だめな子でごめんなさい」という意味だった。



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