米澤穂信『折れた竜骨(上・下)』
~創元推理文庫、 2013
年~
米澤穂信さんによるノンシリーズの長編です。
物語は、ソロン島の領主ローレント・エイルウィンの娘、アミーナの一人称で進みます。
老兵が奇妙な症状で死亡した後、ローレントはとつぜん傭兵を募ります。一方、東方はトリポリ伯国から、魔術を用いる「暗殺騎士」を追い、聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士ファルク・フィッツジョンとその従士ニコラ・バゴがソロン諸島を訪れます。
アミーナは、初対面のときから高い論理性を見せたファルクに信頼を置き、2人を領主の館へ案内します。そして、エイルウィン家の従騎士エイブが集めた傭兵たち、領主に呼ばれた市長らが、領主の館の「作戦室」に集うことになりました。
翌朝、ローレントが何者かに殺害されていることが判明します。アミーナはファルクたちに、犯人捜しを命じ、彼らは調査を開始しますが、その最中、「呪われたデーン人」たちがソロン諸島を襲来し……。
という流れなのですが、これは面白かったです。
物語を読み終わると、タイトルも沁みます。
素敵な読書体験でした。
(2024.02.16 読了 )
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