そらをみあげて。

そらをみあげて。

あるチュール入港管理局の人間の日記。-1



最近、元誤爆大国の財務長官がうちの国に来たとは聞いていたが、まさかあんな子供だとは。。。
しかもわがままで世間知らず。。。
いったい、元帥殿は何を思って士官を受け入れたのだ?(消しゴムで消された跡有
いや、そもそもあんなのを財務長官にするなど、誤爆大国は何を考えていたのだ。。。??(消された上から書かれている

よし、後世のためにヤツの行いを記してやろう。。ふっふっふ。。。

あの日、私は昼休みを前にうきうきしていた。
なにせ昼になれば妻の作った愛妻弁当(この愛妻がポイントだ)が待っているからな。うん。
けっして妄想ではないぞ?
決して財政管理全て握られ、お小遣いが少なくて今月厳しいとかそういったことは。。そんなことは。。。(周辺に少し濡れた跡有
いや、こんなことを書いてもしょうがないな。後でお小遣いの値上げ交渉をしてみよう。
でだ。
そんな私の幸せな時間をあいつらが壊したのだ。

「室長、見慣れぬ艦が近づいています。」

その声に振り向く私。
時間を巻き戻せるのなら、私は絶対に早めに抜けて昼休みに入っているだろう。
ちなみに私はチュール入港管理局、第三室の室長である。

「その艦より入電、こちら『tundra wolves』旗艦あんじぇ。入港するからエスコートよろしく☆。。だそうです。どうします?室長。」

そんな艦はうちの国では聞いたことがなかったため(というより何だその通信は)、暫く待たせる様伝え、データベースで確認する私。

そ ん な と き の こ と だ

あのいまいましいことが起きたのは。
いきなりスクリーンに少女がうつったことからその事件は始まる。
うつしだされた少女に一瞬我を忘れる我が部下達。
(というかどうやって映像を。。回線は開いていなかったし。。。ハッキング?まさかな。。ここは最新鋭のシステムを使っているのだ。きっと誰かが間違ってチャンネルを開いてしまったのだろう。と、その時は思っていた。後に、その部隊の性質を聞くまでは。。。)
そしてその口から吐き出された第一声。忘れもしない第一声。

「入港するから、エ ス コ ー ト 。よろしくね☆」

だから待てといっているだろうが。と、その意を再度伝える私。

「私待たされるのは嫌いなの。そもそも自国の艦が入港するのに断る必要なんてないでしょ?ねぇはやくぅー」

帰ってきた返事がこれである。
まったくもって、忌々しい。忌々しい、忌々しい、あぁ、あぁ、忌々しい。
私も昼休みに入ってしまっていたので、段々と苛立ってきていたのを覚えている。
「貴艦は、当国のデータベース上のどの艦にもあてはまらない。中央に問い合わせるためしばしまたれよ。」
たしかこんな具合で答えたんだったかな。
(今思うと、「あんじぇ」でHitするわけがなかろう。。。入港手続き舐めてるのか?あのガキは。正式名称は『Angelica』。後にあの艦の副官からそう聞いた。。。)
そしてあれが起こった。
いきなりその艦がゲートに向かって進み始めたのである。

「待ちくたびれたからもぅいいわ。自分で入るからゲート開放よろしくねー。でないとぶっ壊すから♪」

そんな滅茶苦茶な一言を添えて。。。
しかも満面の笑みでだ。
しかしその笑顔とは裏腹に、何故か背筋がぞっとする。
逆らってはいけないという動物の本能が私に警告する。
その画面から放たれるあまりの威圧感に、おとなしく指示に従う我が部下達。
まったくもって情けない。
私か?私はだな。。。聞くな。。。。。
にしてもあの少女からどうしてあんな威圧感が。。何者だ?

かくして、私たちの『英断』でゲートが壊されることはなかった。
次もこううまくいくと思うなよ、あのガキめ。。。次こそは、次こそは。。。。





いかがでしたでしょうか?
入港管理局の視点からあの日の出来事をクローズアップしてみました。
続編希望があれば室長の日記また作りますが、なければ打ち切りってことでw
次回は本線に戻ります。


-次回予告-
亡霊の蠢く闇の世界。
そこに生者が忍び込む。。。
次回「闇に潜みし者達。」



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