寂症状

灰色の空-3-



僕は入り口で一番近くにある、ブランコへといった。座り、少しこぎながら、清美のことをなぜか思い出した。

清美はブランコが大好きだった。「ブランコに乗ってると、空を飛んでる感じなのよ?」君はいつも笑いながら言った。僕は、ブランコに乗るのが嫌で、ただ見てるときが多かったけど、その方が、君の事がもっとよく見えたんだ。

あるとき、君はブランコに乗ってて僕が見てると、小さな子供が公園に入ってきたときのことを思い出した。その子は泣いてて、「ママーっ。。。ママーぁっ」としゃっくり混じり、言っていた。僕はただ不思議そうに見ていると、すぐに君はその子の元へと走っていった。

「どうしたの?迷子?」と君はしゃがみながらその子に問う。長い髪を手で後ろへ上がる手耳に書けると、君はそのこと頭をなでたよね。「大丈夫。おねぇちゃん達が探してあげるから。そして僕の方を見た。僕はすぐ首を縦に振って、そばへ寄った。「どんな人なの?君のママ。」

「あのねぇ、お。。お母さんはぁ。。。茶色いかみで。。。白いドレスなのぉ。。。それと。。。赤いドレス。。」君は「分かった」と一言で、公園の外へ出て行った。」

僕はそのこと二人きりなると、急いで会話を始めた。「ええっと。。。君の名前は何?」僕はそのこと同じ目線になるように、しゃがみながら聞いた。

「エリカ。おにいちゃんは?」

「僕?僕の名前は雅史。」

「かっこいい名前だねぇ」

「そう?」僕はうれしそうに言う。僕の名前がかっこいいといわれたのは人生で二回目だ。初めては清美だった。

「ねぇ!!いたよ!!」と清美がいきなり公園の中へ走ってきた。後から女の人が。

「エリカっ!!」

「ママぁ!!」その個は僕の元を離れてその女の人へと走っていった。「あのねぇ、あのおねえちゃんとおにいちゃんがね、すごくやさしかったよ!」

その女の人は僕たちを見て、深くお辞儀をした。「本当にありがとうございました。」

「いいえ。」と君は笑って、お辞儀を小さく返した。

その二人が公園を出て行くと、その小さい子は後ろを見て、「バイバイ雅史さん!」といって手を振った。

僕は手を振って「バイバイ」というと、君は「ずるーい!」とつぶやいた。

「へ??何が??」と僕は隣で立っている君を見上げた。すると君は首を振り、僕に笑った。

でも、君はもう僕の隣にはいない。少し目がかすむと、また昨日のように上を見上げた。そこには青い空が。

昨日とはあまりに違う感じで、なんだか開放された気持ちになった。清美がよく言っていたように、空を飛んでいる気持ちになった。気がつくと、僕はブランコで空高くへと舞い上がっていた。自然と笑顔が浮かぶ。

_____
続くよ!


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