社交ダンス的通販生活　

　この日の六本木ケントスは 『BATTLE of the ROCKIN'』 と銘打ったイベント日、要はいつもなら出演バンドは一つだけなのだが、この日は二つのバンドが交互にステージを繋いでいく、という趣向である。


　妹とその仲間は六本木ケントスのハウスバンドではないほうのバンドのファン、いわばアウェイ？　日韓サッカーの試合を韓国に応援しにいく、というイメージかな。

　ワタシとしちゃ、どっちでもよく、とにかくノリノリな演奏さえしてくれれば、 『ハーメルンの笛吹き男』 の演奏だってかまやしないわけだがぁ～。


　初回ステージはもちろんハウスバンドだ。　男性メンバー全員がいわゆる頭にトサカをつけたようなリーゼントスタイル、さらに男性ファンのためにカワイコちゃんの女性歌手も一人いて、彼女はポニーテールに落下傘スカートのピンクのワンピース。


　うんが～、男性歌手が～～～。

　中年のややメタボ、リーゼントスタイルなんだが、ワタシにはなぜか 『梅沢劇団』 の臭いがフンプンとした～。　 (ファンがいたらごめん、ヒトの好みはソレゾレさ)

　でも歌がノリノリなら外見なんて関係ないよ、別に ビジュアル歌手 を見にきたわけでなし～。　と、思ったがこの歌が～～～。

　うん、決して下手じゃない。　上手いと思うよ、きっとみんなでカラオケBOX行ったなら・・・

『部長って歌、すごい上手いですよね～♪(はあと)』

ぐらいは女子社員全員に言われるというレベルかにゃ？　ごめ～ん。

　あきらかな プレスリーのモノマネ作り声 が鼻についてワタシにはちょっと聞き苦しかったデス。

Elvis On Stage

　　しかし、さすがハウスバンド、観客はノリノリだ。　普通こういったライブハウスの初回ステージというのは、最初から踊るヒトはまず稀で、コソコソっと隅で踊ったりする程度なのだが～。

　それがもうバンドが演奏を始める前からその 狭っ苦しいダンスフロア (通路です) には、お客が我先に立ちはだかり、押し合いへし合いの状態～。

　あ～、お客はみんなおっさん、オバハンばっかり…。　老後の心配を一時でも忘れるためなのか？、はたまた嫁姑の確執に疲れたのか？


　演奏が始まるとともにその 加齢なる集団 がユサユサと蠢き出す…。 『うぉお～っ』 とか 『いえ～いっ』 とかの断末魔のような掛け声もアチコチから飛んで、

『おいおい、トシを考えろ！』

　と言いたくなったワタシは一体イクツだろ？

　ついにワンステージは踊ることが出来なかった。　 オッサンプレスリー の歌が気に入らない、というのもあるし、そもそも後ろからグイグイと踊る人波に押されて立ち上がることすらできない。

　頭をまっすぐにしていると、すぐ後ろで踊る人の手が容赦なくセットした髪に当たるので、テーブルに両肘を付き、頭を抱えるようにして、 ロックンロールをご鑑賞 してしまった…。　ぶひ。


　さて、2ステージ目は妹たちのご贔屓バンドの登場だ。

　妹たちも負けてない、登場するなり 『○○ちゃ～ん！』 『○○く～ん！』 と、大声援。　プレゼントを渡したりとイッパシの オバちゃんグルーピー？ 　ハズカシや…。

　実はこのバンドはやはり妹に連れられて 銀座ケントス で踊ったことがある。

　曲はロックンロールというよりもそれよりもう少し後期のシュープリームス、とかのR&B系、ブラスセクションも入っていてノリノリ度は高い。　

　今度は演奏が始まる前に立ち上がって、踊る場所を確保した。　といっても一人あたり、 30センチ四方 もないんだけど…。　これだとステップは足踏みしかできない。　腕もオーダー品を運ぶホールさんに当たりそうで派手には動かせないし、胸のあたりでチョロつかすしか能がない。

　おおおっ、これか～っ！　これが 『パラパラの起源』 かも。　狭い場所で足踏み、手は胸元か肩の辺りでチョ～ロチョロ～。

　踊りだしてすぐに、ここはダメだわ～、ワタシには。　と思った。　何故なら 床が硬い のだ…。

　一見板張りだが、地下室ということでコンクリート打ちっぱなしに直接板を貼り付けているのでは？　階上にあるお店だと、階下に足音が響くので、構造上直張り、ということはないのだが、地下は案外こういうところが多い。

　ま～、でも結構踊っちゃった、というか、蠢いてきたわけで、翌日は 外反母趾が痛い 、さらにあのオッサンプレスリーの作り声が耳について離れない、ということで社交ダンスはお休みした・・・

　また行きたいか？　と聞かれたら 『あまり…　ﾑﾆｬﾑﾆｬ』 なんだけど～。

　うわわわっ、思い出した。　行きます！　予約しちゃったんだ～。

　6月1日の 『スリービックリーズ』 (ま、コレは観るだけか？)